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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 1章 8話



翌朝。


作戦に必要なピギーバットを捕まえに、クラウン、チョコ、ハニ、ヴァルはインフィニティに乗って下界の洞窟に出発した。


ブラスト、スノー、ゴースト、虎徹は、作戦に必要な物の調達に、中界にある店へ向かった。虎徹は自身のバイクに乗り、スノーとブラストはバイクをレンタルした。


⭐️


ピギーバットの住処の洞窟。


真っ暗な洞窟をギルドのヘルメットを着け、マップを見ながら進んだ。湧水の周りにピギーバットの群れを見つけた。ヴァルがラジオを流し音波で動きを鈍らせた。クラウンとヴァルはライトを当て、洞窟の隅にピギーバット達を追いやった。


ハニがパワーを使ってケージをゆっくり近づけた。


「スピリット。」ヴァルが手をかざすとピギーバット達は目が紫色のグラデーションになり、並んでケージに入って行った。ぶうぶうぶう。ケージの感染症チェッカーは反応せず、6頭捕獲できた。


「これくらいいれば大丈夫かな〜?感染症チェッカーも問題なし〜。」ヴァルはケージの扉を閉めた。


「うん。ピギーバットは綺麗好きだしね。待って。翼に傷ないかチェックさせて。、、、大丈夫そうだね。」クラウンは翼に炎症がないかチェックした。


「アビリティ回復したよ。ううーっ。早く出ましょ。タクシス!」ハニはケージを浮かせ洞窟の入り口まで運んだ。


⭐️


クラウンは玄関のチャイムを押した。

ピンポーン!


「待ってたよ〜。」ミニヤが扉を開けた。

「ピギーバット達をお願いします。羊みてもいい?」

「ああ。庭にいるよ。」


クラウンは庭の柵を開けて、小さな羊に草をあげた。チョコは羊に鼻を近づけて匂いを嗅ぎ合っている。


ハニが車からケージを下ろし、ヴァルがパワーを使ってピギーバットを柵の中へ誘導した。ミニヤは羊の柵の中に仕切り柵を作っていた。


羽を畳んで保護バンドで留められたピギーバット達は、一列になって羊の隣の柵の中に入って行く。ぶうぶうぶう。


ピギーバット達は羊とチョコを警戒して柵の隅に固まった。ミニヤが水を張ったトレーを2つ持って行くと、ピギーバット達は頭を寄せ合って水を飲んだ。


挿絵(By みてみん)


「ハニ、羊の横に座って。ログ撮るよ。」クラウンが構えると、ハニは羊に顔を近づけて笑った。


ミニヤが道具を持って来て、クラウン達はピギーバット達を清潔に洗った。餌を数十袋、納屋に運んでミニヤにピギーバットのお世話を頼んだ。


⭐️


スカイスポーツ店「エアーウィング」


虎徹はハーネスを着け、パラグライダーを装着した。


「コースにお進み下さい。」引率のインストラクターに虎徹はついて行った。


ドームの中には建物が段々にあり、床から風が吹いている。壁には無数のブロックがくっついておりボルダリングもできる。


インストラクターの指示に従って虎徹はパラグライダーを広げ、風を受けて浮き上がり、一番低い建物の屋根にふわりと着地した。


インストラクターはパラグライダーをくるくる巻きながら回収した。

虎徹も腕をぐるぐる回してパラグライダーをコンパクトに丸めた。


次の風が大きく吹き上がると、インストラクターはパラグライダーを投げて開き、風に乗って次の建物の屋根に着地した。虎徹に手を振る。


虎徹もパラグライダーを投げ、風を受けると浮き上がった。建物の屋根に着地し、インストラクターのアドバイスを聞きながら少しずつコツを掴んでいった。


虎徹が順調そうなので、ブラストとスノーは手を振って店を出た。そのまま隣のショッピングモールに買い物に向かった。


⭐️


数時間後。


クラウン達は合流し、サリーの高校まで迎えに行った。門の前に車を停めて、ハニはサングラス姿で車の窓を開けて待っている。


クラウン達は後ろのソファーでゲームをして待っている。その横で犬達は昼寝をしている。


「あっ、サリー!」ハニが手を振った。


サリーが手を振り返した。


「イカついなー。彼女できたの?」サリーの同級生が声をかけた。


「ふふん。」サリーはさもありなんな顔をした。


同級生は驚きながら言った。「え!ルーペが好きなんじゃなかったの?」


「ルーペにはとっくに振られてたよ。言わせんなよ。ははっ。あれは友達の彼女。またな!」


「脅かすなよ。あはは。じゃあね〜。」


サリーは同級生と別れて車に乗り込んだ。ワールドゲームズの候補生達や混合種族の女性の娘の三姉妹も続々と車にやって来て、乗り込んだ。みなグータッチ、ハイタッチで挨拶をして、ユナイトパークに練習に向かった。


⭐️


翌日。


夜になってクラウン達は山手の高台にいた。


クラウンは見渡して言った。「ここなら監獄がよく見えるね。」


スノーがドワーフの棟梁にもらった図面を開いて向きを合わせ言った。「ヴァル、ここに監獄の番犬小屋がある。行けるか?シシッ。」


「OK〜!」ヴァルが車の後ろの扉をバンバン!2回叩いた。


虎徹が運転席から車の後ろの扉を開けた。ぶうぶうぶう。


「いつでも行けるよ!」ブラストがケージの扉の前でスタンバイした。


ケージに向かって、ヴァルがパワーを使った。「スピリット。」ピギーバット達の目の色が紫色のグラデーションに変わった。


「オープン!」ブラストがケージの扉を開けた。


ピギー!

ブキブキー。

バサバサバサー!


ピギーバット達が一斉に飛び立ち、監獄の番犬小屋に突入し、番犬を2匹を拐って戻ってきた。


ピギーバットと番犬がケージに入ると、ブラストはケージの扉を閉じた。クラウン達はハイタッチした。


番犬2匹はピギーバット達に怯えて座り込んでいる。スノーはゴーストとケージに近づき言った。「フリーズ。」ゴーストのパワーでスローモーションになって動けない番犬達に、食べ物を詰めたバッグを背負わせた。


クラウンはチョコのイカロスを使った。「チョコ、ビョーンさんを探して。」マーキングポイントが監獄棟に1つ点いた。


スノーが図面を見ながら、ハニとヴァルに指示をした。ハニとヴァルは構えた。「OK!行くよ。タクシス!」「スピリット!」

ブラストはケージを開けた。


ハニがパワーを使って監獄棟の中庭に番犬2匹を下ろした。番犬は左右に別れて全力で駆け出した。みなマップを見ながら、番犬がルーペとビョーンの部屋に物凄いスピードで到着したのを見届けた。


「やったー!大成功!」クラウンは両手をあげて、みなとハイタッチした。「っしゃーっ!」「クエスト完了〜!」「シシッ。イエー!」


⭐️


数日後。

作戦前日。


夕方、ミニヤがユナイトパークにやって来た。クラウン達の練習する姿を微笑ましく見ている。


「おーい。差し入れ持ってきたよ〜。調子はどうだい?」

「いい感じだよ。わー。牛丼だ!」コースから戻って来たクラウンは喜んだ。サリー達も集まってミニヤが差し入れた牛丼を食べた。


食べ終わった頃合いをみてミニヤはサリーに、にこやかに話しかけた。「ルーペから返事は来たかい?」


サリーは地べたに座ったまま答えた。「バナナが黒くなってきたから食べちゃった。お手紙ご馳走様っす。」


「ヤギか!」ミニヤがつっこんだ。みな笑った。


「それにしてもみんなの士気が高まって来てるね。」ミニヤも胡座をかいて地べたに座った。


「なんでか知ってる?最近、ヘラクレスの像にレイをかけた人がいるんだ。みんな勇気をもらって、マリーゴールドの花とか供えてるんだ。」サリーが言った。


ハニはドキッ!とした。ギルドのみなはハニを見た。ハニは頬を赤らめて黙って牛丼を頬張った。クラウンはクスクスした。


⭐️


クラウン達は夕方から夜までユナイトパークで合同練習に没頭した。


今度はカートを引いたローティがダンサー達を引き連れてユナイトパークに来た。


ローティはスピーカーの壁にDJブースを繋ぎ、ダンスミュージックやヒップホップを流した。スピーカーはカラフルに光り、ダンサー達が踊って賑わっている。


クラウン達も練習を終え、ローティのDJブースに駆け寄った。ダンサー達は周りも巻き込んで輪になって盛り上げている。


国軍警備隊員がやってきて、フェンスの外で警戒し始めた。ローティがトランクを開けると、中からお菓子屋やジュース、チューハイにビールがたくさん詰まっていた。クラウンが中を覗くと、それぞれに同じメッセージが書かれていた。「明日のパーティーにおいでよ!」


ダンサー達は国軍警備隊員に手招きしたり、誘惑する様に誘ってみせた。フェンスまで寄って来た警備隊員にお菓子屋や飲み物をフェンスの隙間から渡した。隊員達は懐に入れ、ジャケットのジップを上まで閉め、フェンスに背を向け警備に戻っていった。


1時間、ローティとダンサーは盛り上げた。みな、いい汗を流した。ローティが最後の曲をかけた。「RAV4」のオーナーがステッカーをクラウン達に持って来て配った。「明日の目印はこれだよ。」ステッカーを見るとグラフティー文字でCLEANと書いてあった。「カッケー!」近くにいたブラストとクラウン、虎徹も喜んだ。「やった!どれに貼ろっかな。」「拙者はバイクに貼ろう。」

「多めにあげるよ。友達の分もね。」


みな高揚して笑っていたが、瞳はやる気に満ちている。グータッチ、ハイタッチして解散した。


虎徹はバイクにステッカーを貼った。「明日の目印を確認しながらアクティブエリアを通って帰っても良いか?」虎徹はバイクに跨り言った。

「いいよ!僕ももう一回コース確認しときたい。」「いいねー、行こう!」アクティブエリアと聞いて、クラウンとブラストはスケボーに乗って地面を蹴った。虎徹がバイクで先頭を徐行して走る。BMXで並走していたスノーが虎徹のバイクに掴まった。スノーが手を伸ばして、スケボーに乗ったクラウンと手を繋いだ。「あ〜ズルい!」ヴァルはインラインでバイクの反対側に掴まり、ブラストに手を伸ばして、スケボーに乗ったブラストと手を繋いだ。クラウンとブラストはバイクの後ろの隙間にインラインを履いたハニを入れ滑った。虎徹は後ろを振り向き笑い、ディスプレイをバイクにかざして音楽をかけた。日本語ラップの曲「CLOVER」が流れた。目印のグラフティー看板を追いかけて夜の街を走った。


挿絵(By みてみん)


⭐️


続く。

絵:クサビ

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