もうすぐ死ぬのに恋をした
科学技術が発展した現代では、一分一秒まで正確な寿命の計測が可能となり、予定寿命の長さは健康状態を示す一つのアドバンテージとなっていた。
そんな中、生まれながらにして十七歳までしか生きられないと宣告された夢月れいかは、その寿命の終わりが残り一週間に迫った頃、周囲から向けられる同情の視線に心底嫌気がさしていた。
かわいそうに。こんなに若いのに。たった十七歳で。未練もあるだろうに。
そんな視線を向けられるたび、れいかは思う。
いい加減にしてよ、と。
十七歳で死ぬことはわかっていた。だから未練が残らないよう、観たい映画は片っ端から鑑賞したし、悲しまれたくなかったから、友達も、恋人も作らなかった。
だからこそ、れいかには未練らしい未練というものは存在しなかった。
ただ、しいて言うのなら、読みかけのネット小説、『約束の矛先』の更新が残り三話で完結する予定なのに、そこでピタリと止まってしまっていることくらいだった。
そんな折、意図せず、『約束の矛先』の作者である前園幸助と出会ったれいかは、強い口調で言った。
「お願いします! 私が死ぬまでに、『約束の矛先』を完結させてください!」
しかし、れいかには別に、本当の目的があった。
残り一週間足らずの寿命をつかってでも叶えたい、れいかの、本当の目的とは――
※カクヨム、エブリスタにも掲載してます。
そんな中、生まれながらにして十七歳までしか生きられないと宣告された夢月れいかは、その寿命の終わりが残り一週間に迫った頃、周囲から向けられる同情の視線に心底嫌気がさしていた。
かわいそうに。こんなに若いのに。たった十七歳で。未練もあるだろうに。
そんな視線を向けられるたび、れいかは思う。
いい加減にしてよ、と。
十七歳で死ぬことはわかっていた。だから未練が残らないよう、観たい映画は片っ端から鑑賞したし、悲しまれたくなかったから、友達も、恋人も作らなかった。
だからこそ、れいかには未練らしい未練というものは存在しなかった。
ただ、しいて言うのなら、読みかけのネット小説、『約束の矛先』の更新が残り三話で完結する予定なのに、そこでピタリと止まってしまっていることくらいだった。
そんな折、意図せず、『約束の矛先』の作者である前園幸助と出会ったれいかは、強い口調で言った。
「お願いします! 私が死ぬまでに、『約束の矛先』を完結させてください!」
しかし、れいかには別に、本当の目的があった。
残り一週間足らずの寿命をつかってでも叶えたい、れいかの、本当の目的とは――
※カクヨム、エブリスタにも掲載してます。
プロローグ
2019/12/03 12:00
第01章 『夢月れいかは邂逅する』 - 01
2019/12/03 12:00
第01章 『夢月れいかは邂逅する』 - 02
2019/12/03 12:00
第01章 『夢月れいかは邂逅する』 - 03
2019/12/03 12:00
第01章 『夢月れいかは邂逅する』 - 04
2019/12/03 12:00
第02章 『前園幸助は困惑する』 - 01
2019/12/04 12:00
第02章 『前園幸助は困惑する』 - 02
2019/12/05 12:00
第02章 『前園幸助は困惑する』 - 03
2019/12/06 12:00
第03章 『夢月れいかは成敗する』 - 01
2019/12/07 12:00
第03章 『夢月れいかは成敗する』 - 02
2019/12/08 12:00
第04章 『前園幸助はデートに興じる』 - 01
2019/12/09 12:00
第04章 『前園幸助はデートに興じる』 - 02
2019/12/10 12:00
第04章 『前園幸助はデートに興じる』 - 03
2019/12/11 12:00
第05章 『夢月れいかはパンを頬張る』
2019/12/12 12:00
第06章 『前園幸助はペンを執る』 - 01
2019/12/13 12:00
第06章 『前園幸助はペンを執る』 - 02
2019/12/14 12:00
第07章 『夢月れいかは睡魔に身を委ねる』→第08章 『前園幸助は何をすべきか理解する』
2019/12/15 12:00
第09章 『夢月れいかは確信する』
2019/12/16 12:00
第10章 『前園幸助は空を仰ぐ』→第11章 『夢月れいかは小説を読む』
2019/12/17 12:00
最終章 『前園幸助は答えを欲する』 - 01
2019/12/18 12:00
最終章 『前園幸助は答えを欲する』 - 02
2019/12/19 12:00
最終章 『前園幸助は答えを欲する』 - 03
2019/12/20 12:00
最終章 『前園幸助は答えを欲する』 - 04
2019/12/21 12:00
エピローグ
2019/12/22 12:00