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パタつかせてペン生~異世界ペンギンの軌跡~  作者: あげいんすと
第二章 ペンずる者は掬われる
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ペンずるより産むがやすし 14

短めでごぺんなさいです。


 完全にしてやられた。


 一見、好好爺(こうこうや)としているジョルト師匠だがその実、獲物を狩る鷹のように隙をつかれ、一瞬の内に流れを持っていかれてしまったと、気付いたところでもはや後の祭りである。少なくとも、挽回する策を考える時間すらない決定ムードだ。


 チラリとメアリーを盗み見れば、どうやら彼女も歯噛みするように目の前の光景を見ていた。しかし駄々を捏ねない辺りは、空気を読んでいるのだろう。そんな姿にシンパシーを抱かざるを得ないわけで――



「ふん、メアリーよ。我々は権利を奪われたのではない、譲ったんだ。そうだろう?」



 ふわふわ羽毛の両翼を胸の前で組み、愛らしい顔を凄めて、可能な限り重苦しい声を響かせる。


 そんな、"らしくもなく"、いかにも不遜なポーズを取ってみせるとメアリーは目をパチパチと瞬かせた。おい、キョトン顔してないでノって来いよ、恥ずかしいだろ?



「ふふっ、物は言い様だね。まぁ、その方が気持ち的にも後に引かなそうだよ」



 思ったよりも気丈な言葉で返したメアリーに、その柔らかい羽毛に包まれた背をぽんぽんと叩きながら慰めてやる。



「……そっか、まぁ残念だったな」



 そうして妖精の儀式が始まるなか、その光景を静かに見ているメアリーの視線にいったいどんな感情が込められているのか、俺には推し量る事が出来ない。


 と、そんな俺を戸惑いを知ってか知らずか、メアリーは小さく鼻を鳴らす。どこか寂しげに、ピヨと一度だけ。言葉としての意味はなくても、きっと何かしらの意味があった鳴き声を零した。



「リオーネ、か。確かに良い響きだと思う」


「……でも、本音はどうよ?」


「……励ますのか落ち込ませるか、どっちかにしてくれません?」


「うむ、そいつを聞ければ満足だ」


「もぅ、まったく……私には及びもつかないセンスですよ。言わせないでください」


「安心しろ。俺も似たようなもんだ」



 鼻で笑い飛ばせばついつい、からかい過ぎたらしい。素の言葉づかいとジトリとした視線を頂戴した。


 言葉を交わしながら感じたのは、朝よりもずっと気持ちは前向きになれたんじゃないかなって事。確信ではなくなんとなくだけど、腑に落とすことが出来たのかもしれないな。



「まぁ、その、なんだ。今回はあれだったけど、あの森にあった黒岩が仮にゴーレムとか不思議生命体とかだったら、その時にはお前に命名権を譲るよ」


「おや、どういう風の吹き回しかな?」


「うっせ、年長者からの親切は黙って受け取っておけっての」


「ふふん。生憎、今世では私の方がお姉ちゃんだからな。しかし、そうだな。有り難く譲られておくとしよう」



 弱気な素面はいつものようになりを潜め、代わりに余裕のあるピヨ顔を見せつけられると、多少イラッとしないでもないが……仕方あるまい、今回は譲っておいてやろう。




まさか、仕事が日を股いで長引くとは……残業代うめぇ。

ひとまず、次回で終わらせられたらいいなぁ……



ここまでお読み頂きありがとうございます♪


ブクマしおり歓迎!!

御陰様で異世界転生/転移ランキングの末席にお邪魔させて頂きました♪


今後とも宜しくお願いします!! ぺんぺん!!

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