ドライブ
「何処にいくんですかー?」
車の助手席に乗ったあいは楽しそうな顔で俺に話しかけてくる。
「そうだなー、特に決めてないけど、とりあえずこの町を一周してみるか」
この町は海沿いの町なので、一周するとなると基本海沿いを走ることになる。
やっぱりドライブと言ったら海沿いだよな。これは決まっていることだ。
「よし、じゃぁ行くか!」
「はい!出発です!」
そしてしばらく車を走らせる
「わー、海、、綺麗ですー」
今日は幸い天気もよく海の水面に太陽の光が当たり、キラキラと輝いている。
「海ってなんかいいよな?」
俺がカナリ抽象的に言うと、
「はい!なんかいいです!」
あいもカナリ抽象的に返して来た。気が合いそうだ。
「さて、ちょっと車から降りてみるか?」
なんかいい感じの海をもう少し眺めたくなった俺はそう提案する。
「はい!あいも!海を見に行きたいと思ってました!」
そう言って二マーと笑う。可愛すぎるなこの子。
車から降りて海の方へと歩き出す。
「寒いですね。。」
天気がいいとは言え、まだ春前だ。気温はカナリ低い。
それに海沿いだから風も強く、寒さがより一層際立つ。
俺は着ていたコートを脱いで、あいに着せた。
「え!?これだとしゅーくんが、、寒くないですか??」
「気にすんな、俺よりあいのが寒そうだからな」
正直寒いが俺は強がってみせる。なぜならこの自分の着ているものを寒がっている女の子に渡すのは男なら誰しもやってみたいことだと思うからだ。
まぁ出来る相手が少女だけというのは課題ではあるけども。
「ありがとう。。しゅーくん」
「おう、気にすんな、、よっと」
俺のコートを着て上目遣いでお礼を言ってきた、あいになんかちょっと照れてしまい、それを隠すように俺は前に出て防波堤に登る。
「うー、あいはちょっとここ登れそうにないです、、」
あいは防波堤の前で俺を見上げる。
そっか、俺は身長180くらいあるから簡単に登れたが、あいは150センチくらいと小柄だからな、しかも女の子だ。確かに登れないだろう。
「よし、なら掴まって」
俺はそう言ってあいに手を差し出す。
「あ、はい。。」
俺の手に掴まったあいをそのまま引き上げる。あいはとても軽かったので、簡単に引き上げることができた。
「うわぁー、ほんと綺麗です。。」
あいはほんのり頬を赤くして、海を見ながら呟いた。
俺もそれに同意する。
「あ、、待ってください。この景色、、見たことある気がします。。」
あいは急に俺の方を向いてそう言ってきた。
この景色を見たことがあると言うことはやはりこの町に住んでいたのだろう。でも、それならここだけじゃなくてもっと見覚えのある景色もあるのではないか?
ビュ〜〜〜
そんなことを考えていると唐突に海風が吹いてきた。
突然のことに俺は身を震わせる。
すると、、急に背中が暖かくなった
「、、あい?、、なにしてる?」
「しゅーくん、寒そうだったから、くっついたんです」
そうだ、あいが俺に後ろから抱きついてきている。
少女とは言え女性特有の柔らかさを感じる。
でも、これはダメだ。早く離れるように言わないと。
「、、、、、」
しかし、俺の口から離れろと言う言葉が出ることはなかった。




