最終話 爆々ねこレース!
恋は叶っていない。
だが、俺は言えた。
その事実だけで、サン・ハルカ広場の空気は、さっきまでとは少し違って見えた。
白薔薇と紅薔薇の旗が、湖から吹く風に揺れている。
水路にはゴンドラが並び、石橋の上では観光客が猫耳を揺らしながらこちらを見ている。
鐘楼の上の猫像は、いつの間にか元の姿勢へ戻っていた。
踊っていた猫像も、逃げていた猫パンも、自我を持ったゴンドラも、願いの文字を浮かべていた光猫たちも、今は祭りの飾りみたいに落ち着いている。
ただ、完全に元通りではない。
街のあちこちに残る鈴の音が、まだほんの少しだけ夢っぽい。
ちりん。
どこかで鳴るたびに、俺はさっきの言葉を思い出す。
俺は、明日菜さんが好きです。
神様にどうにかしてもらうんじゃなくて、俺が言います。
言った。
言ってしまった。
思い返すと、全身から変な汗が出そうになる。
だが、不思議と後悔はなかった。
明日菜さんは返事を保留した。
当然だ。
今日会ったばかりなのだ。
いきなり恋人になりました、なんてことにはならない。
でも、彼女は言ってくれた。
わたしも、白金さんのことをもう少し知りたいです。
それは、ゴールではない。
スタートでもないかもしれない。
スタートラインに立ってもいい、くらいの言葉かもしれない。
それでも、今の俺には十分だった。
俺は、明日菜さんの隣に立っていた。
距離は、近すぎない。
遠すぎもしない。
さっき抱えて走ったことを考えると、むしろ今の方が緊張する。
彼女は救護テントで那々美さんに膝を手当てしてもらい、足首にも冷却シートを巻かれている。
それでも、背筋を伸ばして立っていた。
紅薔薇保存会の代表として。
鈴木明日菜として。
「白金さん」
「はい!」
声が大きくなった。
明日菜さんが少し笑う。
「そんなに緊張しなくても」
「いえ、緊張はしています」
「正直ですね」
「自分の言葉で言うと決めたので」
言ってから、また顔が熱くなった。
俺は今日、何回自分で自分を恥ずかしくしているのだろう。
だが、明日菜さんは笑ってくれた。
困った笑顔ではなく、少し柔らかい笑顔だった。
それだけで、走った疲れが少し軽くなる。
その横から、ローズマリーがひょいと顔を出した。
猫耳はない。
水路に落ちたままなので、祭礼衣装の頭だけが少し寂しい。
しかし、本人はまったく気にしていない様子だった。
「光くん、顔がゆるいよ」
「ゆるくありません」
「いや、かなりゆるい。広報補佐としては減点かな」
「ローズマリーさん、失格者ですよね?」
「失格しても美しさは失格しないから」
「強い」
俺は素直に感心してしまった。
この人、どんな状況でも自分の立ち位置を崩さない。
明日菜さんが少し呆れたように言う。
「ローズマリーさま、そろそろ猫耳を回収しないと」
「水路の精に捧げたと思えばいいよ」
「保存会備品です」
「なら回収しよう」
現実的な一言でローズマリーが動いた。
紅薔薇保存会の代表は、やはり明日菜さんなのだと実感する。
その時、広場中央の仮設ステージに鳴海愛会長が上がった。
手には端末。
隣には椎凪先輩。
少し離れて、玉藻先生が何か言いたそうに立っているが、愛会長に視線で止められていた。
さらに、白薔薇保存会側から姫扇あやめさんが進み出る。
足首には包帯。
それでも姿勢は完璧だった。
あの人、本当に怪我しているのだろうか。
怪我をしていても、していないように見せるのがメイドのたしなみなのかもしれない。
たしなみの範囲が広すぎる。
愛会長がマイクを持った。
『参加者、観客、保存会関係者の皆さまへ。爆々ねこレースは、先ほど全コースの安全確認を完了しました。人的被害は軽傷のみ。重傷者はありません』
広場に安堵の空気が広がる。
那々美さんが小さく息を吐くのが見えた。
『なお、複数の障害物において、予定外の可学反応および幻実因子発現が確認されました』
観客から拍手が起きた。
愛会長が少しだけ眉を動かす。
『拍手する場面ではありません』
拍手がぴたりと止まった。
強い。
『レースの正式順位については、途中で猫神ハルカによる試練が発生し、ペア変更、失格、特別通過判定が混在したため、通常の順位表彰は困難と判断します』
「ですよね」
俺は小声で言った。
あれを普通に順位付けできる審判がいたら、その人もたぶんファントムだ。
愛会長は続ける。
『よって本年度の爆々ねこレースは、白薔薇保存会、紅薔薇保存会、鏡星学園生徒会、アクアリウム観光局の協議により、特別記録扱いとします』
「特別記録」
横でローズマリーが笑う。
「便利な言葉だね」
「鏡星学園ではよく聞く言葉ですか?」
「これから増えるんじゃない?」
「嫌な予言ですね」
愛会長が視線をこちらへ向けた気がした。
俺は黙った。
ステージ上で、あやめさんがマイクを受け取る。
『白薔薇保存会を代表し、本日の混乱についてお詫び申し上げます。観光演出の管理、猫鈴バンドの運用、可学ギミックの安全確認について、改善すべき点が多くございました』
その横で玉藻先生が小さく手を上げた。
「猫鈴バンドはかなり貴重なデータを――」
愛会長が見た。
玉藻先生は手を下ろした。
あやめさんは続ける。
『ただし、参加者の皆さまが見せてくださった願いと走りは、ハルカ降臨祭の本来の意味を、改めて示すものでございました』
次に、明日菜さんがステージへ上がった。
足をかばいながら。
俺は思わず手を貸そうとしたが、彼女は一度こちらを見て、小さく首を振った。
大丈夫です。
そう言われた気がした。
俺は手を引っ込めた。
彼女は自分の足でステージに上がった。
紅薔薇保存会の代表として。
『紅薔薇保存会代表、鈴木明日菜です』
広場が静まる。
昨日まで、俺は彼女をローズマリーの付き人だと思っていた。
今日の彼女は違う。
いや、もともと違ったのだ。
俺が知らなかっただけだ。
明日菜さんは少し緊張しながらも、はっきり話し始めた。
『紅薔薇保存会は、ハルカ降臨祭の古い形を守ることを大切にしてきました。一方で、白薔薇保存会は、祭りを多くの人に楽しんでもらうための観光化を進めてきました』
広場の白薔薇保存会スタッフと紅薔薇保存会スタッフが、お互いをちらりと見る。
その間には、これまで積み重なった何かがあるのだろう。
対立。
意地。
誇り。
伝統。
利益。
守りたいものと、変えたいもの。
俺には全部はわからない。
でも、少しだけわかった気がする。
願いは、ひとりのものとは限らない。
街にも願いがある。
祭りにも願いがある。
誰かに押しつければ歪む。
でも、聞き合えば道になる。
明日菜さんは続ける。
『今日のレースで、わたしたちは改めて気づかされました。願いは、閉じ込めても、押しつけても、うまく届きません。伝統も、観光も、どちらかだけでは祭りは続きません』
あやめさんが静かに頷く。
ローズマリーも腕を組んでステージを見ている。
明日菜さんは、白薔薇保存会の方へ向き直った。
『紅薔薇保存会は、来年度からのハルカ降臨祭運営において、白薔薇保存会との共同運営体制を正式に見直し、対立ではなく協議を前提とした新しい保存計画を提案します』
広場がざわめいた。
白薔薇保存会の人たちが驚いた顔をする。
あやめさんは、少しだけ目を伏せた。
それから、マイクを受け取る。
『白薔薇保存会として、その提案を歓迎いたします』
短い言葉だった。
けれど、その声には重みがあった。
『観光として開くことと、伝統として守ること。そのどちらかだけでは、ハルカ降臨祭は続きません。白薔薇保存会もまた、紅薔薇保存会との共同運営を、形式ではなく実質あるものとして再構築することを望みます』
拍手が起きた。
今度は、愛会長も止めなかった。
観光客の拍手。
保存会スタッフの拍手。
鏡星学園の生徒たちの拍手。
鐘楼の猫像が、少しだけ光った気がした。
俺の隣で、ローズマリーが小さく息を吐いた。
「やっと言ったね、明日菜くん」
「前から話してたんですか?」
俺が聞くと、ローズマリーはにやっと笑った。
「ずっとね。あやめとは昔からその話をしていたんだ」
「あやめさんと?」
「ボクとあやめは、子どもの頃から祭りに出ていたから。白薔薇の案内役と、紅薔薇の舞台役。昔は一緒に走ったこともある」
「え」
俺はあやめさんを見た。
あやめさんはステージ上で涼しい顔をしている。
昔からの知り合い。
しかも、一緒に走ったことがある。
「もしかして、ライバル?」
「そうだよ」
ローズマリーは笑った。
「ボクにとっての本当のライバルは、光くんじゃなくてあやめ」
「衝撃の事実」
「でも、今日の光くんはなかなかよかった。臨時ライバルくらいにはしてあげる」
「昇格なのか降格なのかわかりません」
「光くんにはそのくらいがちょうどいい」
悔しい。
だが、少し嬉しい。
その時、あやめさんがステージから降りてきた。
足を引きずっているはずなのに、やはり歩き方が綺麗だ。
ローズマリーが手を振る。
「お疲れ、あやめ」
「ローズマリーさまも、猫耳を落とされるとは珍しい失態でございました」
「そこを最初に言う?」
「当然でございます」
「相変わらず厳しいなぁ」
「昔からでございます」
二人のやり取りは、俺たちに見せるものとは少し違っていた。
遠慮がない。
長い付き合いの空気がある。
「昔から知り合いだったんですね」
俺が言うと、あやめさんは微笑んだ。
「ええ。ローズマリーさまとは、幼少期より祭礼劇とレースで何度も競っております」
「何度も負けたけどね、あやめが」
「正確には、勝利を譲って差し上げた回もございます」
「記憶が改ざんされてる」
「保存会の公式記録では、勝敗より美しさが重視されます」
「便利な公式記録だね」
ローズマリーが笑う。
あやめさんも、ほんの少しだけ笑った。
それは、仕事用の微笑みではなかった。
普通の、懐かしそうな笑顔だった。
明日菜さんが戻ってくる。
その表情は少し疲れていたが、どこか晴れていた。
「あやめさん、ローズマリーさま。ありがとうございます」
「代表が自分で言えたのです。わたくしは、それで十分でございます」
「うん。明日菜くん、よく言った」
ローズマリーがぽんと明日菜さんの肩を叩く。
明日菜さんは照れたように笑った。
俺はその光景を見て、少しだけ胸の奥が温かくなった。
恋の相手として見るだけでは、わからなかった明日菜さんがいる。
紅薔薇保存会の代表。
伝統を守ろうとする人。
ローズマリーやあやめさんに支えられながら、それでも自分で言おうとする人。
俺は、その人をもう少し知りたいと思った。
たぶん、彼女が俺のことをもう少し知りたいと言ってくれたのと同じように。
ゴールゲートの上で、猫神ハルカがあくびをした。
「いい祭りです」
みんなが見上げる。
ハルカは尻尾をゆらゆら揺らしながら、少し眠そうに言った。
「願いは、叶えてもらうより、自分で走った方が、あとでおいしいです」
広場が静かになった。
俺は数秒考えた。
「……おいしい?」
ハルカはこくんと頷いた。
「はい。おいしいです」
「どういう意味でしょう」
那々美さんが困ったように笑う。
ハルカは真面目な顔で答えた。
「走ったあとに食べるごはんは、おいしいです」
「物理的な話だった」
直樹先輩がぼそっと言った。
ナオキ先輩が笑う。
「でも、わからなくはないな」
美咲さんが頷く。
「自分で頑張った後の方が、ちゃんと嬉しいってことでしょ」
ハルカは尻尾をぴんと立てた。
「そうです。たぶん」
「たぶんなんだ」
俺は笑ってしまった。
でも、なんとなくわかった。
願いを叶えてもらう。
それは、きっと楽だ。
猫神様に頼んで、恋が叶って、全部うまくいくなら、それは甘い。
でも、自分で走って、自分で失敗しかけて、止められて、考え直して、自分の言葉で言う。
その方が、たぶん、あとに残る。
結果がすぐに出なくても。
恋人になれなくても。
明日菜さんが「もう少し知りたい」と言ってくれただけでも。
俺は、その方が嬉しかった。
ちゃんと自分で走ったから。
「ハルカさま」
俺は見上げた。
「願い、叶えてくれたんですか?」
ハルカは首を傾げた。
「叶えてません」
「ですよね」
「ちょっと押しました」
「背中を?」
「はい」
ハルカは小さな前足を見せた。
「ぽん、って」
「あれ、効きました」
「よかったです」
ハルカは満足そうに笑った。
「でも、走ったのは白金光さんです。言ったのも白金光さんです。聞いたのは鈴木明日菜さんです」
その言葉は、軽いようで、ちゃんとしていた。
誰の願いか。
誰の気持ちか。
誰の言葉か。
そこを混ぜない。
猫神様は恋を叶えない。
でも、恋を言うための背中は、少しだけ押してくれる。
それで十分なのだと思った。
祭りは、夕方まで続いた。
正式な順位表彰は行われなかったが、代わりに特別賞がいくつも出た。
アリス先輩とパックは『最も物理的に祭りを突破したで賞』を受け取った。
「当然ね」
「こんな賞、誇っていいのか?」
パックは最後まで不満そうだった。
ナオキ先輩と美咲さんは『最も安定して猫鈴バンドを使いこなしたで賞』。
「直樹も出ればよかったのに」
「絶対に出ない」
「来年は?」
「来年も出ない」
「来年まで言い続ける」
「やめろ」
直樹先輩は最後まで猫耳を拒否していた。
だが、スタッフ用の小さな猫鈴バッジをつけられていることには、最後まで気づいていなかった。
美咲さんがつけたらしい。
那々美さんは救護係として感謝状をもらっていた。
愛会長は、アクアリウム観光局と保存会から正式な協力感謝状を受け取った。
ただし、横で玉藻先生が「共同研究成果として論文に」と言いかけた瞬間、愛会長は静かに言った。
「まず事故報告書です」
玉藻先生は肩を落とした。
俺は、特別賞をもらった。
賞名は。
『願いを言い換えたで賞』
もっといい名前はなかったのか。
いや、間違ってはいない。
盾には、猫の足跡と白薔薇と紅薔薇が描かれている。
明日菜さんがそれを見て、少し笑った。
「白金さんらしい賞ですね」
「俺らしいですか」
「はい。最初は少し危なかったですけど、途中でちゃんと言い換えましたから」
「少しですか?」
「……かなり」
「正直ですね」
「自分の言葉で言う方がいいと、今日学びました」
俺は苦笑した。
「俺もです」
夕方、祭りの最後に、鐘楼の鐘が鳴った。
水路の上に花火が上がる。
白薔薇の形。
紅薔薇の形。
猫の足跡の形。
最後に、羽の生えた猫の形。
観光客が歓声を上げる。
その光の下で、明日菜さんが隣に立っていた。
まだ返事はもらっていない。
でも、約束はした。
今度、鏡星学園メディアアーカイブの案内を俺がすること。
そして、その代わりに、明日菜さんがアクアリウム分館の古い祭礼資料を見せてくれること。
デートかどうかは、わからない。
広報活動かもしれない。
文化交流かもしれない。
でも、俺にとってはかなり大きな一歩だった。
「白金さん」
「はい」
「今日は、ありがとうございました」
「こちらこそ」
「また、話しましょう」
「はい。ぜひ」
俺は即答した。
今度は、ちゃんと明日菜さんの目を見て。
彼女は少しだけ笑った。
その笑顔を、俺は勝手に意味づけなかった。
ただ、受け取った。
それだけで十分だった。
夜。
鏡星学園へ戻る列車の中で、俺は完全に力尽きていた。
窓の外には、遠ざかるアクアリウムの灯りが見える。
湖面に、祭りの光が揺れている。
直樹先輩は向かいの席で寝ていた。
ナオキ先輩も少しうとうとしている。
美咲さんは二人を見て笑っている。
那々美さんは救護記録を整理している。
愛会長と椎凪先輩は、すでに報告書の骨子を作っている。
玉藻先生は、端末にびっしりデータを書き込みながら小声で笑っている。
あとで愛会長に回収されるだろう。
アリス先輩はパックに猫耳をもう一度つけようとして揉めている。
宙は窓の外を見ていた。
人形のアリスが、俺の方をちらりと見た。
「願い、走ったナ」
「走りました」
「転びかけたナ」
「転んではいません」
「次は?」
「次?」
「次の願いダ」
俺は少し考えた。
窓の外に、アクアリウムの鐘楼が小さく見える。
猫神ハルカの像も、もうほとんど見えない。
「次は、急がず話します」
俺は言った。
人形のアリスが、にたりと笑う。
「ちょっと成長したナ」
「ちょっとですか」
「ちょっとで十分ダ」
俺は笑った。
その日の深夜。
鏡星学園メディアアーカイブの未分類領域に、新しい記録が追加された。
『爆々ねこレース!』
分類:ハルカ降臨祭における幻実因子発現事例。
状態:安定。
発生地:水上観光都市アクアリウム。
関連資料:ハルカ降臨祭絵巻、白薔薇保存会観光演出記録、紅薔薇保存会祭礼劇台本、猫鈴バンド可学調整ログ。
備考:猫神ハルカは、恋愛感情の操作を拒否。
追加備考:白金光、願いを「恋愛成就」から「告白する勇気」へ変更。
補足:鈴木明日菜、紅薔薇保存会代表として白薔薇保存会との共同運営見直しを提案。両保存会は次年度祭礼運営の再協議へ移行。
処理担当:鏡星学園生徒会長・鳴海愛。
観測協力:見上宙、腹話術人形アリス。
可学関連注記:玉藻妖狐による猫鈴バンド演出補助が幻実因子と共鳴。次年度以降、同教員の単独機材管理を禁止。
画面の文字が保存される。
未分類リストの一番下に、新しい項目が静かに並んだ。
その片隅で、一瞬だけ、ウサギの懐中時計マークが点滅する。
ちく、たく。
針が小さく動いた。
次の瞬間、その横を、小さな猫の足跡マークがとてとてと横切った。
足跡は、画面の端で一度止まり、まるでこちらを振り返るように揺れる。
それから、ふっと消えた。
アーカイブの奥で、誰にも聞こえないくらい小さな鈴が鳴る。
ちりん。
願いは、叶えてもらうより、自分で走った方が、あとでおいしい。
意味は、まだ全部わかったわけではない。
でも、たぶん。
次に誰かが何かを願う時も、この鈴の音は、少しだけ背中を押すのだと思う。




