↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/100

-19- 人生

 人生は人それぞれで、どの人生を例にとってみても、どれ一つとして同じ人生はない。加えて、いい人生だ…と思った途端、逆転の憂(う)き目に合い、散々なラストとなる場合だってある。このように、人生は死ぬ間際まで分からない、大ドンデン返しを秘めた長編ドラマともいえる。

「鋤川(すきかわ)さんは、いいですよ。あなたは飛ぶ鳥を落とす勢いなんですから・・」

「そう言う鍬野(くわの)さんだって」

「いやいや、私は落ちた鳥が慌(あわ)てて飛び去るような男ですから」

「ははは…上手(うま)いこと言われますなぁ~」

 そんな二人だったが、数年後の出会いは惨(みじ)めだった。

「鋤川さんじゃ?」

「いや、誰かの間違いでしょう。私はそういうもんじゃ」

「いいえ、あなたは鋤川さんだ! 間違いないっ!」

「ああ! あなたは鍬野さん!」

 二人はホームレスが屯(たむろ)する廃校となった校舎の片隅でダンポールを敷き、座っていた。二人の人生は逆転したのである。襤褸(ぼろ)に身を纏(まと)い、二人は寂(さび)しげに笑った。

「落ちましたな、お互いに…」

「そうですな…。それじゃ、お元気で」

「はあ、あなたも…」

 二人は罰(ばつ)悪く分かれ、また、十数年の歳月が過ぎ去っていった。次に二人が出会ったのは、大物の経営者達が集(つど)うパーティ会場だった。

「おっ! これは、鋤川さんっ!」

「おお、鍬野さんでしたか」

 二人はカクテル・グラスを軽く合わせ、乾杯した。

 「ほっほっほっ… お互い、また飛びましたなっ!」

「よかったよかった! あなたも飛びましたか?!」 

 二人の人生はドロ~ンと回転して、再逆転したのである。この先、二人がどういう結末を迎えるかは分からないが、人生には逆転が付きもの・・とは言えそうだ。


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。