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偽勝

登場人物




ヌーザッカ 魔族の指揮官?敗戦の責任を問われる




スグゥーエン ヌーザッカの上官。閣下と呼ばれるだけあってかなりの権力者と思われる



ジョビンポッド ヌーザッカの副官。

「どういうコトだいったい?」


 ヌーザッカは首を傾げた。

 目の前の事態がイマイチつかめない。

 量産型アグライドは、軽々と敵陣を突破し続けている。

 

 敵はといえば、たいそうな人数の冒険者が突撃をかけてくる。が、使える魔法レベルがたいしたことないようだ。

 ファーストコンタクトで深手を負うと、ヒィヒィ言いながら後退していく。

 なかには勇気をふるって、剣を振りまわし無茶なアタックを仕掛けてくる強気の者もいた。が、そんな連中はみなアグライドの返り討ちに遭い落命した。剣じたいに絶対的な魔力が足りてないのだ。


「半日もしないで村を占領できますなぁ」


 副官のジョビンポッドが満足そうにヌーザッカを見た。


「そうだと助かるが」


 どうも素直に喜べない。

 自信もって張ったシールドを軽々と破られた。

 人間どもはそうとうな戦力の上積みをした、そう考えていた。通常の行軍なら1個師団で十分だが、警戒して3個師団連れてきた。

 それがどうだ、まるで赤子の手をひねるような有様じゃないか。


「近頃、冒険者どものレベルがえらく下がってる・・そんな噂はどうやら本当みたいですなぁ」


「ジョビンポッド」


「はい」


「そう性急に結論をだすな」


「でもこのていたらくですよ」


「ていたらくと言えば、このあいだの我々もかなりていたらくだった」


「ま、そうでしょうけどね」


 つまらなそうなジョビンポッド。

 青白い彼の肌がどんどん赤くなっていく。


「ほらほら、てんで相手にならない。こっちはノーマル仕様のアグライドですよ」


 ジョビンポッドが囃したてる。

 アグライドは次々と敵陣に殺到し、そのたびに冒険者の血しぶきがあがる。


「でもな、オレは直にシールドが破られた現場に行ってみたんだ」


 あたり一面の樹木が煤だらけで立ち枯れていた。灰色の世界、死の森だった。


「そんな連中がこうも容易くやられるとは思えんのだ。なんか裏があるのでは?」


「杞憂、杞憂」


 小馬鹿にしたようにジョビンポッドがケラケラ笑った。


「人間のクズどもに深謀遠慮、英知があるとは思えません。もしあったなら我ら魔族は誕生の段階で奴らに圧殺されてたでしょうに・・この前の敗戦・・磁場の狂いとか太陽フレアとか。そういった外的要因でしょう。人間どもの実力なんてそんなモン」


「ジョビンポッド副官・・」


 調子にのるのは勝手だが・・というか、最終的にスグゥーエンに罰を喰らうのは中間管理職のこのオレなんだぞ、心の中でヌーザッカは毒づく。


 戦場のあちこちから冒険者の断末魔の声が聞こえてくる。


「おや・・」


 その声がだんだん小さくなってきた。


「いよいよ制圧したようですな」とジョビンポッド。


「いや、違うみたいだぞ」


 アグライドが後退し始めているのにヌーザッカは気づいた。   徐々にだが確実に彼らは戦線を追いたてられている。


「右翼の散りじりになった連中を中央に集結させろ。バラバラになったままだと各々が討ち果たされる。とにかく集結して部隊の真ん中を厚くするんだ」


 ジョビンポッドに命じた。

 ヌーザッカの目が戦士のそれに戻っていた。

「面白い!」「続きが気になる!」「更新がんばって!」


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