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-19- 人生

 人生は人それぞれで、どの人生を例にとってみても、どれ一つとして同じ人生はない。加えて、いい人生だ…と思った途端、逆転のき目に合い、散々なラストとなる場合だってある。このように、人生は死ぬ間際まで分からない、大ドンデン返しを秘めた長編ドラマともいえる。

鋤川すきかわさんは、いいですよ。あなたは飛ぶ鳥を落とす勢いなんですから・・」

「そう言う鍬野くわのさんだって」

「いやいや、私は落ちた鳥があわてて飛び去るような男ですから」

「ははは…上手うまいこと言われますなぁ~」

 そんな二人だったが、数年後の出会いはみじめだった。

「鋤川さんじゃ?」

「いや、誰かの間違いでしょう。私はそういうもんじゃ」

「いいえ、あなたは鋤川さんだ! 間違いないっ!」

「ああ! あなたは鍬野さん!」

 二人はホームレスがたむろする廃校となった校舎の片隅でダンポールを敷き、座っていた。二人の人生は逆転したのである。襤褸ぼろに身をまとい、二人はさびしげに笑った。

「落ちましたな、お互いに…」

「そうですな…。それじゃ、お元気で」

「はあ、あなたも…」

 二人はばつ悪く分かれ、また、十数年の歳月が過ぎ去っていった。次に二人が出会ったのは、大物の経営者達がつどうパーティ会場だった。

「おっ! これは、鋤川さんっ!」

「おお、鍬野さんでしたか」

 二人はカクテル・グラスを軽く合わせ、乾杯した。

 「ほっほっほっ… お互い、また飛びましたなっ!」

「よかったよかった! あなたも飛びましたか?!」 

 二人の人生はドロ~ンと回転して、再逆転したのである。この先、二人がどういう結末を迎えるかは分からないが、人生には逆転が付きもの・・とは言えそうだ。


                   完

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