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カレンダーが落ちるのは
「うちの部屋には幽霊がいるかもしれない」
「どうしてそう思うのさ」
「壁にカレンダーをかけてるんだけど、それが頻繁に落ちるんだ。これは幽霊が落としてるに違いないね」
「それってちゃんと画鋲が刺さってないだけなんじゃないの?」
「いいや、そんなことないよ。それに、落ちるのは毎月一日なんだ」
「どういうこと?」
「先月のままになってるから変えろ、ってことなんだと思う。現に、翌月になる前に変えたときはカレンダーは落ちなかったもん」
「本当かなあ。偶然じゃないの?」
「そう言うと思ったよ。そこで、ちょうど明日は一日だから、うちの部屋に泊まってその瞬間を見てほしいんだ」
「なるほど。わかった。偶然だとは思うけど、まあ、見てみようじゃないの」
◆
「お邪魔します」
「どうぞ。さあ、入って」
「すごいきれいな部屋だね。埃一つ落ちてないよ」
「なんか勝手に掃除されてるんだよね。靴もばらばらに脱ぎ捨てたら翌朝にはそろってるし、服を脱ぎ散らかしても翌朝にはハンガーにかかってるし。あと、冷蔵庫の中も勝手に補充されてるし」
「それを先に言えよ。やべえ。もう帰るわ」




