1、婚約者様達に変装するなんて万死に値する1(爆発ざまぁ)
一話一話、最後まで読んでもらえると幸いです。
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女主人公と第三王子のイメージ画像
この作品に掲載しているイラストは全てaiイラストです、またaiで出力しているので多少ビジュアルが変わってしまうのはお許しお願いします
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「貴方との婚約を破棄させて頂きます」
今日はガルシア王国第三王子ロイフォード・ガルシア様のブルーネル魔法学院の入学を祝う盛大なパーティーの最中、彼の婚約者シャーリー様はなんの脈絡もなく一方的な宣告を告げた。
「何?」
一瞬頭が真っ白になったのだろう、否、理解することを拒んだのかもしれない、しかし感情なんてものは時間が経てばたやすく冷やされ、冷静にさせられる、冷静になってしまえば必然、相手の言うことを論理的かつ合理的に受け止めれてしまう、それが人間というものだ、事実、ロイフォード・ガルシア様はシャーリーの言葉の意味を把握したようだ。
だが、理解するのと解決するのはわけが違う、理解したところで打開策がなければ破滅的未来しかない、しかしそんな都合のいいもの用意できてるわけもなく、額に脂汗をかきながら必死に頭を回転させているのだろうが、そんな事情知った事かといわんばかりに彼を追い詰める言葉を紡ぐシャーリー様。
「だから婚約破棄だって言ってるんです」
彼の都合などどうでもいいのだろう、容赦なく追い討ちをかけてくるシャーリー様、もちろん納得できるはずもなく猛抗議するロイフォード様。
「い、意味がわからない!!なんでいきなり………」
さも不愉快そうに眉を寄せるシャーリー様。
「だってロイフォード様って血を操るなんてまるで吸血鬼のような魔法を使う悪役王子って噂されているじゃありませんか」
彼女の言葉を聞いた瞬間、まるで頭を鈍器で殴られたかのようによろめくロイフォード様、あまりの衝撃的な言葉に目の焦点があっておらず、呆然とする彼。
「ほんと馬鹿だな、シャーリーは俺と結婚するんだよ」
「…………え?」
絶句しているとシャーリー様はいつの間にか隣にいた第四王子ロゴミス・ガルシア様に甘えるようにもたれかかり、ねっとりとロイフォード様に見せつけるように深い口づけを交わす。
ロイフォード様からしたらその光景は数秒にも数時間にも感じたのかもしれない、息継ぎをするように口を離す二人の間に嫌な光を発する唾の糸が垂れる。
ロイフォード様はその光景が信じらず我が目を疑うように目を見開き、心臓を鷲掴みにされたように微動だにせず、数秒間、完全に静止してしまう。
「どう………いう事?」
「鈍いな~、シャーリーは俺に惚れたってだ」
「すみませんロイフォード様………ロゴミス様との真実の愛に気づいてしまったんです」
様子から察するに婚約者であるロイフォード様には一言も聞かず、ロゴミス様のいう事を全て鵜呑みにしたという事だ、今まで培ってきた信頼関係はその程度のものだったのか、親密さを表すように身を寄せ合う二人にロイフォード様は尚も心を抉られているようだ。
「それに………ロゴミス様に比べて黒髪黒目と不気味な見た目をしてますし」
「ーーー!、そん……な………」
「そうそう気持ち悪いよなぁ~」
この国では黒髪黒目は不吉の象徴とされ、忌み嫌われている、更にロイフォード様の得意な血を操る血液魔法は吸血鬼を連想させる魔法、裏では〝吸血悪役王子〟と陰口を囁かれている、ロイフォード様の婚約者シャーリー様は一般的な容姿や見た目、魔力を持つロゴミス様に惹かれてしまっても致し方ないのかもしれない、だがそれで全て納得できる程人は強くない。
「これは返して貰います」
ロイフォード様の首に下げているネックレスリングをシャーリー様は回収しようと近付く、婚約者同士は同じリングを肌身離さず身につけ合う、これを取る場合は大きく分けて二つ、結婚時に本当のエンゲージリングをつける時か、婚約破棄をする時か、今回は明らかに後者だろう。
「おいおい、お下がりかよ」
「これで我慢してください、今度一緒に新しいのを買いに行きましょう」
「………もう好きにしろよ」
シャーリー様はロゴミス様と会話しながらロイフォード様のネックレスリングを目指して歩き続ける、もう何もかもがどうでも良くなったのか、呆然と立ち尽くす。
「………〝処理工程開始〟」
………今日からロイフォード様の護衛任務についた私、ファスティー・エーデルシュタインはロイフォード様を守るように前に立ち、シャーリー様達に向かい合う。
「ん?、何だ貴様、確か今日からロイフォードの護衛についたファスティー だったか?何か文句でーー!!?、何だこれは?、宝石?……何だ何だ俺につくという事か?、なかなか物分かりがいいじゃ無いか、まぁ顔もなかなか悪く無い、今夜可愛がってやろう」
「……そうか、そうだよな、ファスティー、お前もそうするよな」
何か喋りかけたロゴミス様に黄玉石を投げつける、ロゴミス様は愉快そうに顔を歪め、ロイフォード様も顔を更に暗くする。
「なんだ?、ダンスの誘いか??、こんな大勢の前で欲しがるなんていやらしい女だなぁ」
「ちょっと、私の新しい婚約者に色目を使わないでくださる!」
「もちろん正妻は君さ、そんなに心配しなくてーー」
「ーーー『黄玉石牢』」
「ーーー!?!!、な、な、な、何のつもりだ!!」
手を前に突き出すと何を勘違いしたのか、訳の分からない事を宣う二人、私は先ほどロゴミス様に投げつけた土の魔力が篭った黄玉石を触媒として宝石魔法を発動させる、二人を石の檻に閉じ込める。
「ーーー『爆発柘榴石』」
「ーーー痛ッッッ!!?、な………な………何を………」
いきなり閉じ込められたロゴミス様が騒ぎ出すが、私は間髪入れずに爆発の魔力がこもった柘榴石を石の檻の中に投げ込み、即座に爆発魔法を発動させる、密室に閉じ込められた二人にその爆発から逃げる場所などなく、そのまま爆発に身を晒される、特に爆心地に近かったロゴミス様は呻き声を上げながらその場に俯きで倒れる。
「ゴホッッ、ゴホッッ、い、いきなり何をするのですか!!?、このような狼藉許されなーーヒッッ!!?」
「静かにしろ………寿命を縮めたくなければな………」
ロゴミス様よりは爆心地より遠く、更に奇跡的に爆発の大部分をロゴミス様が受けてくれた為、多少ダメージが少ないシャーリー様が講義の声を上げるが、攻撃魔法を彼女の手前にチラつかせると怯えた表情で硬直するシャーリー様。
「………〝処理工程完了〟」
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