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間違う思い

 奇襲があった翌朝、朝食の準備が終わる頃には、ウノも目覚めてきた。


「羽が筋肉痛だー。ご主人、今日の散歩はうちを肩に乗せて行こう」


「まず散歩にも行かないがな」


 肩に乗せる以前の問題だ。


 座敷のテーブルの上に食事を並べながら、いつも通りトリノが居ない事が少し気になった。トリノがここに居ないのはいつもの事だが、昨日久しぶりに少し話しをしたから、今日は機嫌が良くて出てきてくれる、とか、淡い期待があったりもした。真に残念です。


 食事を並べ終える頃には、ウノも少女の姿に変わっていた。食事は人の姿のほうがしやすいのだ。いや、俺が人間用として食事を作ってるから、必然的にそうなってしまっているだけだが。


 だからこそ、この食事の場面にトリノが居て欲しい、と思うわけだ。あいつは当然のように俺に心を開かない。仕方なく俺と契約しただけの身だからそれが自然な事であるのだが、こう、幼女と少女に囲まれて過ごしていると、たまに大人な女性が恋しくなるのだ。ウノは胸部限定で大人だが、全体的に幼い。人間だったら結婚したいとは思うがそれは性格の話だ。ウノが一番安心する。ウノはとっても良い子だ。リグナみたいな不良娘じゃない。いや、リグナは年齢的にお婆ちゃんとか曾お婆ちゃんくらいになってしまうのだが。


 比較してトリノの擬人化はとても大人で素晴らしい。見た目だけは一番素晴らしい。その姿を拝めただけでも、召喚師やってて良かったー、と思える。


「鼻の下が伸びておるぞ、気色悪い」


「はっ」


 殺気を感じた。なんと、トリノ様がこの食事の間に現れたのだ!


 解っている。所詮擬人でしかないということは。だが、擬人だからこそ、安心して観賞出来るというものだ。


「ほら、お前の分も作ってあるぞ」


 言いながら、ハムを挟んだバルムを狼姿のトリノに差し出す。その姿のままでは食べられまい。俺はこう見えて策士なのだ。


「ふん」


 がぶ、と、一口だった。


 ハムが挟まったバルムも俺の手首から下も一口で、その狼の口に含まれ租借された。


「いっっっってええええええ!」


 思わず悲鳴を上げた。取れてない? 俺の手首取れてない?


 良かった繋がってた。というか血も出ていない辺り、あまがみみたいなものだったのかもしれない。おちゃめさんにでも憧れてるのだろうか。


「貴様と馴れ合うつもりはない」


 まあそうだよな、解ってた。トリノに限ってそんなはずは無いって解ってた。でもなんでだろう、少し悲しい。


「かっちーん」


 と、喧嘩腰のトリノと向き合ったのは俺ではなくウノだった。


「なんだハーピーの娘。私はおかしな事を言ったか?」


「言ったね。ご主人に向かってその態度はなに? というかご飯の時は毛玉入るから人間の姿になってよ。折角のご飯なのに、折角のごはんなのに!」


 後が本音ですね、解ります。ウノの最大欲求は食事だからな。これは仕方ない。


「落ち着けウノ。とりあえず」


「貴様は黙っていろ」「ご主人の出る幕じゃないよ!」


 あっれー、これ、俺のために勃発した喧嘩じゃなかったっけ? 俺ってば実は結構愛されてる? ウノに愛されてる自覚はあったけどまさかトリノもそうだったのかー、なんて思える程、俺の脳内は暖かくない。腐ってしまう程のヌカ床思考は残念ながら冒険の途中どこかに落としてきている。


 仕方ないから俺はリグナと向き合って、食事の再開。少女姿のウノと狼姿のトリノは取っ組み合いの喧嘩を開始。なんでそこまで発展してんだよ。


 しかし、こうも騒々しい時に、マイペースなリグナを見ると落ち着く。常に何事にも動じないからな、こいつ。何事にも興味が無いと言ったほうが近いかもしれないが。


「食事の有り難味が解らない種族じゃ無かったはずだ!」「はっ、そんなものは貴様以上に理解している」「じゃあなんでさっきあんな食べ方したし!」「効率化を図ったまでだ。人間の姿になれば、あれを一口で喰いきれぬだろう」「食事は楽しんでこそなんだぞ!」「生きるための糧であろう。貴様、それでも戦士のはしくれか?」


 湯飲みに注いだお湯をゆっくり飲みながら、窓の外の天気を見る。晴天。今日も良い天気だ。


「食事を恵んでもらっておいて生意気だ!」「その分の働きはしてやるとう意思表示だ。今までは報酬を受け取らぬ変わりに働かなかったまでだ」「そおんな悠長に構えてると、いつか飢えるんだからね!」「それは貴様らハーピー族の頭が悪いからだ。ちゃんと考え、計算さえすれば飢えなどすまい」「なにおおおおお!」


 あー、お湯が旨い。やはり味付けにハレイ樹の葉を使ったのが良かったのだろうか。ほのかな苦味が丁度良い。


「……平和」


「そうだな。平和だなー」


 戦争とは、いつ終わるか解らないし、コントロール出来ないからこそ危険なのだ。それと違って何か問題があるようならリグナにアルマードレイトを使ってもらえば一発で静かになるからな。いつでも弾圧可能、という意味での平和。いつでも終わらせられる戦争は脅威じゃない。


 そういえば。


 戦争についての歴史をまだ、リグナには教えていなかった。


 昨日種族についての勉強もしたし、そろそろ教えてもいいころかもしれない。


 召喚師の契約は無限に続くわけではない。どちらかが契約違反をしたり、召喚師のほうが契約を破棄してしまえば簡単に終わる。他にも、召喚師が死んだ場合も強制的に契約は終了。封印は解かれる。


 だから、人間より短命のウノや、既にある程度の知識は身に付けているトリノはともかく、野生児と大差無いリグナには、可能な限りの知識を与え、俺が死んで契約が終わっても、しっかりと生きていけるようにしてやらなければならない。リグナは寿命が長いからな。多分、あと俺の数倍は生きれる。




 戦争。それは、種族間の戦争は勿論、人間の間にもあった。


 同じ種族同士で争う、なんて、今では考えられないが、二百年程前まで、人間は同じ種族同士でも戦争をしていたらしい。


 人間は覇権を強く求め、様々な種族の様々な文化、技術を真似し、取り入れ、急激に成長していった。そうやって今までは低かった種族間での地位を獲得したはいいが、その速度が速すぎたらしい。高慢とも言えるかもしれないが、急激に強くなった権力を持て余してしまい、それを人間同士で奪いあう事になった。


 皮肉かなその戦争のおかげで、さらに技術が向上し、文化、文明共に発展。気付いたら聖族の中でも最大の権力を持つ種族となっていた。ちなみにこの場における権力、というのは、発言力が強い、ということ。人間が「それは白だ」と言ったら黒も白になる。そういう権力だ。


 種族間での権力が最大にまで成長したなら、あとはもう内部から奪うしか無い。きっとそういう感じだったのだろう。人間同士の覇権争いはもはや、誰にも止める事が出来なかった。


 そしてその戦争を終結させたきっかけは、残念ながら人間では無かった。


 悪魔族。


 高慢な人間から権力を奪え。大陸中を巻き込み、無関係の種族にまで被害を及ぼして尚戦争をやめない馬鹿共に報いを。


 そして誕生したのが、魔王城だ。


 この大陸の最北端に築き上げられたそれを拠点に、悪魔族は人間の土地に侵攻した。流れ弾で被害を被った復讐として始まった、悪魔対人間の戦争。それは、今まで人間達が行っていた戦争がままごとだったかのようにも思える悲惨さだったという。


 内部で争っていた人間は、こんな事をしている場合ではない、と集結。ようやくひとつに纏まり悪魔族と対峙したが、力の差は歴然だった。当然だ。悪魔族は神族なのだから、聖族に勝てるわけが無い。家畜が主に挑むようなものだった。


 そこで人間に力を貸したのが、エルフだった。


 人間の技術力、及び文化は、この大陸を豊かにする可能性を秘めている。そう掲げて、戦争は人間エルフ連合対悪魔となった。すると同じく聖族たるゴルト族もその連合に加わり、後半になってエンジェリア族も加入。四つの種族と悪魔族の戦争になった。


 それでも悪魔族は強大な力を発揮。連合は勝利し悪魔族は絶滅したが、悪魔族は連合に悲惨な傷痕を残していった。


 その戦争のせいで、エンジェリアは衰退し、ゴルトも一時的に、絶滅の危機にまで追いやられる。しかし人間とエルフの懇親的な援助のおかげで、種族の存亡を免れた。


 これが、この大陸における最も新しい戦争の歴史だ。




「以上だが、何か質問はあるか?」


 一通り教え終えて、なんとなく教会の教師みたいな口調で聞いてみた。


 しかしリグナは首を傾げ、


「何が解らないか、解らない」


 あー、よくあるよなこういうの。全体的に解らな過ぎてどこもかしこも解らないってやつ。俺も召喚師の修行の時、師匠によくこの質問をしたものだが、俺は師匠のようにはならない。解らないと言ったやつをぶん殴った所で解らないやつは解らないのだから、暴力に走っても意味ないだろう。なんで俺を殴ったんだよ師匠。


「じゃあ、簡単にまとめるぞ」


 説明中、一応リグナにはペンを握らせている。しかしこいつってば超書かないんだよ。何、なんでエンジェリア族の抽象画なんて書いてるの。エンジェリアの話なんて今はしてないよ、いや、同盟の加入種族には名前があったが。


 しかし、その完成度で納得したみたいに頷くのはやめろ。もはや中傷の域だぞそれは。


「覇権抗争が原因で勃発した人間間の戦争がきっかけで魔王城が建てられ、それを機に人間間での戦争は終結。悪魔族と人間の戦争は、エルフ、エンジェリア、ゴルトの協力の下、四種族による同盟が勝利。以降、その魔王城は人間への反旗の象徴とされるようになったってわけだ」


 出来るだけゆっくり言ってから、リグナのほうを見た。こう考えると全部、人間の自業自得のようにも思えるのだが、悪魔族は反旗としてはやり過ぎた、という点もある。アルメリア教団が保管している歴史の資料には、『生贄』と呼ばれる計があったという。捕まえた人間を殺さず捕虜にして、それを戦闘が始まる前に公開処刑して、人間達から戦意を奪う、とかもしていたとか。むごい事考えるよな。


 余計な事まで考えてしまったが、今はリグナに教えている最中なのだから、教えるつもりの無い事まで考えるのは蛇足だ。


 そしてもう一度リグナのほうを見たら、なんか見覚えのある髪型をした男が、エンジェリア族の中傷画(誤字ではなく)を切り裂いている場面が、手元の資料に描かれていた。


「えっと、リグナ画伯? この見覚のある無造作な短髪の男は、なぜ、エンジェリアに刃を向けているのですか?」


 なんとなく敬語になってしまった。


 するとリグナは納得したようにまた頷いて、


「レクターはいつか、やるから」


「それは俺か……」


 むごい。むごいぞ俺。エンジェリアは人畜無害で有名な聖族なのに、それを刃にかけるとか鬼畜過ぎるだろ……。アルメリア教団に指名手配にされるぞ。


「余計な事は考えないでいい」


 パタン、と、持っていた資料でリグナを叩いた。ほんの少しだけ、師匠の気持ちが解った気がする。師匠。俺はあんたに、こんな不快感を抱かせていたのですね。反省はしません。多分こいつもしないだろうから。


「今日はもうここまでにするか」


 リグナがどれだけ覚えられたかは解らないが、俺のほうも限界だった。教えるのも結構疲れるんだぞ。


「……解った」


 リグナは言って、立ち上がる。俺は入れ替わるようにしてその場に寝転がったら、リグナのやつ、俺を跨いでいきやがった。


「どこに行くんだ」


「狩り」


「今日はやめとけ」


「なんで」


「なんでもだ」


 食料は昨日結構買ったからな。それに、昨日の夜の奇襲者の事も気になる。今は、リグナもウノもトリノも、一人にしたくなかった。


「とりあえず、飯にしよう」


 そう言って立ち上がる。


 そろそろ、昼飯には丁度良い時間だった。





 五日が経過したが、あれ以降、襲撃は一回も来ていない。


 そもそも襲撃事態、魔王討伐から二つの季節を挟んだ今までで、五回くらいしかなかったのだから、そんなに無くて当然だ。


 来る。と、思っていた。考えすぎだったのならそれでいいのだ。それに越した事は無い。平和万歳。


 それでも、警戒に越した事は無い。なにせ五日前の襲撃の犯人は、おそらく街の人間で、しかも防壁に入っていったのだから、自警団の人間である可能性が高い。むしろ、自警団以外には考えられない。


「ご主人が珍しく、難しい顔をしてる……」


 晩飯を並べていたら、いつも通りうきうきと食事を待つウノに指摘された。最近警戒しっぱなしだからな。少し、疲れたのかもしれない。


 昔は。いや、二つ季節前までは、この程度の警戒は当たり前だった。獣の多い森の中で野宿とか、人間に敵対心を燃やしている種族の村に変装して入っていたりとか、今はむしろ、敵陣の真っ只中ではないというだけでもマシな状況であるはずなのに。


「少し、昔の事を思い出していた」


 笑いながら答えると、少女姿のウノはムスっと頬を膨らませた。


「ご飯の時はご飯に集中。ありがたみが減っちゃうじゃん」


 その通りだな、と思ったが、頷く事は出来ない。


 敵の正体は未だ謎だ。証拠が無い以上、容易には動けない。こういう時に俺が魔族だったらラクなのだろうな、と思った。証拠だのなんだのは関係無く、因縁付けて適当に暴れまわれば良いのだから。


 しかし俺は人間だ。そして襲撃者も人間だ。下手な事は出来ない。するわけにはいかない。あー、魔族になりてー。


「ところで、トリノはやっぱり来ないのか」


「みたいだねー」


 あの日以来、トリノは再び、俺と話してくれない。この間は久々に声を聞けて調子に乗っていたようだ。自制しなければ。


「じゃあ、食うか」


 並べた食事はいつも通り、ウノはなんだって好きなのように食べるから、リグナの好きなラム肉を使った。しかしそろそろ買い溜めが切れる頃だ。明日辺りに街に買出しに行ったほうが良いだろう。


 だが、もしも街に行っている間に、さらに装備を整えた襲撃者が現れたらどうなる? 取り残されたトリノは平気だろうか。いや、狼といえど邪狼(じゃろう。獣の狼と同じ姿でありながら、邪族程度の知識や力を持った狼の事)程度の力があるトリノならば、なんとかは出来るかもしれない。


 トリノはきっと着いてこない。ならば護衛にリグナを置いていくか? いや、リグナは自由人だから、護衛をほっぽり出して狩りに行ってしまう可能性が高い。封印を解除してウノを置いていくか? しかしウノだと若干心もとない。襲撃者が強敵だったら危険だ。ここはやはりリグナを――


「ご主人」


 不機嫌そうなウノの声で我に返った。


 見ると、ウノの顔がすぐ近くにあった。


「ご飯の時の考え事は禁止!」


「あー、すまんすまん。気を付ける」


 これしきの事で追い詰められているなど、元勇者がなんてざまだ。


 しかし、俺は所詮、元でしかない。


 街で噂されているであろう通り、俺は二つ季節分働かなかった人間だ。ブランクがあるのは当然。


 ハーピー族は元々戦闘する種族ではない。どちらかといえば愛玩種族だ。その美しさと可愛らしさと凛々しさを兼ね備えた成体のハーピーは、見る者の心を癒す。そこに付けこみ、種を存続させてきた。ちなみにウノはまだ成体じゃない。まだまだ発展途上だ。……人間じゃないんだよなー……。


 そのハーピー族たるウノに戦闘を覚えさせたのは俺だ。ウノが強いのは経験値ありきであり、生まれもってのものじゃない。つまり修行をすれば、どの種族だって、人間と同じように成長出来る。


 同様に、退化もする。


 堕落した俺。療養していたウノ。この二人はまず戦力にならないと考えていいだろう。トリノは協力的じゃないし、協力を拝める立場ではない。なんて、普通の召喚師ならば無理矢理命令して従わせるのだろうが、俺はそれが出来ない。命令とかって嫌いなんだよ。「お前あの丘の向こうまで行って、俺らの分の課題の果実も取ってこいよー」とかって、苛められてた子供の時の事を思い出す。


 リグナは自由人だが、その場では俺の指示に従ってくれる。俺が目を離すと何をしでかすか解らないが、それでも強さは随一だ。召喚師の封印なんかでは力を制御しきれない程に強い。


 ――やはりリグナか。


「明日、街に行く」


 言いながら、食べ終えた食器を整理する。


 既に食べ終わっていたリグナは俺のほうを見たが、食事を嗜むウノはこっちを見ない。まあ、リグナだけ聞いてれば済む話だが。


「それで、リグナには留守番を頼みたい」


 向かい合って言うと、幼女姿のリグナ小首を傾げる。


「街。行きたい」


「我慢してくれ」


 お土産買ってきてやるから、と付けたして、なんとか説得を試みた。


 数分のやり取りをして、ウノも食事を終えた頃にはリグナも頷いてくれた。


「ん。なんの話?」


 やっぱり、食に夢中だったウノの耳には届いてもいなかったか。食事中のお前の耳は飾りだもんな。ハーピーは耳の良い種族のはずなんだけどな。


「明日、街に買出しに行こうと思ったんだが、この間の襲撃の事が気になってな。トリノだけを残していくのは気が引けたから、リグナに留守番を頼む事にしたんだ」


 言うと、ウノは口の周りに付いた滓を指で拭い、その指を舐めた。はしたないというか意地汚いというか。こと食べ物に関する話ならばウノと張り合って熱弁出来るやつはそうは居ないだろうな。


「なーるほど、それでうちは着いて行ってもだいじょうぶ?」


「そうだ。俺の護衛だ」


「ご主人のおおせのままにーっ」


 ニカッと笑って嬉しそうに答えるウノ。病み上がりに護衛なんてさせたくはないから、明日はある程度の武装をして出かけるとするか。


 そう思ったのは、甘さなのだろうか。


 いや、違う。ウノは魔王討伐の旅路も共にし、それより以前の生活も苦しかった。飢えと戦う日々だった。そんなウノが、魔王討伐を成して生還したのだ。幸福を味あわせてやるべきだ。世界であろうと俺であろうと、多少は甘えても良いはずだ。


 ……なんだ、やっぱりこれは甘えなのか。


 じゃあ、甘えでも構わない。


 世界の常識がそれは駄目だと断じたとしても、少なくとも俺はそう思う。


 きっとこの思いは、間違えているのだろうが。

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