帰宅しました
用事はとりあえず終わったので私とエリオ君は帰る事にした。
流石に貴族ではない人間がいつまでもいるのは傍目からしてどうかと思うので。
「それでは準備ができ次第森の方へ行かせてもらいます」
「お待ちしております」
私達は転移魔法で自宅へと戻ってきた。
「はぁ〜、やっぱ自宅は落ち着くわぁ~」
久しぶりに貴族の家に行ったけどドッと疲れが出た。
「エリオ君はシェーラちゃんと話せた?」
「はい、なんか僕の元家族が凄く迷惑をかけたみたいで……、兄上と婚約させる、とか話をしたらしいんですけど『そんな冗談笑えませんわ』って一蹴したそうです」
「年下の女の子にそんな事を言われるなんて赤っ恥よね」
「えぇ、兄上は魔法騎士としてのプライドがありますからね、実力行使に出たそうですが返り討ちを喰らったそうで……、病院送りになって更に騎士団の上層部も問題視して騎士の資格を剥奪されたそうです」
見事なざまぁである。
「実家も醜聞になってしまい肩身の狭い日々を送っているそうです」
「そりゃあ自分の子を捨てるなんて常識では考えられないわ。エリオ君の元実家は間違いなく没落していくでしょうね」
貴族というのは足の引っ張り合いである。
常にスキを探してズルズルと引っ張ろうとする。
大抵はそのまま底なし沼にハマったかの様にズブズブと落ちていき這い上がる事は無い。
私はそんな社会を幼い頃から見て来た。
元婚約者は可愛げが無くなった、と言っていたが魑魅魍魎に触れていたらそりゃあ現実を見たら無くなるに決まっている。