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17.襲撃者の挑戦状


 幾つか街を経由し、魔王の配下に襲撃されたという街へ着いた。……街は結構荒らされている様だ、破壊された家がちらほら見える。それに何だ?……赤いペンキも撒き散らかされている。何があった?


 そして勇者くん達は領主邸に案内された。もう勇者くんが旅をしている事や人相などは周知されているんだねー。……俺の事はどーなんだろ?……バレたらやばくない?


「いやー勇者様が来てくださって助かります……これが襲撃現場に残されていたメッセージです……」

 と領主は勇者くんへ手紙を差し出す。


「……なになに……ロッソ様参上!!勇者よ、さっさと俺の元へ来いっ!場所は自分で探せ。それぐらいの知恵はあるだろう?……だって……」

 と勇者くんは呆れた風に読み上げた。


「えらく目立ちたがり屋な様だな……」


「そうね……」

 とため息が続く。


「……領主さん、それでこの辺の被害はどうなっていますか?」

 と勇者くんは真剣な顔になる。


「ええ、それが酷いものでして……」

 と領主はこの辺一帯の街々の被害状況を厳しい顔で語った。


 魔王の配下……ロッソが魔物を引き連れてやって来て、街々を襲い家を壊し人々を害し……いや殺したり……攫ったりしているそうだ。


 それもすっごく目立つ様に……。……赤いペンキも撒き散らかしているようだ。ロッソと言う名前通りの色だな……。






 それから勇者くん達は用意された領主邸の一室にて作戦会議をする事になった。


「うーん……場所は自分で探せ……か……」

 と勇者くんは唸る。


「とりあえず領主から得た情報を地図にまとめるか……」

 とクラウスくんは地図を広げる。


「えっと、最初にこの街が襲われたのよね……で、こことここと、こことここね……」

 とハンナちゃんは印を入れる。


 ふーむ?……これって……もしやー?


『勇者くーん……勇者くーん。俺っ分かっちゃったかも!』


「えっ!アインザー本当!教えてー」


『えーでもぉ……勇者くんが自分で考えた方が為に……』

 とここで俺は冷たーい冷気に気付いた……クラウスくんである。ひぇっ。


「折られたいのか?」

 と地を這うような声が……。


「ちょ、ちょっとクラウス……それは流石に可愛そうだよ……ねぇアインザー……教えて?」


『えー……ハンナちゃんまでー……仕方ないなぁ……えっとねー襲われた街を順番に線で結んでみてー』


「う、うん……」

 とハンナちゃんは線で街を結んでいく。


 そしてある図形がほぼ出来上がった。


「これって……五芒星?」


「だな……」


「って事は……もしかして、次に襲われるのは……最初の街?」

 とハンナちゃんは顔を青くする。


『だと思うよ……それで五芒星が完成だから……』


「そんな……また襲われるなんて……」

 と勇者くんも顔を青くする。


「ちっ……これだから魔族は……」

 とクラウスくんは眉間に皺を寄せる。


「……こうしちゃいられない……早く隣街へ行かないと……今から立てる?」

 と勇者くんはそわそわする。


「……もう夕暮れだぞ……深夜に街道を行くことになる……」


「でも……私も街が心配だわ……」


『……多数決でも取ろうかー?』


「……アインザー……どうせお前も賛成に回るんだろ?」

 

『おおっ?ご名答ー!!さっすがクラウスくん!パチパチパチ』


「本当に深夜に進んで……大丈夫なのか?」


『んー……今の皆の実力なら大丈夫だと思うよ?……今のところ危険な魔物も感じないし……ただ……』


「ただ……なに?」

 と勇者くんは首を傾げる。


『不眠不休でそのままロッソと対決になるかもってこと……』


「……それでも行かなきゃ」

 と勇者くんは真っ直ぐな目をしている。うむ、勇者らしくて宜しい!


「仕方ない……行くか……」


「ありがとう!クラウス!!」


「……仕方なくだからな……」


「ふふっ……ありがとクラウス」

 とハンナちゃんは天使の様に微笑んだ。クラウスくんのハートにクリティカルヒットだぞこれはー!


「……あ、ああ……じゃあ用意をするぞ……」

 といそいそと荷物をまとめ出した。……頑張って照れと動揺を隠しているなー。プークスクス。

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