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新生するは…… 鋼翼の巨神と重鎧の巨神


「良かったの? ブラックカウボアの魔石を使って……」


DGの動力である魔導エンジンの強化の為に、ジンが持つブラックカウボアの魔石を使う事にしたが……


「ああ、俺のスキルの知識が…… 魔物の素材を使って強化すると良いって、教えてるんだよ」


「だから、ブラックカウボアの骨と角をメタルゴーレムの鉱石に混ぜたのですか?」


「ああ、合金化する事で…… その素材の魔石の魔力が流れると、ある程度の自動修復の効果を持つらしいぞ」


「そうなの…… でも、角を生やす必要あるの?」


「かっこいいでしょう♪」


動力部と関節部、手と装甲などを強化したDGの頭部には……


闘牛の様な角が増えていた。


「名前は、でぃーじぃーてぃー…… てぃーは〝たろす〟のてぃーだ♪」


角の付いたDGを見たジンが……


「まるで…… ミノタロスだな」


「みの…… たろす?」


「たろす……」


「「「たろす♪」」」


ジンの呟きを聞いたチビッ子達が気に入り、略した結果だった。


「まあ…… 結果的には、大幅にパワーアップしたのですから……」


「具体的には?」


「数値にすれば…… 補助機能を増設で運動性は1.5倍に、動力部の強化でパワーは2倍…… 手と関節部に外部装甲の一部を合金化した事で装甲値が…… 重量が200キログラム増量しての2倍ですね」


「それプラスに修復機能付き…… 中々の高性の機ですね」


「ゴーレムの一種と似た様な物ね。有名なゴーレムにも鎧を来た物が在るから」


「ゴーレム城の【オールデンキャスル】の騎士ゴーレムですね」


「オールデンキャスルの騎士ゴーレム……?」


「約1700年前の天才錬金術師の【オールデン】が創造したとされる移動する城…… 移動城塞型ゴーレムの事です」


約1700年前に在った国の国境…… その国境の内側を周回していると言われているのが、約全長55キロはある城塞型ゴーレムの通称【オールデンキャスル】。


今は無い約1700年前の国の天才錬金術オールデンが、自国の防衛の為に作った自走型の拠点だと言われているが…… 事実は不明である。


国が滅んでも、約1700年間動き続けては……


その存在感を見せ付け…… 恐怖の対象になっている。


巨大な龍や魔物が生きるフロンティア・エデンで…… 約1700年間もの間、存在し続けたのは……


その内部に…… 巨大ゴーレム兵団と言う…… 驚異的な武力が存在したからである。


「デッドラインの参考になった存在ですからね…… 巨大な騎士ゴーレムは……」


「そんな存在が在るんですね…… で、ウィリアムさんの機体は?」


「あちらですね」


クレアの右手の先に…… 試験飛行するグランストームに似た戦闘機の姿が在った。


「試験飛行の調子は…… どうですか?」


『知らない技術で…… 前よりも性能が高いのが、ちょっと納得出来んが…… 加速が良いって言うのは、良いな』


「風属性と無属性を機体に付与していますからね。そのぶん、無駄な抵抗が無くなり…… 加速力が上がったのでしょう」


『フ~ン…… じゃあ、そろそろ……』


「はい、〝可変機能〟の試運転をお願いします」


『了解した。これより、大気圏内での変形の試運転を開始する!』


ウィリアムの声が通信から響くと…… グランストームに似た戦闘機が急上昇する。


『変形開始!』


ウィリアムの声がすると……


戦闘機が前半部の下からロボットの腕部が現れて、コックピットの後ろが回転後に左右に別れて脚部に変形すると、コックピットを残した前半部が後方部に折れる様に変形し……


ロボットの頭部が現れると主翼の位置がスライドしてロボットの背面に移動し、空中に飛行機の翼を持つ巨大ロボットの姿が現れた。


『変形完了…… 計器やコックピットの移動…… 問題無し。外部から見ての問題は無いか?』


「了解、外部観察から見て機体には…… 問題は見当たりません」


『了解、引き続き試験を続行するか?』


「ウィリアムさんに問題が無ければ、その状態での飛行を試して下さい」


『了解、このモードの飛行試験に移行する』


最初は慣らす為か? 緩やかな上昇と下降を繰り返していたが……


直ぐにウィリアムは、人型のロボット形態でも戦闘機の様なアクロバティックな飛行を始める。


「うん…… 魔導エンジンが馴染んでる様だね」


「運が良かったのよ」


「そうですね…… デッドラインの試験飛行で大型のワイバーンに遭遇するなんて……」


実は、ウィリアムが試運転中の可変機体には……


フライトユニットの可動運転中のジンとネネが乗ったデッドラインに、襲いかかった大型のワイバーンの素材が使われていた。


「ワイバーンのステーキ…… 美味かったですね」


ジェフの呟きにチビッ子達が頷く。


「確かに美味かったし、骨や牙に爪と革…… 風属性と相性の良い素材と魔石が手に入って助かったよな」


「DGの試作魔導エンジンが有ったのも、運がありましたね」


思わぬ魔物の襲撃だったが……


おかげでジン達は、より強力な改修が可能になって腹が膨れたので……


「「ゴチになりました!」」


「「「「「「なりました!」」」」」」


と、残ったワイバーンの頭蓋骨に礼を言うのだった。



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