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24.お茶会


 翌朝、勇者くんは宛てがわれた部屋でそわそわしている。……姫様とのお茶会までまだ時間があるぞー。


 そんな勇者くんを心配してクラウスくんとハンナちゃんもそばに居てくれている。


 こんな調子でエミリア姫のハートを落とせるのやら……。はぁ……。


 さっきから勇者くんは落ち着きなく広い部屋の中をぐるぐる歩き回っている。


「レオン……ちょっとは落ち着いたら?」


「う、うーん……でも何かじっとしてられなくて……」

 とそんな勇者くんの目の下にはくっきりと隈がある。……エミリア姫に印象悪いし余計な心配されそうだな……治癒術でこっそり治しといてやるか……。と治癒術を掛ける。


 ……ついでに沈静の魔術でも使ってやろ……ゲフン……止めとこ……。勇者くんの実力でエミリア姫のハートを勝ち取らねはならぬのだ!


 頑張れー勇者くん!ファイトだ勇者くん!


 そうしているとお茶会への迎えのメイドさんがやってきた。


 そうして、城のとある中庭へと移動したのだった。……その間勇者くんはカチコチである。情けない……。






 中庭に入るとエミリア姫がパアっと周囲が明るくなる様な笑顔で迎えてくれた。


「勇者様!皆様、よくいらして下さいました」


「は、はいっ……お、お招き頂きありがとうございます」

 と勇者くんは上擦りながらも何とか言えた。


「お招きありがとうございます」


「お招きありがとうございますエミリア姫」


 二人は落ち着いているな……勇者くんがアワアワし過ぎているからか……。


 それから着席し、和やかにお茶会は始まった。勇者くんはエミリア姫の隣だ。


「勇者様の今までの旅路をお聞かせくださいませ」

 とエミリア姫の目はキラキラしている。勇者というものに憧れでもあるのかな?


「えっと……そんな大したものじゃないですけど……」

 と勇者くんは村を出た辺りから話始めた。……おいおい村からかよ……。やっちまったな……。


 と、思ったがエミリア姫は楽しそうに聞いて相槌を打っている。あり?


 本当に盛り上がってるぞ……ありり?


 いや、喜ばしい事なんだけどね。


「うふふ……呪いの魔剣と旅をする勇者様も面白いですわね」

 と鈴を転がす様に笑う。


「ええ、アインザーはとっても頼りになるんですよ。……お手入れの時以外は」

 と勇者くんも笑う。……大分緊張が解れてきたな……良かったー。


「お手入れの時以外ってどうしですの?」


 あっ……勇者くんヤバイとこ踏んだ!剣が喘ぐんですーとか姫様に言えないっしょ……。


「え、えっと……それは……」

 と勇者くんの視線が宙を彷徨う。


 しゃーない……汚れ役やってやるか……。


『姫様ーそれはですねー……お手入れの度に俺が、あはんあはんと変な声で言ってるからですわー』


「まあ!魔剣様……そうなのね……。大変ですわね勇者様……」

 と姫様は微妙な顔をして、勇者くんに哀れみの視線を送る。


「あはは……でもそれ以外はとっても頼りになるんですよ……」

 と色々エピソードを話した。


「そのようですわね。ふふっ」

 と再び笑顔になった。ホッ一安心。


 ちなみに、クラウスくんとハンナちゃんは勇者くんを邪魔しないように結託してちょっと離れている。こっちもさっさとくっつけよー。


 それから勇者くん達は楽しいお茶会を過ごした。それはもう幸せそうだった。


 勇者くんは部屋に帰って一人になってもぽけーっとしていた……。まあ、しゃーない。


 勇者くんは幸せの興奮で寝れなそうだったが、無理矢理言い含めて寝かせつけた。


 勇者が睡眠不足とか危ないでしょ。


 そして今日は俺は剣として働いてないのでお手入れは無しである……酷い!汚れ役もかってあげたのにぃー。ぐすん。

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