行きたくないよ、助けてくれ!
月日は無情にも過ぎていった。
というか、そんなにおっちゃんの気は長くなかった。
「どうせ軍事学校に通うんだ、早い方がお前のためだろ。頑張れよ!」
ふざけんな。早く卒業したら、戦争に行く確率が高くなるだろ。
「…いずれは従軍する運命だ。ならばできるだけ技を磨け。早い方が技も習得しやすいだろう。」
おっちゃん!!俺のこと考えてくれてるんだな。
「あと飯代もかかるしな…。」
ちょっと!俺の感動返せよ。リアルなこと言うな。
まぁ仕方ない。おっちゃんも貧乏薬師だしな。
「貧乏いうな!…まぁ頑張ってこい。卒業したら顔出せよ。」
あんた、何年俺と会わない気だ。卒業まで5年かかるんだろ?
一度くらい会いにきてよ!
「…学校は王都にあるんだぞ。」
ごめん、おっちゃん貧乏だしな。そんな金無いのか。
「シバくぞ!!くそ餓鬼が。」
まぁそんなわけで俺は軍事学校に入学することになったんだが。
周囲は皆、俺よりも大人で、おっきかったです。
てか、創立以来の最年少らしい…「子供だ。子どもが混じってるぞ!」って感じでザワザワしてた。
でも別に最年少だから凄いとかはない。
そもそも皆が大人で相手にしてもらえないし、友達いない可哀想な子状態だった。
ついでに、記憶がぶっとんでるせいで、魔法属性とやらも分からなくて困った。
「はぁ?分からない。いいですか、坊やがお勉強したときにどんな内容でしたかと聞いてるんです。」
すいません、記憶がないんです。
「仕方がないな。じゃあ全部の授業を受けてくださいね、次!」
ちょ、ちょっと。全部って?
「全部は全部。空間魔法・攻撃魔法・癒し魔法ね。ほらどいて。次の人どうぞ~。」
そんな感じで最初の一ヶ月は本当にすべての授業を受けさせられた。
ようやく理解できたのは空間魔法は大気を司り、結界を作ったり転移をする魔法。
攻撃魔法は火か水によって攻撃を生み出す魔法。
癒し魔法は自らの生命力を使って他者を癒す魔法。
でも属性はいつまでも分からなかった。ってか魔法がちっとも発動しないただの落ちこぼれだった!
「もう、君なんで黒髪なの?先生面倒くさいんだけど…。」
そうだろう、入学しておいて魔法が使えませんなんて俺だけだしな。
黒髪なんだから絶対に魔力があるそうだ。
貴重な魔法使い、先生はなんとしても俺の才能を見極める必要があるだろう。
それはわかる、わかるよ先生。
でも、学生(落ちこぼれ)を戦場に引きずりだすのはアウトでしょ!
「極限の状況に追い込めば、君でも魔法が発動するさ。」
爽やかな笑顔で死亡フラグたてないで!




