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1118.天界裁判7

「ぶはーははは! 聞きましたか裁判長! マイネマイネは正義の味方ではない。ならば被害に遭った者たちを焼き殺したことは最大級の罪だ。墓穴を掘ったな弁護人!」


 アクニエルが発言許可もないのに鬼の首取ったように叫ぶ。

 俺は無反応。メタトロンは困惑顔。

 ウリエルさんはため息吐いて、ログジエルさんたちが苦笑している。


「ふむ。では証人に確認する。マンホール少女マイネマイネは正義の味方ではない。これは確定でいいのだな?」


「……その通りだ」


 ざわつく傍聴人たち。

 これではもう弁護不可能だ。という意見が飛び交いだす。

 とはいえ、先ほど見事にルルルルーアさんの裁判が覆った以上、弁護人の話を聞かなくてはならないようで、メタトロンが難しい顔をしている。


「弁護人、反証はあるか?」


「おや、検察側の尋問はもう終わりで?」


「いや、そうではないが、彼女は正義の味方ではない。という確定事項がでたのだが?」


「ええ。ですが弁護をするにしてもまずは尋問を終えてからかと思いますが? それとも尋問途中でこちらの意見を告げて良いので?」


 しばし、困惑するメタトロン。おそらくこんなことは言われたことがなかったのだろう。

 仕方なく、俺から視線を外してウリエルへと視線を向け直す。


「尋問を続けよ。証言台には暗雲ブラックが立つように。バイアスロン殿、証言ご苦労だった」


 バイアスロンさんが立ち去り、傍聴席へ。代わりに再び暗雲ブラックが証言台に立つ。


「すまんが、先ほどの言葉をもう一度お願いできるかね?」


「了解した。俺はヒロキ、そしてそこのマイネと共に地下道を移動していた。映像にも映っていたように、俺も現場で一般市民だったものを見ている。正義の味方として彼らを救う術は殺すしかなかっただろうと、俺も判断する。つまり、彼女が一般市民だった者たちに対し焼き討ちを行ったのは正義の執行であると証言する。と、こんな感じだったか?」


「ふむ。そして今回被告人が正義の味方ではないことが確定した。証言に矛盾が生じる訳だが、暗雲ブラック、それについて君の意見は?」


「私は正義の味方の一人として……彼女の行いは正義の執行であったと思っている。それは変わらない」


 一瞬、俺を一瞥した暗雲ブラック。不利になるがいいのだな。そんな様子だったが、俺は頷くに留める。


「つまり君が思っただけで、実際は違うと?」


「実際どうかはわからないだろう。そもそも正義の味方ではなかったことは初耳だ。グレートマンやジェイクも機関による認定はされてなかったはずだ。特に個人で活動している正義の味方たちは正義機関が認めていない者が多い。それでも彼らは正義の元悪を挫く、立派な正義の味方だと私は判断している」


「なるほど、個人的に認めている、そういうことで良いのだね」


 ウリエルさんの言葉に暗雲ブラックが頷く。


「こちらからの質問は以上です。尋問を終わります裁判長。どう贔屓目に見ても、彼は主観による判断でマイネマイネを正義の味方認定している様子。これでは証人として不適格ではないかと思われます」


「ふむ。弁護人。証人の証拠能力に綻びがあるようだ。どうするね?」


「主観による判断が入っていることは認めましょう。彼は俺とマイネさんと共に唯一一緒に目撃した正義の味方であったため、証言を聞いて貰ったにすぎません。しかしながら彼が証人として不十分というのはどうでしょう? 主観が存分に入ってはいますが、証人としての証拠能力は我々三人で発見し、マイネさんだけが残って一般人だった者たちを焼いて弔った。その事実確認の証言においてしっかりと証言してくださっていると思われますが」


「む? つまり彼の証人としての証拠はマイネマイネが焼き討ちを一人で行った。その事実の証言証拠だけだというのか?」


「はい。そしてその証言はしっかりと彼が証言してくださいました。証拠能力は十分あると思っております」


「だが、マイネマイネは生きたいと願う彼らを焼き殺し、それは正義の味方としての行いではなかった、という事実も浮き彫りになったワケだが?」


「弁護人からは二つ目の証拠映像を提出いたします。ログジエルさん、よろ」


 パチンっと指を鳴らすと、ログジエルさんが映像を流してくれた。

 タイミングばっちりっす。ありがとうございます。指鳴らしてタイミングずれてたら恥ずかしくて両手で顔を覆ってしまうところだった。


『あ、そうそう。せっかくなのでお聞きしますが、俺の知り合いのマイネさん、地獄に来たら罪って何になるんです?』


「これは?」


「こちらはつい先日地獄巡りを行った折り、マイネさんの罪科について五官王様にお尋ねした時のモノになります。ログジエルさん、改ざんの可能性は?」


「あっりませーん」


『今のところは死活等処しかつとうしょですかね。正義の味方ではないのに正義を施行し罪なき人々を焼き討ちにした罪です』


「おい弁護人、なんか罪すでに確定しとるぞ」


 アクニエルが呆れた顔で告げてくるが無視。ここは端折りたかったけど端折ると改ざんになるからな。

 正義の味方騙ってたことはむしろこちらからここで報告する予定だったから全く問題ねぇんだわ。

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― 新着の感想 ―
アクニンエルさんは全ての地獄巡りツアーできそうじゃない?
正義を施行し罪なき人々を焼き討ちにした罪 つまり 普通の方法では救いの方法がない 焼き討ち(介錯)も正義施行しの内
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