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夢の終はどこへ向かう?

普段のその選択は本当に合っているのでしょうか?

人は無意識が無ければ考えることも出来ないものです。

夢の最期は何処へ向かう?

まだ知り得ぬ光の先へ



「現実から目を背けた先には光明はあった?」


その質問の意味を理解したのはこれからだいぶあとのことだった。


深く、暗く、鮮やかで、切ない世界へ。

私は深い、深い、無意識への潜航を続けていた。

そう。夢への潜航。


「待ってお姉ちゃん。」

私よりも少し背が高くて、髪が長くて、優しかったお姉ちゃん。


「どこに行くの-」


お姉ちゃんは薄暗く、一筋の光もない方向へと歩いていくから私は呼び止めた。

「そっちの方向は-」

歩み寄る。

お姉ちゃんは優しく私の手を取り、こういった。


「何寝ぼけてるの?」

私をしっかりと抱きしめてくれた。


「おはよう。よく眠れたかしら?」

私は立っている。寝ていたはずもない。言葉の意味がわからない。


「おはようじゃなくて」

「おやすみじゃないの?」


すると、抱きしめたまま、お姉ちゃんが口を開いた。

「シンソウシンリ?」


「シンカロン?」


「まぁ、いいや。」


「そろそろあなたも寝たら?」


理解に苦しむ私は聞いた。

「最初から最後まで意味不明何だけど、どうゆうこと?」


「聞きたいのはこっちよ。」

「いつまで起きてるの?」

「いい加減寝たら?」


「お姉ちゃん、わかるように言ってよ…」

「-あと、返して。」

「そのネックレス。」


そう、近すぎる距離感で会話を進める。

お姉ちゃんはこちらを見ない。

「いつまで?」

「いつかしら?」


私は怒り気味になり、

「そのネックレスは、私が海に落ちた時にお守りとしてお姉ちゃんがくれたネックレス。」


「返して!」

と叫んだ。


「諦めなさい。」

「そんな思い出話にばっかりすがり付いていてはココロがすり減って仕舞うわ。」


「でも!」

思わず身を乗り出し、押し倒しそうになった。


「いずれ貴女はココロをすり減らして誰とも話せなくなる。」


「-私とも。」


視界がぼやけた。

冷たい。


「じゃあ貴方に聞くわ-」


「現実から目を背けた先には光明はあった?」


抱きしめたままの筈だったのに、抱きしめられた感触は無かった。


自分が求めている夢を見つけるべく潜航を続けていたけれども、私は途中で疲れてしまっていた。


『レム睡眠』


そして仕方なく私は海面から顔を出すことに決めたのだった。


少しばかり薄暗いこの部屋はお姉ちゃんと、私の2人の寝室だ。

家族は前に亡くなってしまったと聞いている。

お婆さんが養ってくれて入るものの、私たちのことを信頼して留守のことが多い。

それでもいい人だと思う。


お姉ちゃんはいわゆる、偏執病にかかっているらしい。

そう、かかっている。


私はいつの日かの記憶を見つけ出した。

妹からしてもおかしい思想を持っていると思う。


「世界が核の炎に包まれてモノもココロも全て消え去ったのよ。」


「何度か聞いた。」

「私はこれを聞くとそっと受け流すことにしている。」


「お陰で私は好きに外に出ることを許されない。」


「でも、病院に通っているから治ると思う。」

「治ると信じている」


「治療法が特殊で私がお姉ちゃんのココロの中に入り込まないと行けないらしく、医者も干渉出来ないと言われて、」

「治療を始めてから何回もお姉ちゃんのココロの中に入って頑張っている。」



キーーーン…

そう、バイオリンの一番高い音のような音に目を覚ました。

「ここは何処だろう…」

背中、四肢に冷たい感触がある。

「水?」

私は静かに半身を起こした。

そして意識が覚醒するとともに水に濡れていることを理解した。

私は青紫のスカートを着ているが、全てが深蒼に染まっていた。

それ程までに此処で寝ていたのだろうか。

このまま濡れていても仕方ないので私は立ち上がり、見渡した。

静かな波紋をたてる水面には座れそうなぐらい大きいスイレンの花がいくつかあり、空には雲一つ無く真っ暗で太陽か、月かも分からない白い光が此処を照らしていた。

幻想的と言えば幻想的なのだが、私にはそんな事はどうでも良かった。

ここは何処なのか、それすらもわからないのだから。

ただ、一つだけ分かる事があるとすれば、現実ではないということぐらいか。

何処までこの水辺は続いているのか、そもそも出口などあるのか。

辺りを見回していると声が降ってきた。

「聞こえますか?」

どこから聞こえているのかわからない。けれどもその声は内側から話しかけているようにも感じた。


「誰?」


「お姉ちゃんですよ。」


お姉ちゃん、私のだろうか。

私の覚えている限りは お姉ちゃん と呼んだことがある人は1人しかいない。

でも確証は持てない。

そもそも私一人ではないのであれは、別の人に呼びかけている可能性も無視は出来ないからだ。


「誰なの?」


天に向かって

聞いてみたが意味をなさない。


「貴方のお姉ちゃんですよ。忘れたかしら。」


『お姉ちゃん』、その響きが何なのか分からなくなってくる。

お姉ちゃん、の姿が見えない。見据えることが出来ない。分からない。覚えていない。

私の記憶にはお姉ちゃんは居ないのか?

では記憶の中にあるお姉ちゃんと私が呼んだ人は誰なのか、実の姉なのか、親戚なのか、友達なのか、

そういったことも何故か忘れている。


その天からの声を聞くだび視界がぼやけるようにお姉ちゃんという像に水がかかって分からなくなってくる。


「返事をして?」


「はい」


あれ?今私は『はい』といったのだろうか。

無意識という物は怖いものだ。

そして、私の意識の中にはお姉ちゃんの像はどうでもよくなって、今のこの時だけはこの『お姉ちゃん』の妹でいる事にした。


ぼーっとただ突っ立っている私はふと前を向いた。

すると闇から人が現れた。


「おかえり」


「ただいま」


私は情景反射的に答えた。

記憶喪失の患者の人も初めの方はその無意識の中にある微かな情報を辿って身についた反射的な受け答えをする事があるという。

まさにそんな感じだ。

私は無表情でいる。


少し離れたところから話しかけられる。


「私は貴方のお姉ちゃんよ?」


「ええ。」


「ここの説明をして無かったね。」


「ええ。」



「幻想。」


「ええ……え?」


「今あなたは幻想にいる。」


「幻想?」


「そう、幻想。」


「此処は精神の墓場のような場所。」


「精神ノ墓場」


「墓場?」


墓場と聞くと大理石で作られた墓石などが思いうかぶが、此処にはそういったものがない。

逆に言えば何も無い。


「私たちはそう呼んでる。」


「ここに居ると悲しいでしょう?」


「悲しい。」


「そうね、だからもっと近くに。」


私は無意識に歩み寄った。

そして

お姉ちゃん は私の頬を優しく撫でる。

優しい。

けれども、こんな感じだっただろうか?


「可愛い妹。」


「でも、残念ねぇ。」














「此処で終わりなノダカラ。」


『無意識』


気付いた時にはその手は黒く染め上がり、影と化し、

何も感じれなくなってただ恐怖と戦慄だけが残った。

その禍々しさという物は闇の中で紅く光るかのようで影を象徴している。

爪は獣のようで、包丁のようで、まさに悪夢そのものだった。

影の禍禍しい手は私の胸を目掛けて伸ばしてくる。

避けようとしたが、無理に近かった。


いつの間にこんなに近づいたのだろうかいくら何でも気づかないなんて。


その瞬間、まるで心臓に釘を貫かれたかのような傷ができることのない衝撃を受けた。


「ぐぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァッ!」


「やめろぉぉぉぉォォォォォッ!」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」




ッーーーーーーー


ひとしきり叫んだ後、目の前には影がないことに気づいた。


「あ…ああ……あ…ぁ…ぁ」


「お姉ちゃんァン。」


か弱い声しか出ない。

心をえぐられたきぶんだ。


気分が悪い。


「ぁぁ…」


私は突っ立った状態から崩れるように倒れたのだった。



そう、倒れること数分間。

私は夢を見ていた。


昔の記憶の事だ。

夏の暑い日に海へ行った時の記憶。

海は夕焼けで紅く輝き、サンセットはとても美しかった。

それでいて楽しかった。とても。

そしてトテモトテモ熱かった。


楽しかったあの日々は何処へ?

そして、ここに居る人は誰なのだろう?

誰だっけか…誰だろう…



キーーーン…


天は真っ暗で見えない。


「夢…?」


いや違う、此処はさっきの場所と同じ…


私は寝ていたらしい。

うつ伏せで…?


生きているのが不思議だったが、それよりも私は目の前の景色に落胆するしかなかった。


此処を精神の墓場といっていた。

どうゆう事だろうか、どちらにせよ人が好かないような場所だということだろう。


あたりが暗くなってきた。

どうやら雲や、空らしいものは何一つ無いけれども昼夜はあるということらしい。

不思議な場所だ。

それも、太陽や月のように沈まずに美しさの欠片もなく、ただ上から照らされたライトをゆっくりと消しているかのような悲しいものだった。


色々と疲れたために私は膝に手をついていた。


「はぁ……」


手足を動かしたくない感じだ。


何処か水が届かない場所がないか探そうと前を向いた時、

辺りが明るく照らされた。


「スイレンが明るくなってる。」


テーブル大のスイレンは静かにそして幽雅に光輝き出したのだ。

夕焼け色、とでも言うべきだろうか。

「綺麗…」


私はその光り輝くスイレンの花を見ていると、座れるような気がした。

「よいしょ…」


座り心地はソファーまでとは行かないものの、地面に座るよりかは断然こっちの方がいい。

手で触るとシリコンに近いような感じだ。


「ふう。」


すると私は明るかった時には気付かなかった事に気づいた。

スイレンの花がある一定の方向に並んでいる。

「道しるべ?」


私はそれが道しるべに見えた。



『選択肢』



私はスイレンの花が連なる方向へと行くことに決めた。

背後を見ずに。


どこまで歩いてもほぼ変わらない景色だった。

スイレンの花が私から見て左右にあるのみだ。

そうしていると、昔の記憶を思い出した。


祭の日だったか、このスイレンのように光り輝く提灯の下で私は父に抱かれて祭りを楽しんでいた。

母親と父親。

そう。両親。

絶対的に記憶から消えることのないこの事柄が分からない。

両親の顔がその記憶から欠落している。

昔だからだろうか?…だとしても顔がわからないのはおかしい。それに、両親についての記憶を思い出そうとしても思い出すことが出来ない。人生の中で一番近い人のはず。

抜け落ちている。

私は思想を巡らせながら歩みを進める。

そう、両親だけじゃない。お姉ちゃん、友達、親戚や、恩師。そういったこともわからないのだ。

そしてあることに気づいた。

この祭りの記憶も、正確に思い出すことが出来たのは提灯の絵柄、文字、火の大きさや温かい事などの細かいことだ。

そう、正確に。

なぜこれほどまでに正確に思い出すことが出来たのだろうか。

父に抱かれるような年のはずだ。

なにか重要なことでもあったのだろうか…。


提灯の何処がそんなに重要で、私の意識下にしっかりと埋もれていたのだろうか。

分からないことだらけだ。

だんだんと頭が痛くなってくる。


どうにもならないようなことを一旦考えることを止めて、目の前の景色に視線を合わせることにした。

自分自身、書いていて訳分からないです。

この小説でどう思うかは人それぞれだと思いますが、

答えはないです。

後、いろいろ学ぶ事も多いです。

こんな小説ですが、これからもどうぞ御贔屓ください。

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