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召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?  作者: 島ノ松月
地球転生編第二部

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地球転生編 2-20 最神玲、物部かすみに進路相談をする

最神玲、物部かすみに進路相談をする


新年が開けた1月3日に物部かすみは帰省先の実家から戻って来た。かすみからはLINEでいつ戻るとの連絡を受けていたものの、別に迎えに行く必要はないので、気を付けて帰ってきて、とLINEしただけ。まぁ、向こうも子供じゃないんだから、と下宿でのんびり過ごす最神玲であるが、やはりというか案の定、素っ気ない返事と迎えにも来ない玲に業を煮やしたかすみは、帰宅早々、早速玲の下宿に乗り込むのであった。


  「ちょっと、玲、

   私が今日帰るよって連絡したよね。

   何で迎えに来てくれなかったのよ。

   もお。私寂しかったんだぞ」


などと怒ったり泣く真似したりと忙しいかすみである。何時もの騒がしい日常が戻ってきて、少しホッとする玲であるが、当のかすみはそうでもなく。


  「ねぇ、聞いてるの、玲。

   あんた、そんなに冷たい人だとは

   思わなかったわ。全く」


と言って、急に玲の頬を(つね)りだす始末。「痛い」と叫ぶもやめる気配がないので、急ぎかすみを振りほどき、逃げの態勢に入るのである。


  「分かった、分かった、ゴメン、ゴメン、

   この次の時はちゃんと迎えに上がりますので、

   お許しを」


となぜか土下座して謝る玲である。別に彼は何か悪いことをした訳ではないのだが、気の毒としか言いようがない。そんな玲をみて、かすみも少しやり過ぎたかと反省しながら、でもこの状況にしっかり便乗して、


  「仕方ない、今回は許そう」


などと上から目線で言う始末。


 さて、この何時もの二人によるコントが終わって少し落ち着いた頃、玲は部屋のベッドに腰掛けて、今後の自分の進路に関してかすみに相談することにした。


  「実はさ、僕、ちょっと霊媒師、

   やってみようかと思うんだよね」


  「?」


キョトンとするかすみ。少しして、急に何言ってんだろうこいつ、何か面白い冗談を言ってるつもりか、と思い返すも、どう突っ込んでいいのかまだ見当もつかない状況にある。


  「玲、今なんて言ったの?」


  「ん、だから霊媒師やってみようかな、

   と言ったんだけど...」


はあ?と案の定、期待通りのリアクションをするかすみである。しかし、なぜ玲の奴、いきなりそんなこと言い出したんだ、と気になったので、理由を尋ねてみた。すると


  「僕は、ほら、この世界では何もできないからさ、

   かすみみたいに就職しても何の役にも立たない。

   それを自覚しているけど、

   でもこのまま何もしないのも良くないからさ。

   それで、年末にね、サークルの後輩とばったり

   会った時に就職の話が出て。

   それで、霊媒師みたいなのはどうですか、

   と聞かれて、ああ、それも良いかな、

   と思ったんだよね」


  「ねぇ、玲、自分の人生なんだから、

   最後は自分が決めるべきだと思う訳よ、私はね。

   でもさ、後輩に『霊媒師とかはどうですか?』

   と言われて、はい良いですね、

   と簡単に決めるのはどうかと思うよ」


と、かすみにしては、至極真っ当な意見である。何時もの玲であれば、かすみの意見に左右されて自分の意見を直ぐに引っ込めてしまうが、今回は少し様子が違うようで、


  「かすみの言うことは当然だと思う。

   ただ、僕も、何も彼女達の意見で

   動いている訳ではないんだ...」


ん、彼女達?玲、誰と会ったんだ、と胸倉を掴まれて詰め寄られて、ビックリした拍子にそのまま後ろに倒れてしまい、倒れた玲にかすみが(またが)って玲の首を絞める仕草をする。堪りかねた玲は、除霊した榊原加奈子と彼女の友人の西脇まど香と偶然にも年末の商店街で会ったことを話して、なんとかかすみを落ち着かせることには成功した。そして


  「それでね、かすみ、

   覚えているかどうか分からないけど、

   かすみを霊界に送った例の召喚門、

   あれを一体どこの誰が何の目的で設置したのか、

   これを調べるのにも霊媒師と言う職業は

   何かと便利に思えたんだ。

   もしあの召喚門が他にもどこかで

   設置されていたら、

   またどれだけ犠牲者がでるか想像できないよ」


と玲は、自分が今思う事態を憂いつつ、何とかその事態を食い止められないか、そうかすみに話すのであった。これにはかすみも思うところがあるようで、


  「そうだね、あれが私だけの問題だとは

   とても思えないのよね。

   もし他にも同じような体験している人がいたら、

   そして玲のように助けてくれる人が

   そばに居なかったら、

   その人は永遠に誰にも知られず

   霊界に残されちゃうんだよね。

   それって、凄く残酷な話だよね」


そう、まさに残酷そのもの。せめて、遺体でもこちらの世界にあれば、残された人たちには一区切りがつけられるが、本当は命を無くしているのに失踪している状態と言うのは、残された人たちには残酷以外の何物でもない。だから、これは絶対に無くさないといけない。玲もかすみも、思うことは同じであった。


  「そうか、玲はそう考えていたんだ。

   それで、具体的にどうやって

   霊媒師としてやっていくつもりなの?」


  「ん、どうやってというか、

   そんなのまだ何も決めて無いよ」


全く、やっぱり無計画に突っ走ろうとしていたんか、こいつは、とあきれるかすみがいる一方、卒業までまだ2カ月以上あるから、それまでに何かしら方針を立てれば良いんじゃない、と考えるかすみもそこには居た。何れにしても、玲が自分で計画立ててことを進めることが大事なのであり、自分はそれを見守ることに徹しようと心に決めたのであるが。しかし、当のかすみにも、やはり何か引っかかることがあるようで、でもそれをこの場で口にすることは無かった。


  「まあ、君の進路相談は、よく分かったわ。

   でも最後は自分で決めないとだね」


じゃあ、また明日ね、と言ってかすみは帰っていった。

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