頭の中の引き出し
私の頭の中には多数の引き出しや、ポケットが存在する。
脳内において情報を収納する為の引き出し。解決手段を直ぐに構築できる問題を収納するポケット。
しかし、その中には錠のついた引き出しも多数存在する。
錠のついた引き出しは開けてはならない禁断のパンドラの箱。
直ぐに解決出来る筈の問題を入れたポケットからは、問題解決の前に情報がこぼれ落ち、整理整頓していた筈の引き出し達は、各々が別々の場所に移動し、その行方がわからない。
今ある現状。それをどの引き出しに直せばいいのかもわからない。
禁断のパンドラの箱は錠が腐食し、開きかけたまま放置されている。
脳内は掻き乱され、錯乱状態に陥る。
私は『死にたかった』訳ではない。『死ななければならなかったんだ』
死を望むのは名残。私の頭の中の引き出し達は、もう、私自身の能力で改善できないのかも知れない。
『生きたい者が死に、死にたい者が生きるこの世界』
腐っているのはきっと、私の精神なのだろう。
だからこそ、この引き出し達は、私の理性を離れ、暴走しているんだ。
ポケットなど既に役に立たない。
脳内は腐食し侵食していく。ポケットからボロボロと情報を垂れ流し、脳内整理も出来ないまま、私は負の連鎖に巻き込まれていく。




