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第一章:アークティア編 予告
風が、人の感情を運ぶ悠久の大地――アークティア。
草原、渓谷、そして蒼き空に浮かぶ島々。
人々は“共鳴風”を通して心を分かち合い、争いを避けて生きてきた。
だが今、その風が狂い始めている。
怒りは連鎖し、恐怖は増幅し、部族同士は疑い合う。
“感情感染”と呼ぶべきこの混乱を前に、
アークティアの筆聖は宣言する。
――感情を統制し、一つの意志に束ねる、と。
自由か、秩序か。
心を委ねるか、抗うか。
草原の部族《エルダレン》。
渓谷の部族《カレッシャ》。
そして、浮島の部族《ファルティア》。
分断されゆく大地の中で、
〈災厄の残響〉を宿す青年・カズヤと残響を失った少女・アマネ、
断章の詩の一行は、否応なく選択を迫られていく。
風は、誰のものなのか。
心は、縛られるべきものなのか。
鍵を握るのは、
“感情の痛み”に苦しむ外典の少女。
断章の詩を率いる男。
感情を巡る戦いと、
風と共に生き、そして抗う者達の物語。
残響詩篇
〜 第一章:アークティア編 共風と共に去りぬ 〜
開幕。




