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第四十一話「代行閣下見えてますよ」

下着は感想で言われて気づきました。

ご意見をありがとうござます。


にしてもこの作品、幼女とロリコンしかいない気がする……。

「ふはっはっはっは! 我、参上であるぞ!!」


 ミーシャは頭上からの声に上を向いた。

 そして、その顔は怪訝から絶望へと移り変わる。


「ぎゃ、逆光で見えない……だと?」


 そう、ミーシャからは見えないのだ。

 本来であれば、下から見上げるこのアングル、そして頭上の少女の服装であるドレス、これで下着が見えないなどあって良いものか、いや、良くない!

 しかし、そんなミーシャの思いも届かない。

 彼女を後ろから照らす憎き太陽の光、ソレは既に後光の域に達している光量である。


 絶望に呆然とするミーシャに背後から歩み寄る者がいた。


「まだまだね、ミーシャ」


「あ、あなたは! まさか!?」


 師匠であるニッキー・ノーズその人であった。


「……ふっ」


 ニッキーは余裕の表情でゆっくりと右手を上げ……。


「純白の生地にピンクのリボン! バックプリントにヒヨコよ!」


ズビシィッ!!


 と効果音がつくほどの勢いで頭上の少女を指差した。


「ま、まさか見えるのか!? この逆光の中で……!? つかバックプリントまでわかるのは流石に人間やめてんだろ!!」


 ニッキーは恍惚とした表情で頭上を仰ぎ続ける。


「……私は例えこの目が焼き付いたとしても構わない。今この瞬間こそが至高にして究極なのだから。私は今この瞬間確かにソレを見ている、これは決して、揺ぎない、真実なのだ……ッ!


「少佐! ……じゃねぇや間違えた。師匠! あんたオトコだよ! いや、女だけれど!」


 そんな二人の会話に少女がスカートを抑えながら異議を唱える。


「なんなのだ貴様らは!? 今日はたまたま、そう、たまたま下着がこれしか無かったのだ!! 普段は黒のレースにガーターなのだぞ!! ホントなんだぞ!!?」


「「貴様にはまだ早いッ!!!」」


「ひぅ!?」


 ミーシャとニッキーの同時の叫びに思わず小さく悲鳴を上げる魔王代行である。


「代行閣下は週5でプリントパンツで御座います、あと二日は縞々、純白、水玉、ドロワ、のランダムになって御座います」


「ゴーザス!? 貴様、何を教えておるのだ!!」


「おい! そのラインナップにニーソはあるんだろうな!?」


「白、黒、縞々を取り揃えて御座います」


完璧パーフェクト執事ゴーザス!! グッジョブ!!」


「ちょっと待ちなさい! ニーソにするならドレスをもっと短くしなさいよ!! 絶対領域の神秘性がわからない訳は無いでしょう!?」


「ふむ、ではドレスの長さも日替わりに致しましょうか。あと、パンストも御用しております」


完璧パーフェクト執事ゴーザス!! 本当に完璧だわ!!」


「ちょっと待て! スク水は!? スク水は無いのか!? 紺と、あと白が欲しいんだが!!」


「ふむ、では後ほど詳細を教えていただいても? 設計図と素材があれば制作は簡単で御座いますゆえ」


「待ちなさい! 薄ピンクのぽんぽんの付いた靴下も用意しなさい!」


「待て待て! ならピンクのうさぎちゃんパーカーも用意すべきだろ常考!」


「ならばデフォルメしたドラゴンの着ぐるみなど如何でしょう?」


「三輪車! そぉれ! 三・輪・車!」


「オプションにうさぎのぬいぐるみを付けるべきよ!」


「黄色い雨合羽と黄色い長靴なども……」


「なら黄色い傘も付けるべきよ!」


「あえて、短パンにTシャツと鼻の頭に絆創膏を所望する!!」


「頭には麦わら帽子よね!?」


「さもありなん!」


「うーっ! 誰かこいつらをどうにかせんかーーーーーッ!!!!」


 マシリーの叫び声は気の抜けるような青空に吸い込まれていった……。




*******************************




「ちょっとは落ち着いたか?」


「「「申し訳御座いません」」」


 少女相手に老執事、同い年くらいの少女、美人が並んで土下座をするシュールな光景が誕生していた。


「そうね、今考えれば短パンTシャツ絆創膏麦わら帽子はミーシャの方がしっくりくるわね」


「うぇ!?」


「だ・ま・れ(にっこり)」


「「い、イエス・マム!!」」


 そんな二人の様子を見つつマシリーは盛大にため息をつく。


「はぁ〜、我はこれでも490歳のレディーであるぞ?」


「「なん……だと……!!?」」


 その一言に食いついたのはやはりこの二人である。


「合法ロリよ! 伝説の合法ロリが居るわ!!」


 ニッキーなど飛び跳ねて喜んでいる。

 しかし、対照的にミーシャは盛大に汗を掻き、顔色は驚く程悪くなっている。


「……もしかして5歳年上と10歳年上の姉妹って居る?」


「何を言っておる! 我は一人っ子であるわ!」


「……生まれたらおでこにバツ印の傷付けるのが伝統的な家系とかではない?」


「我の額の何処に傷など付いておるというのだ!! ほれ! どこにも傷など付いておらんぞ!!」


 そう言うとマシリーは額に掛かる髪をかき上げる。


「ヤッバイ! 超おでこペロペロしたいわ!! prprprprprprprpr!!!」


「おい! 誰かそこのペロリストを捕まえろ!!!」


ガシィッ!


「HA☆NA☆SE!!」


 すぐさまゴットンとニャルに取り押さえられるニッキー。

 そろそろ彼女の理性を14万8千光年の彼方から拾ってくる必要がありそうだ。


「あれ? でも世界が違うからもっと遠いのか? いや、近いのか?」


 ミーシャは自分の思考に頭を悩ませている。


「まったく! なんじゃヴァル! こんな奴らを連れ帰る為に作戦を中断して戻って来たのか!!?」


 イライラがピークに達しつつあるマシリーはヴァルヴェルトに半ば怒鳴るように問いかける。


「ガッハッハッハ! 代行殿! その少女をよく見てみなされ!!」


 その言葉にマシリーはミーシャを睨みつつ声を張り上げる。


「見るも何もただの黒髪で黒目のロリコンなちんちくりんなガキではないか!!」


「誰がちんちくりんだコラァ!!!」


「ぬ? ロリコンは良いのか?」


「良いか! 小五とロリだと変態だが、ふたつ合わせると『悟り』になる我々は悟りを開いているのだ!!」


「なんだそれは?」


 ミーシャとヴァルヴェルトの会話を聞きつつマシリーは固まっていた。

 その顔は驚愕で塗り固められ、指差した腕はプルプルと震えている。


「く、く、く、黒髪黒目だぞーーーーー!?」


「え? 今更!?」


「こ、こうしちゃおれん!! 作戦中の全部隊に伝令を出せ!! 作戦行動は中止だ!!」


 これが後の大魔王ミーシャと魔王軍総統補佐官マシリーの最初の出会いであった。

もうヤダこの変態(ミーシャ以下三名)ども。


13.05.27 一部修正しました、ご指摘ありがとうございます。

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