45.宿屋
海で遊んだあと。
私たちは今日泊まる宿へ向かった。
海沿いの道を少し歩く。
そして。
見えてきた。
「……」
「大きい」
海のすぐそばに建っている。
白い建物。
バルコニー。
そして。
目の前は。
海。
「オーシャンビューですね」
しずくさんが言う。
「そうよ」
「妖精の知り合いがやってるところ」
「今日は貸し切りにしてもらったの」
「すごい」
中に入る。
広い。
すごく広い。
リビング。
大きなソファ。
壁には。
巨大なテレビ。
「でかい!」
すずさんが叫ぶ。
「映画館じゃん!」
ゆいさんもキョロキョロしている。
「キッチンもすごい」
アイランドキッチン。
冷蔵庫。
電子レンジ。
炊飯器。
トースター。
食器もいっぱい。
「料理もできるんだね」
私は言う。
「これは」
「長期滞在もできますね」
バルコニーへ出る。
目の前。
青い海。
青い空。
水平線。
「……」
「すごい」
夕日が海に沈み始めている。
海がオレンジ色に染まる。
思わず言った。
「これは」
「確かにすごいです」
そのころ。
すずさんとゆいさん。
完全に探検モード。
「2階もある!」
「ベッドでかい!」
「ここ寝よ!」
ドタバタしている。
一方。
りんさんとあずささん。
ソファ。
くつろぎモード。
「いいわね」
「こういうの」
あずささんが伸びをする。
「最高」
しずくさんは少し満足そう。
「なかなかいいでしょう?」
「はい」
私は正直に言う。
「すごすぎて」
「落ち着きません」
しずくさんが笑う。
「そのうち慣れるわ」
そして。
夕食。
海の幸。
お刺身。
焼き魚。
貝。
エビ。
「豪華!」
すずさんが喜ぶ。
ゆいさんも言う。
「これはすごい」
私は静かに食べる。
「……」
「美味しい」
食事のあと。
再びバルコニー。
夜の海。
波の音。
少し涼しい風。
私は思った。
「妖精コミュニティ」
「すごいですね」
すごい宿。
すごい景色。
そして。
明日は。
ビーチバレー対決。
決戦の日だった。




