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in the Arbitrary Forest
月も笑みを浮かべる森の夜
遠吠え響く闇の中
視線の先には何も無い
焦り逸る君の足に
私は徒々ついていく
蝋燭の炎はゆらゆらと
仄暗い視界に灯される
私は汗ばむ君の手と
先行く背中に絆される
不安に上ずる君の声
握る力を少し強めて
震える求めに応えると
ほっと安堵の吐息が漏れる
幽かに見える道の先
明かりの灯る一軒家
喜び勇む君の足
するりと抜ける君の手と
そっと後押す私の手
えっと振り向く君の顔
もう恣意の森には入ってはいけないよ
にっこり笑う私の顔を
呆けて見ていた君の瞳に
最後に別れのあいさつと
探しに来てくれた感謝を込めて
そっと落としたくちづけは
君の涙を止めるだろうか
もうすぐハロウィンですから、そんなイメージで