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退魔師組織の協力 4

ここまで愛川視点

 それからの時間は愛川は大越や柄池等と会話を過ごして体を休ませていた。

 また、時間までは自由に散策をしていいとのことで、大空と古賀松は室内を見て回ってもいた。

 そして、時間は正午になる時間にさしかかっている。

 正午になる前に話をしたいということで、離れていた人も事前に連絡されていて、8人は事前に集まることは出来た。


「それじゃあ、早速細かい部分の任務について話そうか」


 雷剣が8人の前に立って話す。

 ちなみに事前の連絡は御堂の新しく追加されたシステムから連絡された。


「みんなには見張りをして欲しいとは聞いているとは思うけど、ある出入り口の所を見張っていて欲しいんだ」


 雷剣は後ろのホワイトボードに張り付いていた支部の地図を指差して話す。

 雷剣の指差した場所は愛川たちが入った出入り口より小さく、目立たない場所に設けられていた。


「ここはあまり使われない部分だけど、見張っているだけでも全然違うからね、何かあったら僕でもいいし近くにいる退魔師でもいいから連絡して」


「俺に連絡でもいいけど、多分出れないからな」


 雷剣は指差した部分を円で描きつつ話す。

 龍富は補足ということで言葉を付け足した。


「あと、戦闘はする必要はないから、逃げたって問題はないとだけ言っておくよ。みんなにとって重要なのが、戦うことじゃなく報告なんでね」


「はい、分かりました」


 雷剣は戦闘についても語り、柄池は承知を言葉にした。

 ここは龍富も以前話していた部分なので、お互いに強調したい部分だとは愛川も理解出来た。


「それと、みんなの名前を確認してもいいかな? 確か君が愛川さんだよね? 触れた人の心が読めるって……」


「あ、はいそうです……って私のことを何で?」


 雷剣は愛川の方に視線を向けて確認の声を出すと、愛川も手を挙げて肯定の言葉を出し、疑問も出す。


「王駕から話は聞いているからね、だからさ。感のいい君が大越さんであっているかい?」


「そうです、けど感は外すこともありますよー」


 疑問に答えながら、雷剣は次にということで大越を見て確認し、大越は答える。


(あー、私のことも話してたんだ。でも、化者疑惑は多分話してはいないみたい……)


 その言葉の中で愛川は心の中で呟き、安心を同時にも感じてもいた。


「パソコンが得意な御堂さんが君で、王駕と仲が悪い君が古賀松さんで、戦闘がなかなかイケる大空さんが君でよかったね?」


 さらなる次として雷剣は御堂、古賀松、大空と確認の声を出していった。


「見た目の通りパソコンが得意です」


「王駕くんと仲悪い古賀松でーす」


「戦うことになったら任せてくれ」


 雷剣は確認した順に御堂、古賀松、大空の順に肯定の言葉を出していく。

 最後にと雷剣は八雲に向く。


「それと、最後に化者の知識がある八雲さんで……間違いないね?」


「ええ、そうよ」


 雷剣は確認の言葉を出すと、八雲は肯定の言葉を出した。

 ただ、雷剣は確認の後、顎に指を触れて顔を少し前に出す。

 顔の表情は疑問の色が滲んでもいた。


「君って、どこかで会ったかい?」


「いえ、初対面よ。私は会った記憶はないわ」


「そうか……見当違いで申し訳ない」


 雷剣の質問を八雲は否定の言葉で返され、雷剣は謝りの言葉を出す。

 雷剣は少し前に八雲を二度見ていたが、それが気になっていたためであろうか。


「これで僕からの話は終わり。後は午後から見張りについてもらうから、そこからは頼むよ」


 雷剣は頼みの言葉を周りに送って、話を終わらせた。



 時間が過ぎ、時は正午。

 退魔師支部の方で出された昼食も出されて8人はそれを食べることとなる。

 そして午後。

 8人は雷剣から言い渡されたエリアへとついていた。

 また、雷剣も持ち場についたかの確認でこの場に来ていたのであった。


「それじゃ、みんなはここを見張っていてくれ。頼んだよ」


 雷剣はそう言って、龍富以外の7人の肩をそれぞれ叩き、労いを行う。


「それともう一つだけ、王駕を含めたみんなに言葉を」


 小さく頷き雷剣は言葉を出す。


「今の日本は気が付かないところで化者が増えていっている。和洋折衷でこの時代で弱体化した化者、この時代で力を得た化者。散った化者、生まれた化者。人間が時代によって変わるように化者もまた変わっていることを覚えていてくれ」


 雷剣は皆を見渡して進言をするかのように話した。

 普段の愛川であれば、固そうなことを言っていると流してはいたが、言葉は妙に印象に残っていた。


(確かにサキュバスも普通の人の知らないところで増えたからなあ)


 愛川は雷剣の言葉を心の中で噛み砕いて言葉とともに重要性を感じていた。

 記憶の隅にでも置いておく方がいいとも感じてもいた。


「王駕は僕と一緒に来て同じエリアを守ってくれ」


「ああ」


 背を向いた雷剣は龍富と一緒にこの場を離れようとする。


「さて、息子はあれからどれくらい強くなったか見せてくれんだから、僕は楽しみだよ」


「あれからって、一年も、いや半年もたってないぞ」


 雷剣は移動をしながら龍富に話しかけ、龍富は突っ込んだ話をしていく。

 愛川たちは龍富が抜けて7人でここを見張るようになる。


「あ、俺は周辺の退魔師に挨拶してくるよ。やっておけば、何かあったときに少しはスムーズになるだろうし、なにかあったら、俺に連絡してね」


「お、分かった。よろしく頼むぜ」


 思いついたように言葉を呟いた柄池は古賀松の了承の声を聴いた後、この場を離れていく。

 愛川と古賀松をはじめ、異論はなかったので、止まることなく柄池は移動をしていった。

 更に柄池が抜けて、6人で見張ることとなる。


「いってらっしゃーい」


 手を振って言葉と共に愛川は柄池を見送る。


「確認だけど私たちって、出入り口周辺と支部の中のことを見張っていればいいんだよね?」


「そうよ、支部の中って言っても奥深くまでじゃなくてもいいってことだし、今いるフロアから見える範囲でいいとも言っていたよね」


 念のための確認ということで愛川は大越に聞くと、大越は周りを見渡しつつ答えた。

 愛川としては聞いた話としてあやふやなところがあったため、はっきりとさせておくために聞いておきたかった。


「あと、たまに外も見張ってくれとも言ってたな」


「重要なところは室内と出入り口の方だけという感じだな」


 大空は加えて外を見ながら見張る場所を話し、御堂はまとめとして重要な箇所について話した。


「じゃあ、私は愛理栖ちゃんと外を見てきていいかな? すぐ戻ってくるから」


「お、そうだね。外の様子見は最初にやっておいた方がいいからな」


 大越は提案を周りに聞こえるように出し、大空はそれに同意する。

 異論は出てないので、問題はなさそうである。


「分かった。それじゃあいてくるから」


 大越は異論のないことに対して理解を話した。

 大越となら、見張りでも問題はないので異論はなかったことから、愛川も頷いて意思を出す。

 それから愛川と大越は移動を始めた。


「八雲、本を読むのもいいけど、見張りもちゃんとやってくれよ」


「大丈夫よ、これでも本以外の周りも見ているのだから」


 愛川の背後から大空から強い口調ではないがたしなめる言葉が聞こえ、八雲は周りも見ていると返答がくる。

 離れることのほんの少し不安はあったが、ここ周辺であれば4人もいることから、その不安はすぐに気にならなくなった。

 移動をしていき、愛川と大越は外に出ていった。

 周囲には特に目立つものはなく、近くの道には植物などが植えられた花壇と掲示板があり、入口から離れたところにブロック塀が並んでいるくらいであった。


「さて、出入り口はしっかり見ておかないとね」


「特に怪しいものがないか、念入りにチェックだね」


 愛川を見て大越は見張りの開始を話し、愛川は怪しいものに気を付けると声を出す。

 愛川は前に歩を出すと、先に大越は顔を愛川の耳に近づけて小さく声を出した。


「あと、話いいかしら?」


「何かな?」


 大越の声に対し、愛川は小さい声で何かと返す。

 周囲には人はいなかったが、念のためということで声にも気を付けた。


「八雲さんには気をつけなさいよ、あの人、私のことを化者かと疑ったから。あの時は化者じゃないとも言って誤魔化せたけど」


「そっか、気を付けないと……」


 大越は八雲に化者と疑われたため、気を付けるようにと話し、愛川はそれを頷いて受け入れた。

 大越は少し険しい顔で話していて、言葉を返した愛川の顔も少し険しくなっているのかもしれない。


「愛理栖ちゃんは何をするか分からなくて怖いからね、気をつけてちょうだいよ」


「そうだね……って、私は大丈夫だから」


 いつもの大きさの声に戻して、大越はため息が出そうな声で愛川に警告をして、愛川は了承を伝える。

 八雲の動きは前々から独特と考えてはいたが、まさかこんなことまで考えていたとは愛川には考え付かなかった。

 だが、化者のことの知識と興味がある八雲であれば、こうすることは当然なのかもしれないと愛川は考えにもたどり着いてもいた。


「大丈夫で問題ないなら、心配はないのよね……ともかく、これから八雲さんと会話したらそのことも報告よ」


「う……まあ、八雲さんのことは報告すれば対策も立てやすくなるから、そこは仕方ないか」


 大越は会話の報告するようにとも再度告げる。

 愛川は大越から視線を外して、妥協の意思を伝えた。


(八雲さんも気を付けないと、か……)


 八雲も気を付けないといけない、そう思って大変なことになりそうだと愛川の心の中で考える。

 化者だとばれるリスクから考えれば、これくらいの苦労は軽い方ではある。

 ただ、八雲をうまくかわせるかについては不安は残ってもいた。

 それから、愛川と大越は周辺に何か変なものはないかと探していた。

 結果的には怪しいものは見つかることはなく、愛川と大越は古賀松たちのいる室内へと戻ることになる。

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