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1306.陰陽寮の黒幕してそうな奴

「ね、ねぇヒロキ、あいつの名前、蘆屋道満よね?」


 陰陽師たちがカードをしっかりと調べさせてほしい、と数枚抜き取って部屋からでていったので、俺たちは一度体勢を崩して休憩モード。

 すると、俺と未知なるモノさんへとマイネさんが聞いて来た。


「ああ、確か安倍晴明と対を成す、っつーかライバルキャラとしてよく聞く名前だな」


「そうそう、大体悪役じゃない。今回についてもあいつが黒幕なんじゃない?」


「そりゃー、さすがに安直すぎじゃね?」


 ふむ。確かに蘆屋道満といえば安倍晴明のライバルにして宿敵みたいによく描かれていることが多いが、アレって実は後年に作られたフィクションなんだよな。

 そもそも道満って播磨生まれでその辺りだと穏やかで無欲な人格者って言われてるからな。

 ついでに播磨の陰陽師は独自の集まりが出来てて陰陽寮に属してなかったはずだ。


 蘆屋道満はその中でも晴明に匹敵するほどの陰陽師だったからライバルキャラとして後世の物語に登場しただけだったはずだ。

 在野の陰陽師だったために傭兵みたいに各地を転々としていて、そのため宮仕えの陰陽師たちと敵対派閥に囲われたりしていたと思われる。

 となると、一概に悪人とも言えないんだが、このゲーム内での立ち位置はどこだろうな?


 運営次第じゃ蘆屋道満イコール悪人扱いしそうだし、或いはそれを見越してただただ善人、として仕立てて俺たちプレイヤーによる冤罪で処刑される哀れなNPC扱いしてきそうな気もしなくもない。


「それよりもヒロキ、これだけ監視されている中でそのような話をしてもいいのか?」


「「へ?」」


「まー、その辺りは向こうとしても気にしないだろ。道満さんだって他のプレイヤーと会うごとに同じようなこと言われてるだろうから慣れてんだろ。あの人他のゲームやマンガで悪役やらされてるし。ただただ安倍晴明と同じ位凄い陰陽師だってだけなのにな」


 ん? どうした二人とも、そんなあんた何言ってんの? みたいな顔して。


「え。もしかして二人とも蘆屋道満といえば悪人、とか思ってるタイプ? アレ創作だぞ」


「はぁ!?」


「ちょ、ちょちょちょッと待て、案内人ならともかくなんでヒロキがそんなこと知ってるんだよ!?」


 そりゃ一日休みあったんだからこれから行く陰陽師関連多少は調べるだろ。

 ツチミカドが有名な陰陽師の家と被ってるから何か言われるかもだし。

 知ってるか? 土御門家って安倍家が名称変更したんだぜ? 実質安倍晴明の子孫。


「さって、そろそろいいんじゃないすか? これ以上隠れて伺ったところで俺らから情報なんて貰えないでしょ」


 俺が告げると、先ほどまで安倍さんが座っていた場所に、唐突に少女が出現していた。

 白い陰陽師服を着込んだ、透き通る様に白く、小柄な少女が正座している。

 吸い込まれそうな漆黒の瞳はコトリさんのようで、おかっぱの髪型はハナコさんを模しているようにも見える。いいとこどり狙ってるのか? ハナコさんの方が可愛いぞ!


「え!?」


「嘘だろ!? いつの間に!?」


「皆様、出てきてください。もはや隠れる必要もなさそうです」


 凛とした声に反応し、俺たちの周囲、左右にずららららっと陰陽師たちが一斉に正座のまま現れる。

 ある意味恐怖だなオイ!? 最後の一人、何でお前が正座してんだスプリガン!?

 隠形印で隠れていたようだが、俺らの左右に10名づつか、それも歴戦の陰陽師を思わせる男たちがずらりである。


 壮観ではあるけど、さすがにこのおっさんたちにずっと監視されてたと思うとちょっとなぁ。

 プレイヤー陣は驚いているけど、NPCメンバーは驚いてもないな。

 稲荷さんも芽里さんも含めて皆監視されてたこと、あるいはこの部屋の人数を把握してたようだ。


「おや、一部驚いてない方もいらっしゃいますね。これほどの人数が一斉に現れますと、結構驚かれると思うのですが?」


「まぁウチのメンバー特殊ですから。ヌトセさんたちどうだった?」


「部屋に入ったところで隠形で隠れているのは分かっていた。先ほど同様稲荷が動く気配もなかったので敵ではないのだろうと警戒は解いたが?」


「お、う、うむ、敵ではなかったからの」


 稲荷さん?

 ああいや、何も言うまい。テイメさんすら気付いてたのに君はまさか神様なのに気付いてもな……

 

「俺は一応危機察知やら索敵系スキルが多いので。意外だったのは未知なるモノさんが気付いてなかったことかな」


「あー、俺の場合は迎撃スキルが多いからな。索敵はあんまないんだ」


 でも頭の上の花はすっごい周囲警戒してたぞ。

 だから未知なるモノさんも気付いてるとばかり。

 アレは未知なるモノさんとは別生物扱いの方がいいだろうか?


「改めまして。本日はようこそお越しいただきました。陰陽師一同、皆様のご来訪心待ちにしておりました。現陰陽頭をしております、土御門、温羅うらと申します。土御門ヒロキ様のお噂はかねがね。同じ土御門の名を持つ者としていつかはお会いしたいと思っておりました。土御門家一同はヒロキ様を家族同様、歓迎いたします」


 おおっとほんとに苗字でイベント発生しちゃったよ!?

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― 新着の感想 ―
幸運さんがあらゆる手段を使って嫁さんを連れてくる...
>土御門家一同はヒロキ様を家族同様、歓迎いたします 翻訳すると婿殿ができたかも!?となって歓迎してる感じかね?コトリさんやハナコさんを同伴させてまた同じ事言えるかな??
うら 双子か兄弟姉妹かおもてさんが居るか 温羅 ご先祖様の誰かが鬼とか?(ググるから) 当主争い中か 当主(女)と苗字同じの凄腕の主人公(男) ヒロキさんを婿にするつもりか?
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