表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生したら黒魔法しか使えなかった。でもイケメン黒龍を使役した  作者: 茄乙モコ
【第1章】黒龍ルーカスとの出会い
9/77

第8話 あんたとはただの契約でしょ?

私がルーカスを連れて家に戻ると、まず両親が飛び出て来た。

「アリーシャ!三日も帰って来ないから心配して…!」

と言いながら背後にいるルーカスを見るや、二人はのけぞった。


「あ…アリーシャ、そ、それ…。」


私が説明しようとする前にルーカスは後ろからぎゅうっと抱きつき、爽やかに挨拶した…つもりだった。


「アリーのパパさん、ママさん。これから()()()()ヨロシクな。」


ずっとという意味で言ったのだろう。

ただ、死ぬまで、という言い方はマズかった。

それを聞いた両親はそのまま後ろにバタンと倒れ、使用人たちが慌てて駆け付けていた。


とりあえずルーカスの頭をボコッとまた殴ってやった。



♢♢♢


落ち着いた両親と向い合せにソファに座り、改めて私にべったりなルーカスを紹介した。


「あの…これはルーカスって言って…。」


すると父親が最後まで言う前にルーカスから目線を外しながら言った。


「言わなくてもわかる。こ…黒龍様じゃないか。」


黒龍…様?

なんで様とかつけてんだろ。


母親はその隣でガタガタと震えながら、私の右手の甲を指差した。


「そ…その右手を見ればわかるわ。」


そう、私の右手には龍のタトゥーみたいなのがいつの間にか刻まれていて、水で洗っても全然落ちなかった。ルーカスが言うには契約者に現れる「黒龍の刻印」らしいが、正直めちゃくちゃダサいので消せるなら消したい。


それにしても何でこの二人はこんなに怖がってるんだろう。

そう思いチラッとルーカスを見ると、彼の目がギンギンに金色に光っていた。

コイツ…!


「こら、威嚇をするんじゃない!」


私がまたルーカスの頭をぺしっと叩くと、二人は「ひぃっ」と小さな声を上げた。

そして父親は恐る恐るルーカスの方に目を向けた。

笑顔のつもりだろうが、引きつり方が尋常じゃない。


「あの…黒龍様?」

「ああ、何だ。」


何だかコイツ、いきなり偉そうだな。


「黒龍様には我が家で一番の部屋を用意いたしますので…。」

と父親が言いかけた時、ルーカスはまたもや目を光らた。


「俺はアリーと一緒だ。」


彼は平然と言った。

ちょ…コイツ何言って。

このうら若き乙女と一緒の部屋だと?

いい加減に…、と言おうとしたその時だった。


「俺はアリーは傷つけないが、それ以外の人間など知らんからな。アリーと一緒じゃなかったらこんな家、お前らもろとも吹き飛ばしたっていいんだぞ。」


ルーカスはさらにぎゅうっと抱きしめながら、頬ずりをした。


「アリーも俺と離れたくないよな?」


やばい。

コイツには逆らわんでおこう…。


「も…もちろん。私もルーカスと一緒がいい。」


すると彼はニッコリと笑って、私の頬にキスをした。


「俺の思った通りだ。やっぱり俺たち、相思相愛だな!」



そうして有無を言わさずルーカスは私と同じ部屋にいることになった。

同じ部屋どころか常に一緒。

どこにいても(まと)わりついてくる。

おい、誰かコイツを止めてくれ!

何でこんなヤツと契約しちゃったんだろ。


私たちが出て行った後、両親はくずれるようにソファから落ちたという。



♢♢♢


部屋に戻ると頼んでおいたお風呂の準備が出来ていた。

出来れば両親との話もお風呂の後が良かったが、どうしても先にということなのでそのままだった。

けど絶対に服とか髪とか臭かったと思う。


私は一目散にバスルームに向かい、服を脱ごうとしたところでピタッと手を止めた。


「ちょっとルーカス、出てってくれる?」

彼は不思議そうな顔をして「なぜだ?」と聞き返した。


「見てわかるでしょ。今からお風呂に入るの。」

「だから何で?」

「何でって、今から服を脱いで体を洗うの。裸になるんだから当然でしょ!」

「別に構わないけど。俺も入ってみたいし。人間の風呂ってやつ。」


は?

駄目だコイツ…。

常識というやつがない。

と思ってる側からルーカスは服を脱ぎ出した。


「ちょっ、ちょっと。何してるのよ!?」


彼はポカンとした顔で私を見ていた。


「え?だって裸になるんだろ?」


コイツ、裸で一緒に風呂に入るって意味わかってんのかな。

そもそも黒龍になった時は裸なわけだし、仲良く水浴びしようみたいな?

すぐに抱きついて来るけど、ただのスキンシップで下心とかはないのかも…。


「ほら、早く。アリーも服、脱ごう。」


上半身裸のルーカスは私に近づき、私の服を脱がそうとシャツのボタンに手を伸ばした。

くう…。

上半身裸とか無駄に色気が…。

本当にカッコイイ…じゃなくて!


「っちょ、ちょっと待って!ルーカス、あなたは知らないかもしれないけど人間は一緒にお風呂入ったり、裸を見せ合ったりしないものなの!」


するとキョトンとした顔でルーカスは


「知ってるよ。でも恋人は違うだろ。だって森の中でいっぱい見たし。裸の人間同士が何やってるか。」

「恋人って…あんたと私は…。」

「恋人だろ?俺、あんな熱烈なキスされたの初めてだし。あれって人間の求愛行動だろ?」


ルーカスは自分の唇をペロっと舐めると、私の耳元で囁いた。


「アリーを見た時から思ったんだよね。美味しそうだって。」


そしてルーカスはそのままぎゅうっと抱きしめるとまた言った。


「アリー、可愛い!食べちゃいたい!」


食べちゃい…。

それってそっちの意味ですか?

それとも本当に食べる方ですか?

どっちにしても、勘弁してーーーーー!




次話を23時に更新予定。

書き溜めたものがなくなり、猛烈な勢いで続きを書いてます。

勢いって大事ですからね(・v・)

読んでくれている方に感謝です。応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ