↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/100

-18- 機械と人

 機械は作業を効率よく進めるのに役立つから便利だが、一度(ひとたび)トラブルを起こすと厄介(やっかい)なことになる。機械がなく人手間(ひとでま)だけだった頃と今とを比較すれば、文明進歩により機械も進歩している。確かに便利になり続けてはいるが、その半面、複雑化した機械は故障も多くなり、頼(たよ)り過ぎると、逆転して難儀(なんぎ)なことになる。修理部品や技術で再使用できる内はいいのだが、できなくなれば、粗大ゴミとなり、お終いだ。

「ははは…私はもう終わりましたよ。早川さんはまだでしたか?」

 耕運機を弄(いじ)くる早川の後ろ姿に、遅海(おそみ)は笑顔で声をかけた。

「妙だなぁ~。こんなはずじゃなかった…」

 二人が任(まか)された除草面積は、ほぼ同じ広さだったが、除草作業をする方法に二人の違いがあった。早川は耕運機を走らせて一挙に土ごと草を撹拌(かくはん)しようとしていた。ところが一方の遅海は、草刈鎌で地道に一本一本、草を掘り起こしてはポリ袋づめにしていたのである。誰の目にも当然、早川が先に済ませ、食堂へ入るだろう・・と思えた。が、しかしである。耕運機が俄(にわ)かに動かなくなり、事態は逆転した。故障の原因が分からず、早川はアチラコチラと弄くる他(ほか)はなかった。その間にも、少しずつだったが遅海は除草を終えていった。そしてついに全作業を終え、遅海は手を洗ったあと、耕運機を弄くる早川のうしろ姿に、ひと声かけた・・と、話はこうなる。

「そいじゃ、お先に…」

「はあ…」

 早川は恨(うら)めしげに立ち去る遅海を見送る他はなかった。

 機械と人は[ウサギとカメ]の童話のように、逆転するところが似ていなくもない。


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。