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消えた記憶と愛する人の嘘 27 「封筒の中の忘れ物」



ふと気になって、バッグのサイドポケットにも手を伸ばしてみた。


指先に触れたのは、紙の感触——封筒だ。


取り出してみると、チケット販売会社   「ぴあ」 のロゴが印刷された封筒だった。


「……チケット?」


少しためらいながら、封を開けてみる。


中から出てきたのは、3枚の未使用のコンサートチケット。


「なんだ、これ……?」


チケットには「Uru」とアーティスト名が記されている。


「Uru……?」


聞き慣れない名前だった。

俺はこのアーティストが好きだったのか?


日付を確認すると、去年のの3月14日


「……1年前?」


行かなかったのか?

それとも、行けなかったのか?


理由はわからない。


でも、なぜかこの未使用のチケットをそのまま取っていたことが気になった。


「……俺って、案外 sentimental なやつなのかもな」


思わず、苦笑する。


記憶をなくした自分が過去の自分を推測する。

なんとも奇妙な感覚だ。


「どんな曲なんだろうな……」


チケットを指でなぞりながら、ふと興味が湧いてきた。

知らないはずのアーティストなのに、このチケットが残っていたことで、まるで何か大切なものがそこに眠っているような気がした。


「とりあえず、明日、まいに聞いてみるか……」


封筒をそっとバッグに戻しながら、そんなことを考えた。





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