カイと憧れの遊園地デート♡
私の他作品と比べると圧倒的に読まれておらず人気のない作品なんですが……友人からおまけ話をリクエストいただいたので、楽しいラブラブデート書きました♪
デートがしたい。
最近、わたしは非常にモンモンしてます。
もう、絶対、絶対、デートがしたい。
……だって、前世から恋していた人とようやく付き合うことになったんですよ?それなら、手を繋いでデートしたいって思って当然ですよね?
ああ、もうダメ。
左塔優那、現在、高校2年生。
これ以上、貴重な貴重な高校時代をムダにしないため───全力でカイをオトしてみたいと思います!
とはいえ、わたしの頭では良いアイディアが浮かばないので、みんなに相談しました。
すると……寿々木さんから、カイとデートするための素晴らしい作戦を授けてもらいました。そして、お姉ちゃんからもステキなアイディアをもらいました。
ムッフッフッ。
わたしには、頼りになる強力な味方がたくさんいて幸せですね。カイ、覚悟してください!
「え?ダブルデート…………?」
学校帰り。
カイの事務所へ寄って、わたしは意気揚々と報告しました。
「うん。わたしね、前から遊園地へ遊びに行きたくて。その話を寿々木さんにしたら、気になる男の子を誘いたいからダブルデートしようって提案されたの。でもカイはわたしとデートはしないっていうから……翔梧くんに一緒に行ってもらおうかな?と」
みるみるカイの表情が曇りました。
「意味が分かりません。耶麻田さんや多加橋さんと行けば良いではないですか」
「だって耶麻田さんは最近カレ氏ができたから、カレ氏と行くって言うんですもん。多加橋さんはバイトで忙しいし。だからってわたし一人で遊園地は寂しすぎるしぃ」
はあ、と溜め息をついて上目遣いでカイを見ました。
遊園地、行きたいな~。カイ、連れて行ってくれないのかな~。
そんな思いを視線に込めます。
うぐ……と唸って───カイはガックリ肩を落としました。
「分かりました。俺がユーナ様を遊園地へ連れて行きます。寿々木さんには、お断りしてください」
やったぁぁぁ!
作戦成功だよ、寿々木さん、ありがと~~~!!
デート、デート!
念願のデート!
めっちゃ、楽しみでーす!
前日は、全然、眠れなかったですよ。
さて、カイの車で遊園地へ行くのですが……着くまでに解決しておきたい重大な問題があります。
それは、“ユーナ様”呼び。
いつまで、わたしのことを様付けで呼ぶつもりでしょう?こんなの、周りは変に思いますよね?(ちなみに、カイは何故かお姉ちゃんと翔梧くんも様付けです)
「ねえ、カイ。そろそろ、優那って呼んで欲しいのですけど。あと、敬語も止めて欲しいなぁ」
出発してすぐ。
わたしはさっそく切り出しました。
「え?……えーと、でもユーナ様も敬語ですし」
「わたしは誰にでもこういう話し方です。だけど、カイは違いますよね?今世で初めて会ったときはもっと砕けた口調でした」
「……ど、努力します」
むむ。この言い方はアヤシイ。
「じゃあ、最低限、まずは優那呼びして?」
「ゆ……ゆう……な、さ……ん」
「えー?さんは要らないですー」
「いきなりは難しいので……すみません、まずはこれでお願いします」
やっぱりダメかぁ。でも、わたしは引きませんよ!
「分かりました。では、優那って呼んでくれるまで、わたしも藤佐和さんって呼びます」
「え!」
ふふ。これがお姉ちゃんからもらった、ステキなアイディアなのです。
カイは運転中なのに、オロオロとわたしを見ました。
「カ……藤佐和さん!危ないです!」
「いや、あの、その呼び方は……」
「いえいえ、藤佐和さんが優那って呼んでくれたらいいだけの話ですので!」
今回のわたしは、ぐいぐい攻めちゃいますからね~。そんな簡単に引きませんよ?
遊園地に着きました。
カイがキリッとした顔でわたしを見ました。
「ゆ……優那、じゃあ、行こうか」
「きゃーーー!!」
「っ?!」
いやん、カイが……カイが優那って言ってくれましたぁ!
どうしよう、想像以上にうれしいし、興奮するぅ!
ピョンピョン跳び跳ねて喜んだら、カイは困ったように頭を掻きました。
「そこまで……喜ぶことじゃないと思うけどな……」
「喜ぶことですぅ、ようやく!ようやく、カイと……開と恋人らしくなった気がします」
カイは一瞬、目を見張って……にっこり笑ってくれました。
「ごめん。もっと早く、優那って言えば良かった。俺にとっては……ずっと守るべき大切な聖女様で……畏れ多いって気持ちの方が強くて……」
「ありがとうございます。でもわたし、そんなに聖女として立派でもなかったと思います。美化しすぎですよー」
もちろん、うれしいんですけどね。
それでも、こうやって、ちょっとずつ“聖女”と“護衛”の関係を改善していきたいですね。
久しぶりの遊園地です。
小学校の5年生くらいまでは、毎年、家族で行っていたのですけど。
まずは、遊園地へ来たらわたし的定番のティーカップに乗ることにしました。
「俺、実は遊園地って初めてで」
「えっ、そうなの?!じゃあ、次は開が気になった乗り物に乗りましょう」
お姉ちゃんと乗るティーカップも楽しかったけど、好きな人と乗るのは最高ですね。
くるくる回って、そのまま空まで飛んでいきそうな気分~。1時間でも2時間でも乗っていられそうです。
ティーカップのあとは、開が気になったジェットコースターに乗ることにしました。
乗った、のですけど。
「きゃああああああっっっ!!!」
死ぬぅぅぅ!
いやぁぁぁっ!
───最初っから最後までわたしは絶叫しっぱなしで、降りたら膝がガクガクです。
実は、わたし、ジェットコースターに乗ったことがなかったんですよね。お姉ちゃんは大好きなんですけど、どうしても怖くて。やっぱり、めちゃくちゃ怖かったぁぁぁ……。
開に介護されるみたいに支えられて、階段を下りました。
ううう……。カッコ悪い~。
「ごめん、優那。こういうの、苦手とは知らなかった……」
「い、いいんです、わたしも人生で一度くらいは乗ってみようと思っていたので……」
───そんな訳で、その後は絶叫系は止めて、可愛い乗り物にいっぱい乗りました。
ランチでは「あ~ん」はさせてもらえなかったものの、お互いに相手の分を一口ずつ食べるという貴重な体験はできました。
うふふ、今日だけで、どんどん恋人らしくなってますよね。
最後は……やっぱり観覧車!
ちゃっかり開の横に座ったのですけれど、ダメとは言われませんでした。開も、少しずつOKな範囲を広げてくれているのかな。
うれしい。
「今日は、遊園地へ行きたいっていうワガママを聞いてくれてありがとう」
「優那は、前世でも今世でも、全然ワガママじゃないよ。もっとワガママを言っていい」
「……じゃあ、もっと恋人っぽくしたいなーとか」
「それは……」
何故か分からないけど、これはダメなんですよね?
ちぇっ。分かってますけどぉ……。
すると、開は急にわたしの手を取りました。そして、ゆっくりと口元へ持っていき、さらにわたしの肩を抱き寄せます。
え?
ええっ?!
ど、どうしたのかしら??
「優那。俺はね、独占欲が強くて執着心も強くて、面倒な男なんだよ?君はそれをもっと理解した方がいい」
手に……とても優しい口付けをするのに、抑えきれない熱に潤んだような、強く熱い眼差しがわたしを捉えます。
は、はわわわ。
や、やばいです。何、この急展開。
心臓が止まりそう……!
「優那は、前世で出来なかった10代の青春を味わいたいんだろう?だったら、あんまり俺を煽っちゃダメだ」
開の顔が近付き───わたしの耳元に吐息がかかりました。
なんでしょう。
背筋が、ものすごくゾクゾクするのですけど!
「……俺が我慢できなくなって優那を独占しようと閉じ込めてしまうから。まだしばらくは、過度な触れ合いは禁止。…………いいね?」
「ふ、ふぁい…………」
りょ、了解ですぅ……これは……これはわたしには刺激が強すぎますぅ…………。
こうして、わたしと開の恋人としての初デートは終わりました。
開が、あんなに激しい想いを内に秘めているって、わたし、あんまり分かっていなかった気がします。
だけど。
開になら、閉じ込められてもいいって思っちゃうわたしも……ちょっとやばいのかも知れませんね……?




