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16.記憶と頭痛


 街道の魔物を蹴散らしながら勇者くん達は順調に進んでいく。爽快である。


「アインザー、先程の姫と結婚した勇者っていつの時代の勇者だ?」


『えっ?……うーん?……あれー?誰だっけ?……えーっと……うーん?あれれ……覚えてないや……』


「とぼけてるのか……」

 と声に凄みがある。怖い。


『いや、マジで分かんない!……何か記憶にモヤが掛かったような……うーん……』


「アインザーが出会ってるんだよね?」

 と勇者くんから助け舟だ。


『うん……お城で……話して……あいたたた……ず、頭痛が……』

 と何かキンキンする。痛い。剣なのにー。


「……頭あんのか……」

 とクラウスくん。……俺にも分かんないーい。


「……そこなの?……アインザー大丈夫?」

 とハンナちゃんは心配してくれる。ありがとねー。


『だ、大丈夫だよー。本当何で思い出せないんだろう?……年かなー……はぁ』

 ……えーっと何歳だったっけー?千は超えてるけど……あれん?


「んじゃあ、アインザーの前の使い手は?」


『ん?前の使い手?……そりゃ……魔王様よ』


 魔王!!と三人の声が揃った。顔も揃って驚いている。流石幼なじみ。


『うん……そーだった気がするー……んで、倒した勇者くんが俺を城に持ち帰ってくれたんだよねー……そうだ!その勇者くんだ!!……えっと……名前は……ミゲルだよ!勇者ミゲル!!』

 と何かピンと来た!


「勇者ミゲル!有名だよ!今の王様の御先祖だもん!」


『やっぱり?……だよねー。合ってて良かったー』

 と一安心である。ふぅ。


「で、勇者ミゲルと魔王の戦いってどうだったの?アインザーも当事者だよね?」

 と勇者くんの目は輝いている。勇者ミゲルの事好きなんだなー。


『えっとねー……ありー?……覚えてないや……ごめんよー勇者くーん』

 と考えると更に頭痛がする。痛い痛い。


「隠してるんじゃないのか?」

 と訝しむクラウスくん。


『いやホントマジで!……俺ってば宝物庫生活長過ぎてボケてるみたーい……あはは……笑えない……ぐすん』

 ……本当にへこむ。俺年なのかな……。


「アインザー……ごめんよ……無理して思い出さなくて良いよ」

 と勇者くんは撫でてくれる。


『勇者くん……ありがとねん!』


「だが、魔王の対策のために早めに思い出せよ……ご老体……」


『いえっさー……ご老体はひどい……』


「……森の舘で自分で言ってただろ」


『自分で言うのはーいいのー』


「めんどくせー奴」


「まあまあ、クラウス……。でも早めに思い出してくれると助かるよアインザー」


『うん、頑張るわー……本当なーんで思い出せないかなぁ?』


「何かアインザーにトラウマでもあるのかしら?」


「そうなのアインザー?」


『えー……さっぱり分からん!』


「でも人間のトラウマの症状と似ているわ……大丈夫?」


『大丈夫じゃないけど大丈夫ー!』


「おい!魔物だぞ!」

 と言うクラウスくんの声で、この話題は中断された。何かホッとした……。


 戦闘中も何故思い出せないのか?ばかり考えてしまった。……勇者くんのサポートはちゃんとしてるよー!俺ってば高性能だからね!


 次の街に着いて宿屋へ行ってもずっと悶々としていた……が勇者くんからのお手入れが気持ち良くて疑問なんて吹っ飛びましたー。ああんっ……き、気持ち良いいんっ……!

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