次回予告という名の酒宴
人の良い半馬人と、没個性が取り柄の隊員A、それに我らがスライム……この三人は良くつるんでいる悪友である。
今日も今日とてスライムの快気祝いという名目で車座になって酒を酌み交わしている。つまみはもちろん……
「スライムの童貞卒業を祝って、かんぱ~い」
隊員Aが杯になみなみと麦酒を満たす。
それを受けたスライムはぷるぷると体を揺すって外皮をうっすらと赤らめた。
「いやいやいや、まだはっきりと返事をもらったわけじゃねぇしよぉ」
「何言ってんだよ。『スラスラ専用』って言われたんだろ」
「うう、まあな」
「くあああああああ、羨ましいぞ、こんちくしょおおおおおおお!」
ケンタウロスはぐしゃぐしゃと頭をかきむしって悶える。
「で、で? 童貞卒業はどうだったんだよ」
「あのなぁ、悪いが俺は童貞じゃねぇぞ。それに、ユリ【幼児型】相手にそんなことはさすがに……」
「ああ? 好きな女と毎晩寝てるのに? おまえ、ビョーキなのか?」
「いや、いくら好きでも……俺はロリじゃねぇし」
「まあ、ともかくこれでお前もリア充ってわけだ。このや……いやいや、おめでとう」
隊員Aは口元だけで笑っていた。
「今日は俺のおごりだ。まあ、ぐっと飲めよ」
「そっか? なんか悪いな」
スライムが杯を口元液に近づけたその瞬間……麦臭い酒がぱん!とはじける。顔面液を麦酒で汚したスライムは、低い声で唸った。
「爆裂魔法かっ?」
ぎらぎらと眼を光らせたケンタウロスが詠唱陣を突きつけている。
「……爆ぜろ、リア充……」
「まてまてまてっ! 洒落にならねぇ、こいつを止めてくれっ!」
しかし隊員Aは涼しい顔で言い放った。
「ビールにはホップが入っているもんだろう?」
「ホップはホップでも爆裂魔法じゃ……」
「リア充、生殖液から弾けろ……」
「カンベンしてくれええええええええ!」
バカな男達の乱痴気騒ぎは、深夜まで続いた。
ということで次回予告。
いよいよ魔王城にたどり着いたスライムたち。そこで待ち受けるものは一体……そしてスライムは、愛する女をケウィの魔手から守りきれるのかっ?
お楽しみに!




