StoryCode:“kowaku”#1『アネさんアニさん』
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「さぁ〜!というわけで今日も始まりましたーいやぁ〜姐さん!」
「はいはいなんでしょうか兄さん」
「今日一段と涼しいですね〜」
「そうですね〜、なんといってももう11月ですからね」
「一年ってほんと、経つの早いッスよねー」
「分かります。それ、私、すっごい分かります」
「ホンマっすか!?いやいやいや!僕ね、姐さんには分かり兼ねるのかなっ!て思ってたんですよ」
「兄さん!ちょっと!それは私のこと馬鹿にしすぎちゃいまんかる?」
「すマンガる!」
「アッハハハハハハハハ!!!」「キャッハハハハハハハハ!!」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯おもんない。絶望的におもんない昼の放送が今日も幕を開けた。どうして放送室はこんな最悪のラジオを垂れ流す事が出来るのか。しかもそれに拍車をかける最悪が⋯なんとこのラジオ。止める事が出来ないのだ。
もう意味が分からんよな。俺も言っていていみがわからん。なんか俺のいるクラスの教室と放送室の線が“良い感じ”過ぎて、中止が不可能な様子。
⋯⋯⋯普通、逆だろ。放送室からの音源が教室まで行き届かない⋯なら分かるけど、『来すぎる』ってなんだよ。それとなんで音源をシャットアウトする事が出来ねぇんだ。こうして俺らクラスメイトは、本校最悪の昼休憩の絶望ラジオを聞く羽目に⋯⋯。
「さぁ!それでは今日のおすすめ楽曲のごしょーかーい」
「今日はですね、リクエストメールが届いておりマース!」
「おっ!おめずですね〜。おめず」
「おめず?おめず⋯というのはなんなのですか? 」
「姐さん、おめずを知らないなんて⋯ノンノンノン!」
「えぇ??皆さんは知ってますかぁー?『おめず』って単語」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
静まり返る教室。
「スタッフさんは知ってるの??」
いや、良くあるけど⋯ブース外にいるラジオスタッフに声掛けるパターンのやつね。何、学生の分際で、んなことやってんだよ。
「ほララァ、知らないじゃないのよ〜」
「ええ?嘘ぉ⋯知ってるでしょー⋯てか、『ほララァ』ってなんなの」
でた⋯始まったよ。
気になる事が発生したら直ぐに突っかかるんだよ。地獄過ぎるって。まだ何の解決もしてないことが沢山あんだよ。
「ほララァっていうのは⋯⋯ワッチにも分からん!」
「姐さんにも分からんのなら、誰にも分からんな!」
「ガッシシシシシシシ!!」「パッキャキャキャキャキャキャ!!」
笑い方やば。
「さぁ、というわけで今日はゲストを招きたいなぁ〜なんて思ってるんだけども⋯⋯アレアレ、ブースの外には誰もいないいない、あれれ、いないいない、アレレ」
「いないいない、いないいない。アレレ」
女、参加してんじゃねぇよ⋯
てか、このパターンって確か⋯
「みんな!おマンたこいたせましたぁ!今日はルーレットでゲストを決めたいと思いマースっ」
でた⋯。赤紙だ。全校生徒の中からランダムでゲストを決めるやつ。この前は⋯一年生の奴が生贄になってたな。
「はーい!引きましたァー!!」
「さぁてラッ!今日のゲストはぁー⋯」
「──────、あなたです!」
「⋯⋯⋯ヤだ」




