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待つ時間  作者: ゆら。


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1/16

なんで考えるんだろう?


昼休み。


教室。


クラスメイトA。


机に財布を置く。


そのまま購買へ急ぐ。


早瀬、見送る。


少し間。


早瀬

「なんで?」


水城

「何が」


早瀬

「財布置いてった」


水城

「忘れたんじゃない」


早瀬

「購買行くのに?」


水城

「うん」


早瀬

「財布いるだろ」


水城

「いるね」


少し間。


早瀬

「終わったな」


水城

「買えないね」


その時。


クラスメイトA。


勢いよく戻ってくる。


財布を持つ。


また走る。


早瀬

「ほら!」


水城

「忘れてたね」


早瀬

「なんで走り出してから気付くんだ?」


水城

「動き始めたから」


早瀬

「何その名言っぽいの」


水城

「止まってる時は、意外と考えてない」


早瀬

「いやいや」


早瀬

「俺は考えてるぞ」


水城

「今?」


早瀬

「……今は喋ってる」


水城

「うん」


早瀬

「揚げ足取るな」


少し笑う。


そのまま。


チャイム。


昼休み終わり。


ーーー


放課後。


教室。


早瀬。


窓の外を見る。


早瀬

「今日さ」


水城

「うん」


早瀬

「一日"なんで"って考えてた」


水城

「へぇ」


早瀬

「疲れる」


水城

「そうだな」


早瀬

「お前平気なの?」


水城

「慣れた」


早瀬

「慣れるもんなの?」


水城

「分からない」


少し間。


水城

「でも」


早瀬

「うん」


水城

「考えなかった頃には戻れない」


静か。


早瀬

「……怖」


水城

「怖い?」


早瀬

「だって」


早瀬

「今日だけで三十回くらい"なんで"って思った」


水城

「数えたんだ」


早瀬

「二十八回かな」


水城

「結構正確」


早瀬

「なんで俺こんな数えてんだ」


水城

「二十九回目」


早瀬

「……。」


早瀬

「増やすな。」


少し笑う。


静かな教室。


夕日。


早瀬

「これ」


水城

「うん」


早瀬

「絶対お前のせい」


水城

「他責」


早瀬

「……何それ」


水城

「他人のせい」


早瀬

「そんな一言で片付くの?」


水城

「便利」


早瀬

「便利すぎるだろ」


少し笑う。


帰る支度。


早瀬

「帰るか」


水城

「うん」


並んで歩く。


教室を出る。


早瀬

「……三十回目」


水城

「何」


早瀬

「なんで毎日一緒に帰ってんだろ」


少し間


水城、肩をすくめる。


水城

「さあ」


早瀬

「……まあいっか」


二人、


廊下を歩いていく。



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