第一章 連続惨殺事件 エピローグ
渡辺の始めての事件はほとんど黒棺に任せっきりだった。
渡辺がしたことといえば黒棺の行動に一々、驚いていたくらいだ。
警察署に戻ると黒棺は自分の席にさっさと戻って事件を調査する前と同じことを始めた。
渡辺も自分の席に座って一息ついた。そうしていたら肩を叩かれた。
驚いてすぐに渡辺は振り返ると渡辺の上司である人が立っていた。
「始めてのお仕事、お疲れ様。どうだったかい」
上司は優しい声で言った。
「はい。黒棺先輩のおかげでなんとか」
「そうかそうか。それはよかったよ。それで黒棺君ときみにちょっと用事があるから来てくれるかな」
上司は黒棺にも目を配り、奥の部屋について来いと言った。
もちろん断ることは出来ないから黒棺と渡辺は素直についていく。
奥の部屋は警察長室であった。警察長室にはその通りに警察長がいた。
警察長は両隣に一人ずつ座れる程のでかさの椅子に腰かけていて机も渡辺や黒棺の使っている物を使っている。
その警察長からは重苦しい空気が伝わってきて渡辺は部屋に入った瞬間に緊張がピークに達した。
「警察長、連れて来ました」
渡辺達を連れて来た上司がそう言い、そそくさと部屋を出て行く。
部屋には黒棺と渡辺と警察長の三人になった。気まずい雰囲気が部屋を支配する。
「黒棺君と渡辺君だね」
気まずい雰囲気を切り裂く凛とした声を発したのは警察長であった。
その言葉に黒棺は縦に一回だけ首を振り、その反応を見て渡辺は慌てて「はい」と答えた。
「君達は今回の事件に大変、大きな活躍をしてくれた。しかし、苦情が一つある。黒棺君、何か乱暴な調査をした覚えはあるがね」
「あります」
黒棺は警察長のプレッシャーももろともせずに堂々と言う。
「はぁ、」と警察長はため息をつく。
「君は毎回、調査をすると何かしらの問題を持ってきてきれるね。少しはこちらの事も考えてほしいよ」
「はい」
「まぁ、君は事件を良く解決してくれるし次から気をつけてくれよ」
黒棺は警察長が言い終わると同時に頭を下げお辞儀をすると警察長室を出て行く。渡辺も慌てて頭を下げて出て行く。
渡辺は黒棺が何故、他の警察官に嫌がられるのかか分かった。渡辺もあまり関わりたくないと思った。
しかしそれは叶わずこれからも黒棺に振り回されるのはこれからの話しである。




