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婚約者と平民の抵抗

自転車走行で書いてます。

僕、キャスター・ユインスキーは、必死に考えていた。

出来ることがないか、と。

王宮で何かあったらしく、レオンクラウド殿下もティッオ殿下さえも学園に来なくなってしまった。

両殿下に面会を申し込んでいるが、許可がおりない状態が続いていた。

卒業式がもうみえている。

乙女ゲーム通りならば、卒業記念パーティーで()()が起こる。

いっそのこと、マリークライスと婚約していたら、乙女ゲームにそって婚約破棄が出来たのに!

婚約発表は、翌日の立太式の時らしい。

わざとずらした。()()()()をさせないために!

ほとんどマリークライスに決まっているのにそこまで延ばしたのはそのためだ。

卒業記念パーティーでは、婚約破棄ではなく愛妾契約を破棄させるつもり?イハヤタカ侯爵令嬢と完全に縁を切らすために。

血の雨が降りそうだー。天を仰ぎたくなる。

「ぼっちゃま、お客様です。」

呼ばれて仕方なく応接室に向かう。

今日は来客はなかったはずなのに・・・。

応接室の扉を開けて後悔した。

居留守を使うべきだった。

部屋には、マリークライスがいた。ゾロゾロと護衛を連れて。

「キャスター・ユインスキー、お久しぶりね。」

上品に頬笑むマリークライスは、まだ公爵令嬢気分でいるようだ。特権階級独特の平民を見下した雰囲気を醸し出している。

今は、同じ平民のくせに。

「お久しぶりです。マリークライス様。今日はどういったご用件でしょうか?」

例え自分の家でも()()()()だと許可を取らなければ座ることができない。

護衛に貴族がいるかもしれないが、護衛は別物だ。

許可を取らずに堂々と正面の椅子に座る。

ピクッとマリークライスの形の良い眉が動いた。

王宮の護衛騎士が睨み付けてくるが、無視する。

「レオン様、レオンクラウド様がこちらにお願いした指輪と同じ物を作ってほしいのです。私の指に合わせて。」

「お断りします。」

僕は即答した。

()()()は、特別の特注品だ。

「なんですって。」

可愛らしい声を出しているが、眉がつり上がっている。

「レオンクラウド殿下の許可なく()()()は作ることは出来ません。この世界でたった一つの物をご所望でしたので。お作りしても偽物(ふくせいひん)の印をつけることになります。」

一年経ったら、複製品を作る許可をレオンクラウド殿下からは、もぎ取ってある。分かる場所に印を付けるのを条件で。

「わたくしの言葉を聞けないというのですか?」

うん、聞くつもりない。

()()のあなたと王子であるレオンクラウド殿下、どちらに従うべきか理解(おわかり)いただけると思いますが。」

物騒だなー。剣に手をかけて。

僕は正論を言っているだけなのに。

マリークライスが貴族でも王子の言葉のほうに従わなきゃいくないでしょ、普通は。

「キャスター・ユインスキー。わたくしを誰だと!」

現実をみていない傲慢な元貴族令嬢。

「父君のラーシナカ子爵様とも兄君のラーシナカ伯爵様とも縁を切られ、平民籍になられた()()()()()()。」

分かってないようだから、真実を突きつける。お貴族様ではもうないのだと。

息を飲み、目をつり上げるマリークライスを哀れだと思う。

回りが公爵令嬢時代と同じ扱いをするから、現実を見ることが出来ない。まあ、平民になったと実感したら、自尊心だけ高いお嬢様には絶望しかないかもしれないけど。

「今回のことは、神殿の許可がおありですか?許可なく高額品の取引は出来ないはずですよ。」

修道院に入ったマリークライスの個人資産はないはずだ。

支払いの当てがない取引など出来ない。

レオンクラウド殿下の妃になったとしてもいつまでその座にいられるか。投資していい相手じゃない。

マリークライスが唇を噛み締めている。

言えばタダで作ってもらえると思っていた?

護衛騎士たちの態度も怖いなー。僕の後ろに立つうちの護衛たちも殺気だっている。

「それに、神殿に属された場合、俗世の身分は放棄されると聞いております。王族でも役に付けなかったら一般の神官のままです。いつまで公爵令嬢の身分にしがみつかれているのですか?」

「お前、マリークライス様を愚弄しているのか!」

やだね、血気盛んな脳筋は。

「愚弄しているのは、あなた方でしょう。神殿籍の聖女様を存在しない公爵の令嬢として扱われている。聖女様は賓客です。この国の者と婚姻されない限り、この国の民でもありません。神殿の方です。」

正論を言って分かるかなー。見るからに脳筋ばかりだし。

賓客扱いしろって、上司も言わないのかなー。

こっちは、保護者の神殿を通して話をしろっと言ってんだよ!

「お話は終わりでよろしいですか?私も他の仕事がありますので。指輪の件は、レオンクラウド殿下に許可をお取りになってからお願いします。ご依頼、お待ちしております。」

その言葉に従僕がマリークライスたちに退出を求めた。

僕もとっとと退室する。王宮には、連絡してある。

神殿の許可なく高額品をマリークライスが買いに来たと。

考えるとマリークライスもとっても可哀想な人かな。

悪役令嬢として、人に憎まれるんだし。

親の教育が悪いんだね。

特権階級でふんぞり返っていたから。

あんだけ美人なのにもったいない。

好みではないけど。

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