44.海へ
ある日の夕方。
私は腕を組んで考えていた。
ゆいさん。
すずさん。
二人とも。
最近。
体が出来てきた。
柔軟も。
かなり良くなった。
「……」
私は小さく頷いた。
「そろそろ」
「頃合いですね」
時は来た。
私は立ち上がる。
「ビシッ!」
次の対戦の話をするため。
しずくさんのところへ行こうとした。
その時。
呼び鈴。
ピンポーン。
「はーい」
ドアを開ける。
そこにいたのは。
しずくさんだった。
「あやめちゃん」
「はい」
しずくさんはにこっと笑う。
「今度の土日に」
「海に行きましょう」
「一泊二日でね」
「海ですか」
私は少し考える。
そして。
「あ」
「ちょうどよかったです」
「え?」
「次の対戦の話をしに行くところでした」
しずくさんが首をかしげる。
「対戦?」
私は胸を張る。
「はい」
「次の対戦」
「ビーチバレーにします」
しずくさんは少し驚いたあと。
楽しそうに笑った。
「あら」
「いいわね」
「海ならちょうどいいわ」
そして。
土曜日。
私たちは海に来ていた。
青い海。
広い砂浜。
「おおー!」
すずさんが元気に走る。
「海だー!」
ゆいさんも笑っている。
「夏って感じだね」
しずくさんは日傘をさしている。
「今日は」
「普通に遊びましょう」
「対戦は明日ね」
「はい」
ということで。
その日は。
普通に遊んだ。
砂浜。
海の家。
浮き輪。
プカプカ。
「気持ちいいー」
すずさんが浮いている。
ゆいさんも笑う。
「これ最高だね」
私も少し浮いてみる。
「……」
「悪くないです」
そのあと。
かき氷。
焼きそば。
海の家。
普通に楽しんだ。
そして。
夕方。
夕日が海に沈む。
私は海を見ながら言った。
「対戦は」
「明日です」
ビーチバレー対決。
いよいよ。
明日だった。




