↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
99/117

百華見面之一

 棠梨《トウリ》の政《まつりごと》は、いくばくかの作用《おもわく》を経て、大婚(天子の婚礼)を青女月に行うことを、正式に公表した。

 しかしながら、大婚の儀そのものは、庶人にとって係わりがない。祝う心目《きもち》と、順便《ついで》に商機を見出《みいだ》すのが、できる全てだ。

 ある意思《いみ》、貴族たちにとっても、大婚は係わりのないものだった。決まった流れを、ただ見ているしかできなかった。

 忙しいのは一部分の官人と、皇族たち。そして、後宮――



***



 急ぐ矩歩《あしどり》で、女兵が樓道《ろうか》を行く。経《けい》と呼ばれる、宮殿と宮殿をつなぐ修長な(ほそながい)それは、両面《りょうがわ》から庭院《にわ》が見えるようになっている。

 雨が降っていれば、あまり通るのに向かない場となるが、今天は清涼な風と白日《ひざし》に恵まれて、難はなかった。

 宣光(センコウ)殿に入る前、女兵は髪の乱れを正した。結い上げていても、波打つ様はよく分かる。

 そして後方についている太監たちが、井然《きちん》と揃っているかを確かめてから、女官《じょかん》を呼んだ。

「紅(コウ)女史、星江那(セイ・エナ)です。聞(ブン)学士から邑司(ゆうし)典籍を戴きました」

「こちらへ」

「あのー……べりー大部(すごくたいさく)なんですけど……」

 言ったところで、否と返ってくるはずがないが、星江那は言わずにはおれなかった。

 当然、呼んだ女官は、ぞろぞろと繋がる太監を見て、目を剥いた。

「どういうことですッ」

「ワタシもそれ、聞学士に言いました、が」

 星江那の視線は、座っている韶華(ショウカ)に注がれた。

「無問題(ノープロブレム)、すぐ見るから」

 韶華は紐遊びする手を止めて、振り向いた。

 運び込まれたのは、ざっと見て、三十。厚みもあるが、紙質が良さそうなので、楽に終わるだろう。

 ひょこ、と韶華の影から身を乗り出して、瑠璃(ルリ)もそれを眺めた。

「瑠璃、めくってあげる!」

「うん。上下に並べて、同時にやってみて」

 軽い驚きとともに、紅女史は封口し(だまっ)た。

 韶華の小技を知っていても、易易と二冊同時と言われると、ほかの反応はできない。

 太監たちは、迷わず言われた通りに典籍を並べた。わずかに揺動《どうよう》を見せたのは、青い目をした幼子に、はにかみつつ謝謝(ありがと)と言われた時だけだ。

「さて……お姉ちゃんの準備はどう?」

 韶華の目は、典籍から離れない。小さな指の動きで、瑠璃と星江那に頁を繰るよう、示していた。

 太監が紅女史の耳許でささやいた。

「……そうですか。好《よろしい》」

「終わった?」

「是《はい》、あとは向かうだけです」

 韶華が典籍、長公主との対決に必要な知識を得たら、ということである。

「公主《おひめさま》って、わりと繁冗《くどくど》しい陳規《しきたり》があるのね。守ってないみたいだけど」

「正す方がおりませんから……わたくしたちにも、漠然《むかんしん》であられて」

「瑠璃、公主《おひめさま》に会いたいー!」

 閃閃と(きらっきらに)目を輝かせる瑠璃には悪いが、それはできない話である。

 玉蝶(ギョクチョウ)公主、正しくは梅麗(バイレイ)長公主に相対するのは、招かれた朱蕣《シュシュン》と随従として行く韶華の、ふたりだけの預定《よてい》だ。

(それにだねえ……)

 おそらく瑠璃の送料す(かんがえ)る公主《プリンセス》と、玉蝶公主は、かなりの隔たりがある。まずなにより、齢《とし》が料想外《そうていがい》であろう。

(お母さんより年少《わかい》だろうって、分かるの、それだけだもんなー)

「ワタシも寒玉(カンギョク)殿までは、同伴(ウィズゴー)しますので……おけ(了)ー」

 江那が典籍の末後の巻(さいしゅうかん)を交換した。その瞬間。

「公主の花釵《かんざし》は、多少樹(いくつ)ッ?」

「え、九樹」

 韶華の声は、聞かれたので答えた。というだけの、鋭気《やるき》のないものになった。

 それでも侵入者は、韶華の答えに満意《まんぞく》を示した。わずかに口の端を上げて、拇指《おやゆび》を立てる。好主意《イイネ》。

「風聞の通り、見れば覚えてしまうようですねッ」

「聞学士……! 突如来て、なんですか」

 紅女史に窘《たしな》められても、老太娘《ろうふじん》は鼻であしらった。

「貴女たちが、いつまでも雪香(セツコウ)さまを慢杯《あまやか》しているから、朱蕣さまが労苦なさるのですッ。さッ、媚子《グッドガール》よ、参りましょうかッ」

 睥睨する老女の魄力《はくりょく》に押されるまま、韶華は立ち上がった。

「直截《そくだん》や好《ヨシ》! いいですか、姑息児(甘やかされっ子)には刻を与えないことが重要。行きますよッ」

「瑠璃も行きたいですっ、老太太《おばあちゃん》」

「可行《よろしい》ッ。二姐《あねうえ》の後方についてきなさいッ」

「待って下さい。瑠璃までっ?」

 先を行きかけていた聞学士は、はあ、と大息を吐いた。

「そもそも、大嫂《あによめ》を呼び出すなど無状《ぶれい》です。姐妹そろって向かい、打一記(がつん)と参りましょうぞ」

「打一記(ばばーん)!」

 喜んでいるのは、幼い季児《すえっこ》だけ。

 打一記《ばばーん》、打一記《ばばーん》と声を揃える老若に、反駁できる者はいなかった。



***



 海棠(カイトウ)宮から桷(トウリ)の苑林を越えると、灰がかった囲墻《かこい》が醒目な(めをひく)宮があった。

 元は、蛤粉《ごふん》のような白さだったのだろうが、故意に薄く泥《よごれ》を残し、緑の狭間から冷《さ》めた玉が、現れたかのように見せている。

 寒玉殿と呼ぶ意思《いみ》が、よく分かる。

 と言いたいところだが、この宮殿は、正式には花塊(カカイ)宮と称する。すぐ北側には、単に北宮と呼ばれる清女(セイジョ)宮があり、ふたつ合わせて太皇太后などの皇族だけが、住む。

 今は、玉蝶長公主だけが住まう。

 だから己の雪香の名に因んで、梅の別名で呼んでいるのだ。

「……やたらに冷たさに拘《こだわ》った別名は、陸(リク)一族の好みなのかね……」

 脚を止めた韶華を、聞学士が促した。

「招き入れるのは、寒玉殿と封信にありました。作りは覚えておりますね?」

「是《はい》、門をくぐれば、すぐに玉拳(回廊の橋)が上に見えると。左の経《ろうか》を通れば、目的の寒玉殿に。もしも玉台(塔)に入ったならば、そこは瓊林(ケイリン)院。ですね?」

「好《よろしい》。杜娘君(朱蕣さま)も?」

「分かっているわ。でもわたしは、韶華を信じるだけよ」

 尚絅《ベール》の下から朱蕣は答えた。

 打扮《けしょう》も装いも覆い隠され、美しさは見えない。韶華が知れるのは、珠珥(真珠のイヤリング)の揺れるかすかな音と、羅《うすぎぬ》の裾子《スカート》の冴えた桜花紅(べにざくら)の色。それから、

(いい匂い……)

 甘さと清涼さが、朱蕣の矩歩《あるく》ごとに暖かみを増したり、爽やかさを感じさせたりする。玉蝶公主が使う黒沈香《キャラ》に、劣るところはひとつもない。

 韶華が作った香であると気づくのに、時は要らなかった。

「開門!」

「ようこそいらっしゃいま」

 した。が、花塊宮の女官の口から続かない。固然《もちろん》、原由《げんいん》は、現れたひとの多さであった。

 前列に西方の女兵、星江那。続いて聞学士、韶華、主賓である朱蕣。基本の客はここまでで、佳人の後方に、幼子が女兵に手を引かれて来ていた。そして、その影に潜むものには、誰もが目を逸《そら》す。

「おお、嘆かわしいッ。我らが一人(天子)の御妹(いもうとぎみ)であらせられる玉蝶長公主は、いつからそんな不行儀《ぶさほう》な女官を使うようになられたのでしょうッ」

「可悪行径容赦(サーセン)!」

 これまた下拙《アレ》な言を吐いて、女官が内側に消える。すぐに戻るものの、上官らしき女官を連れて来た。

「久久でございますね、聞学士」

「まさに。花塊宮が女士《ものども》は、誰ひとりとして我が下に集わず、知らず無状を為すものなり」

 女官を始め、宮女への管教《きょういく》を司る学士の言をそのまま呑み込めば、長公主は後宮の主といえるほど、係わってはこなかったようだ。

 ぎりぎりと歯を食いしばるような顏で、女官は韶華たちを招き入れた。

「わたくしは録事を務めます、聞杷(ブン・ヒ)というもの。玉蝶公主さまにおかれましては、杜娘君の臨席を、真《まこと》に悦《よろこ》ばしむものであります」

 名からしてふたりは姉妹らしい。紅女史の姉妹を思い出すが、女官は一族で同じ行《しごと》を継ぐから、珍しいことではない。

「さ、向導《あんない》いたします。こちらへ」

「ふわああ……」

 門内側で第一《さいしょ》に目にする玉拳(ギョクケン)を見て、瑠璃が大きく口を開けた。

 東西の楼台をつなぐそれは、天に掛かる虹のように、大きく弓なりになった橋梁《はし》だった。

 下をくぐれば天井《なかにわ》へと入り、遠くには華麗な正殿が見えている。

 好奇に満ちて辺りを見回すのは、幼子といえど、不行儀。聞学士が眉をつり上げるのを見て、手を引く韋翠雀(イ・スイジャク)が、小さく不妙《だめ》ですよとささやいた。

「不要客気(おきになさらず)。天真《すなお》な驚きは、愛らしいものです。どうぞご覧になって……こちらに青梅(うめの蜜づけ)を準備させますわね」

 聞録事は、すっと手を動かし、一団をより分けた。

 朱蕣と韶華。そして、残り。

 不自然なところのない倣法《やりかた》は、二分されたと気づいた時には、姉妹は経《ろうか》に、残りは瓊林院に誘われていた。

「おー、ふぉげっとみーのっと(ワスレナイデー)」

 身高《せたけ》と異国の美貌を使い、江那が辛うじて韶華の背方《はいご》に滑り込んだ。

 ちッ、という舌打ちが、録事の口許から聞こえた気がしたが、韶華は聞かなった

ことにした。

「玉蝶公主さまは寒……」

「姑子(義妹)に会うのに、尚絅《ベール》はいらないわね」

 老女の息が止まる。韶華も、止まるかと思った。

 尚絅(おおい)を退《しりぞ》けた花兄《ゆび》が露わにしたのは、窈糾《しなやかさ》を極めた女人の令儀《うつくしさ》。これまで美貌という言《ことば》を、差錯《ごかい》していたのではないかと思うくらいだ。

「驚いた?」

 ただ、頷く。

 主がために盛気凌人《いたけだか》でいた老女も、活力《きりょく》を殺がれ、封口し(だまっ)た。

 花塊宮に太監はいないのか、経を渡りきったところで、紅人《めしつかい》が迎えに来た。

 片刻《すこしのあいだ》、結舌で(だまって)一行を見つめ、扉を開けた。

「こちら……です」

 四間《よんへや》をひとつにしたような穿室《ふきぬけ》は、黒檀の設《しつら》え。磨かれた床板に置かれた香炉から、芳醇な黒沈香《キャラ》が匂い立つ。

 香炉以外の飾るものは、室内にほとんどない。中心に架子《フレーム》を立てて、羅で覆った玉帳としているだけだった。

「…………ぎょっ、玉蝶公主さま、杜娘君と随従にございます」

 舌先でも噛んだか、魚(ぎょ)と言ったように聞こえた。

 帳の内《なか》の女人も、そう聞いたらしい。刺《とげ》つきの条《ヒモ》を投げつけるような声音《こえ》が、響いてきた。

「我(われ)の名を魚と言うたは、誰じゃ」

「もっ、もうしわけありませぬ。決してそのような言を使ったわけでは……」

「ほう、では、我が聞き違《たが》えたと言うか」

 息を止めて紅人が狼狽えるのを見て、ああこれは、と韶華は大息を吐いた。

 不在相当(やっちまったナー)。

(思い出すなぁ……水芳(スイホウ)宮に行く前の做事方法(おさほう)鍛錬(くんれん)で、よく怒られたこと)

 紅人、これすなわち順口なり(くちあたりよく)。韶華の理解では万事順口(口からでまかせ)。貴人の言に対しては、改口し(ことばをあらため)ては不成な(いけない)のである。

「欺負す(いじめ)るものではなくてよ、妹妹」

 緩やかに朱蕣が告げた。

「妹、妹……」

「小姑子《こじゅうと》と呼ぶほうが、合適な(あってる)のかしら」

 朱蕣は、ふう、と故意に出してみせた大息を、口許に花兄《ゆび》を添えて止める。かすかに首を傾げた動きから、珠珥《イヤリング》が煌《きらめ》き、擦れた音を立てた。

 眩《くら》むばかりの動作であるのに、韶華の背粱《せすじ》には冷汗が伝う。見ればすでに、江那の額角《こめかみ》には伝っている。

 帳の向こうで、身じろぎがあった。

「那位《そなた》、聞くに優る才媛のようじゃな……好《よろしい》、遮面《おおい》を払え」

 窩気《くやしげ》な声に続き、羅の帳が引かれる。大きな椅背(背もたれ)のある胡床《いす》と、それに座す女人が見えた。多半《たぶん》。

(まあ女人かなあ……女人。ていうか、ひと。だよね、木人《にんぎょう》じゃないよね……?)

 確かめたいが、それを見ているのは、韶華と朱蕣だけである。紅人や女官、江那は控えたままの式子《しせい》で、顏は上げていない。

 零件《パーツ》を見れば、確かに皇族。一品を持つ女人らしく、釵は小さな花のついたものが両旁《りょうわき》に九樹。歩搖をつけているから、長公主であるのも分かる。

 金の首飾《くびかざり》も眩《まばゆ》く、披肩《ショール》に光る星星《てんてん》があると思えば、水晶が縫い込まれているからだった。

 そして帛《きぬ》の白い袗衣《ワンピース》を下に、重ねるは牡丹紅の綵綺《あやぎぬ》。そこに牡丹の刺繍を加え、真珠で露を表す。

 朱蕣の美しさが装うものに依らないとしても、ここまで飾れば、平凡な女人であろうと、旁《わき》に立つ元気がでるかもしれない。

 玉蝶公主が平凡な面貌をしている、と言っているわけではない。肌理《はだ》の白さは、氷艶(ヒョウエン)公主の別名に切合《ぴったり》で、

(うん……きっと、わたしよりは綺麗なひとなんだと思う……)

 と判断できるような気がするのだ。気がするだけであるが。なんというか、面貌《かお》の問題ではないので。

「それ、重くありません……?」

 韶華の呟きを聞いて、紅人と女官が冷戦し(みをふるわせ)た。

「重……そんなことを訊いてどうするッ」

「いえ、気になったから。以前、同じことをとある令媛《れいじょう》に尋ねましたが、まあ……重かったようですね」

 韶華は長公主の額黄(額の化粧)から、さらに上に目を向けた。

 巨鳳《ビッグバード》。

 巻き上げた髪で造形した、鳳がある。もったりと頭に乗っているので、鳳よりも鵝《ガチョウ》に似ているが、鳳と言って良いだろう。

 假髪《かつら》も利用していると思うが、全体をふわりと結い上げ、躯干《どうたい》とする。束ねた髪は三に割り、ひとつは巻き上げて首に、残りは左右の両旁《わき》に広げ、翼のように見せていた。

 首は前方まで伸びて、平簪《かんざし》を嘴《くちばし》として飾る。宝玉を咥《くわ》えさせているのは、重さで下に向くようにするためだろうか。ゆるりともたげた鳥の首の形が、微妙に(よく)表されている。

 西方の貴き女人も、髪を包子《まんじゅう》のように膨らませ、帆船を頭に据え付けた形にすると書籍で読んだが、それに匹敵する。

(うん? あれは西方見聞録だっけ……じゃあ、虚言《うそ》かな)

 だとすると、世界にひとりだけの髪だ。一次《いちど》見ればもう、目を離せない。

「重いなどと無状《しつれい》なッ。そも、那位《そなた》は誰ぞ」

 朱蕣が下がり、韶華を前に出した。

「これなるは杜韶華、わたくしの妹です」

 拝礼する韶華を見下ろし、長公主は鼻で笑った。

「そうであった。聞いておるぞ。女人なのに、大学に上学《つうがく》しようという、あれじゃな? 小聡明《こざかしさ》を自尊《じまん》しようと連れてきたか」

「聡明なので、小はいらないですし、わたしが同行したいと希望し(ねがい)ました。長公主が、長姉をどのように扱うものか、分心《しんぱい》したので」

 韶華の言を聞いて、紅人と女官が失落《ぼうぜんと》した。長公主の眦《まなじり》がつり上がる意思《いみ》を、知り尽くしている。

「はッ……家人を閨内《こうきゅう》に入れただけで、たいした口の利《き》きようじゃ。その権威が、我ら皇族に使えるとでも? まさか、下一次《つぎ》などと考えてはおるまいな。丕子《あとつぎ》ならば、すでにある。皇子を得たところで、白衣《しょみん》の国子(貴公子)と呼ばれるだけじゃ」

「その説法《いいかた》からすると、姉を認めているように聞こえますが……後宮の主と称する長公主が、海棠宮に入る後妃を歓迎していると……考えても佳(イイ感じ)?」

「そんなことは、言っておらん。それに井然《きちん》と我を玉蝶公主(マダムバタフライ)と呼ばぬか! 固然《もちろん》、氷艶(アイスビューティ)公主(プリンセス)でも構わぬ。氷玉公主《レディクリスタル》……私下として(こじんてきに)は、そう……氷肌公主(つやはだ姫)ならば、もっと好《よい》」

「あの……そういう意思《いみ》を込めての玉蝶公主《マダムバタフライ》は、不妙な(マズい)んじゃないですかね。最後のなんかは、穀物品種名みたいだし」

「我の考えた称呼《よびな》が、古怪《へん》と言うか!」

「自身《じぶん》でお考えになったんですか……」

「漂亮《すてき》!」

 幼い声音《こえ》が響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。