表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/52

ただ灰に抱かれて

深々と降り積もるくすんだ雪

まるで曇天がそのままポロポロと崩れたみたいだ

誰もいないこの場所を恥ずかしがるように

大地は灰に隠れていく


聞こえるのは

白く染まった己の吐息と

不思議な高揚に高鳴る心臓の音

ただそれだけ


たった一人地上に残されたかのような錯覚は

子供のように僕の心を弾ませる

腕を伸ばしてくるくる回り

でたらめな旋律をらららで口ずさむ


疲れてばたりと倒れる僕に

さっと掛けられた冷たい毛布

荒い呼吸を整えようと大きく息を吸い込むと

熱が胸に(つか)えて咳き込んだ

それにつられて湧き上がる笑みは

喉を焼きながら灰色の雲に吸い込まれていく


信じた未来も愛した過去も

みんな崩れて、零れて、消えていった

最後に残ったものは希望でもなんでもない

ただ虚無に蝕まれた肺の微熱だけ


ただただ

それだけなんだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ