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魔法使いにできないコト  作者: 水無雲夜斗
第二章 ひどく面倒くさがりで、
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ひどく面倒くさがりで、 2-2

 『一年二組、折無武月くん、一年二組、折無武月くん、いますぐ生徒会室にまで来てください。繰り返します―――』


 放課後、今日は掃除当番でもなかったのでさっさと帰ろうと思っていた矢先に、謎の呼び出しをくらった。

 まだ教室に生徒が多く残っている状態での放送なので、一斉に俺へと視線が注がれる。何の羞恥プレイですかねぇ。

 まぁ大抵のクラスメイトは「なんだよ折無、なんかやらかしたのかよー」とか「がんばれよー」とか軽く茶化してくるだけで、傍に来たのは青柳と高野だけだった。ちなみに高野クンは別クラスです。


 「折無、なんかやらかしたのか?」


 青柳が放送用のスピーカーを見ながら言う。


 「いや、身に憶えはないけど」

 「だが、理由もなく生徒会室に呼ばれる理由などあるまいて」


 いつの間にか隣にいた高野が得意気な顔で顎をさすりながら意見を述べる。

 確かにそれはもっともだ。俺は極めて平凡に学園生活を送っていたし、これまで問題になるような行動を起こしたことはない。

 最近あったことといえば―――


 「あー・・・・・・」


 心当たりがありまくりである。

 生徒会役員候補生、九沙奈。

 彼女関連のことなら、生徒会に呼び出されるのも頷ける。いや、それ以外で生徒会に呼び出される理由などあるわけがない。

 青柳と高野も同時に納得したような表情を浮かべ、なんともいえない微妙な空気が漂っていた。


 「どうすんだよ」


 青柳に質問されるが、答えなど一つしかない。


 「行くしかないだろ。ここで行かないと、絶対後々面倒なことになる」

 「だよなぁ」


 はぁ、と二人の間に零れるため息。ここ二日でため息の数が通常の倍ほどに増えた気がする。これで幸せが逃げて行ってるから、次から次へと厄介事が流れこんでくるのかしらん。


 「仕方ない、行ってくる」

 「おう、気をつけてな」

 「ふっ、なんなら同行してやろうか?」


 最後の高野の提案は少しだけ魅力的ではあるが、


 「いや、お前は絶対来るな」


 どうせこいつが来ると、余計に場が乱れるに違いない。

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