このバカ探偵が……と俺は話しかけた。
俺は病院に来ていた。
あの化け物が心を全て被害者に返したおかげで生死体事件は一件落着となった。
……表向きには。
俺は目の前のベットに寝ている男に話しかけた。
「このバカ探偵が……せっかく事件が解決したのに倒れるヤツがいるか!」
バカ探偵は犯人をぶん殴った後、倒れて病院に運ばれていた。
症状は……生死体と判定された。
化け物に心を喰われた訳ではない。
それなのにこいつは生死体になっていたのだ。
「なあ、聞こえとるか?お前のおかげで生死体事件は解決したんだぞ。
お前はいつも言っていた自分の『正義感』で……この事件を解決したんや」
俺の目から涙が出てくる。
「早く起きんか!バカ探偵が!いつも通り警察が感謝状を送って、「自分は正義のためにやっただけです。こんなものを貰う資格はありません」って!いつ通りのバカな事を言って、全部終わりでいいじゃないか!」
俺は叫んだ。
そんな事をしてもどうにもならない事を分かっていても叫ぶしかなかった。
「……なあバカ探偵、お前もいつか起きるんだよな。いつか探偵として戻ってくるんだよな」
俺はバカ探偵に確認をした。
返事は帰ってくるはずがないが、俺は自分の中で納得をした。
「ならお前が帰って来た時に『正義』がなかったら合わせる顔がないな」
俺はバカ探偵に話し続ける。
「なら俺がお前の正義を受け継いでやるよ!お前が帰って来た時に俺が正義正義言っていたら驚くだろうな」
俺は決意した。
この男の強さを俺が受け継ぐと。
その瞬間。俺の意識はなくなった。
◇
俺は真っ白な部屋に立っていた。
そこには数十……いや、数百の椅子がある。
「ようこそ感情の館へ。人間の心を映し出す誰の心の奥にでもある部屋」
後ろの扉から一人の老人が現れた。
「あなたは彼の『正義感』を受け継ぐ覚悟がある。あなたには正義感の契約者になる資格があるのです」
老人は契約者になる資格があると言った。
……そうか、あのバカ探偵もここで力を手に入れたのか。
「ですがこの力には代償があります。あなたが契約する事のできる『正義感』には強いデメリットがあります。それは限界を超えた力を発動する時、
その力の代償としてあなたの心が正義感の感情に喰われるのです」
そうか……ようやくバカ探偵が生死体になった理由が分かった。
あいつは化け物を倒すために限界を超えた力を使った。その代償として心を失ったのだ。
「大丈夫です。喰われた心はいずれ回復します」
俺はその言葉を聞いて安心した。
バカ探偵はやっぱり目を覚ますのだ。
「契約者になる覚悟はできましたか?」
俺は頷いた。さっきも言ったがバカ探偵が帰って来た時に正義がなかったら合わせる顔がない。
「よろしい。あなたに正義感の力を与えましょう」
そう言って老人は一枚の契約書を渡してきた。俺はそれに名前を書き込んでいく。
「これであなたは正義感の契約者になりました。
これからどのような困難が襲いかかってきても、けして逃げてはいけません。それは正義感の契約者としての使命から逃げる事と同じ事です。
あなたの心の一部を預かりました。これは契約をした証です。
どうか後悔の無い旅を……」
俺は新たな『正義』を胸に秘め、歩き出した。
これで警察官と契約者の物語は終わりです。
ハッピーエンドとは言い難い形で終わってしまいました。
また、この話の設定は頭の悪い私が考えたものです。理解ができないところがあったらすいません。
最後にここまで読んでくださった皆さん。
本当にありがとうございました。




