90.「異文化交流」
「Excuse me」
金髪の女の子、間違いなく外国人。
こんな子、今まで見た事ない。
青い瞳に直視される。
日本人でないだけで、すでに頭がパニック。
しかも英語。
なんて言った?
テストの問題ならいくらでも調べられるが、リアルタイムの英語に待ったくついていけない。
そうだ。
思い出す。
岬れなが言っていた、世界の歩き方。
『お前海外旅行よく行けるよな。変な外人に絡まれたりしないのか?』
『これ言っとけば、たいてい消えるし』
『マジか』
これだ。
ブロンド外人美少女、今の俺にはノーセンキュー。
岬れなの魔法の合言葉で、グッバイフォーエバーだ。
「don,t shopping」
「What,s?」
「My family is no many」
「‥‥huhuhu」
ブロンド美少女が笑い出した?
俺の英語が通じたのか?
魔法の合言葉で消えるどころか、さらに訳分からない英語でまくし立てられる。
俺はジーニアス辞書か翻訳アプリが無いと、英語はまったく理解できない。
翻訳アプリ‥‥。
あるじゃん、俺持ってるよスマホ。
スマホを取り出し、翻訳アプリ起動。
最近読み上げタイプがトレンド。
俺はスマホに向かって話かける。
自動で翻訳。
俺の嫁、初音ミクが読み上げてくれる。
「どうされました?」
(ピコン~)
『What,s your name?』
『huhuhu』
なんで笑われた?
今なんて言った俺の嫁?
無料アプリなので精度はいまいち。
「フフ、面白い人」
「日本語‥‥喋れるじゃん」
いきなり日本語を話し始める。
しかも流暢な日本語。
本当に外国人なのかこの子?
「私の名前は‥‥」
「えっ?」
名前はよく聞き取れなかった。
日本語で尋ねられ、彼女を職員室に連れていく。
今日初めて作新高校に来たような印象。
あんなに綺麗な外国人の生徒がいれば、絶対これまで噂になっていたはず。
初めて日本人以外と会話をした。
あるいは彼女の青い瞳のせいなのか。
胸の鼓動が止まらない。
初めての経験と出会いだった。




