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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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俺たちと………

度々お待たせしてしまってすいません。

なんとか週一での投稿でやっていけるように頑張りますので、今後ともよろしくお願いします!

それでは楽しんでいってください!

「俺は最低だ……」


「隼、あの日からお前がそんなことを背負って戦っていたなんて思いもしなかった。杏はお前のことをとっくに許してたんだな……。だが、俺はお前を許せない!お前は永遠に杏を死なせた罪を背負っていくんだ!!」


「わかっている……」


語られた真実に築村はまだ心の整理ができていないようであった。これから梅西とどう接していくべきなのか、その答えに迷っているのだろう。


一方その頃、病院では―――


「大したことなくてよかったな!」


「なんでアンタしか来ないのよ!!」


「そんなこと言ったってしょうがないだろ、俺しかいないんだから」


「ホント最悪!」


重傷に見えた木山だったが、意外と平気そうであった。梅西の攻撃を受けて、相田や築村、松本は昏睡状態が続いたのに、この人はなんてタフなんだろうか。

そんな俺たちの会話に病院の先生が一言。


「ここは病院だからもう少し静かにしてもらえるかな?それと木山さん大事をとって1日だけ入院と考えていましたが、その様子であれば、大丈夫そうですね。お大事に」


こうして木山は入院することもなく、帰ってくることになった。


「アンタのせいで追い出されたじゃない!」


「なんでもかんでも俺のせいにすればいいと思うなよ!」


「だってアンタのせいじゃない!」


「いやいやいや!お前の声が大きすぎるんだろうが!」


先生の言う通り、これだけ元気なら何の問題もないのだろう。俺もそう思った。


次の日―――俺たちは梅西の真実を築村の口から伝えられることとなった。


「驚いたな〜。まさか梅西にそんな事情があったなんて〜。愛する者のため、愛の力ってことだったのか〜。通りで強いわけだよ〜」


と相田。


「そんなことがあったのか。だったら、梅西とその沙月って子を助けてやらないとな」


「その件なんだが、これは俺たちの問題だ。ムルシエラゴは俺たちで倒す」


「俺たちってお前と梅西か?」


「………そうだ」


築村は少し不安そうに頷く。


「大丈夫なのか?」


「わからない。だが、隼を助けてやりたいんだ。杏が最後まで助けようとした隼を。杏の想いは俺が引き継ぐ」


俺の問いかけに対して、築村は覚悟を決めた言葉を返した。


そして放課後―――築村は梅西に合流した。


「溱……」


「助けに行くぞ。お前の大切な人を」


「どうしてだ?俺はお前の大切な人を、杏を殺したんだぞ?なぜ俺を助ける!?」


そんな梅西に対して築村は真っ直ぐに梅西を見つめて答える。


「お前の言う通りだ。俺は杏を殺したお前が憎い。憎くてたまらない。でも、お前に復讐したって杏は帰ってこない……。それに杏は命をかけてでもお前を助けようとしてた。なら、お前を倒せば杏の想いを踏みにじることになる。西條沙月を助けて、俺は杏の願いを叶える!」


「お前……。出会った頃、お前はなよなよしてて情けない奴だと思ってたが、いつの間にか………強くなったな」


「今じゃお前より強い。さっさとコウモリ男倒して助けに行こうぜ」


「よろしく頼む」


そして2人はムルシエラゴの元へと向かった。


「そろそろ来る頃だと思ったよぉ。梅西ぃ」


玉置は沙月という少女の眠る病院で待ち構えていた。


「いくぞ、溱」


「お前に言われなくてもだ」


「「変身」」


築村はドラゴニックブルーへ、梅西はポイズンパープルへと変身した。


「変化ぇ!ムルシエラゴ!」


玉置もムルシエラゴに変身した。そして3人が激しくぶつかり合う。ドラゴニックブルーの凄まじい連続攻撃をムルシエラゴは難無くし、反撃を仕掛けてくるが、そこをポイズンパープルがカウンターで打ち返し、ムルシエラゴを吹き飛ばす。親友2人のコンビネーションにムルシエラゴは追い詰められていく。


「ったくぅ、めんどくせぇことになったもんだなぁ!だがぁ、俺も負けねぇんだよぉ!!」


ムルシエラゴもいよいよ本気を出した。黒いオーラを纏い、圧倒的な力で2人に攻撃を仕掛ける。ムルシエラゴの攻撃に形勢が逆転してしまった。


「うわぁあ!」


「ぐわぁあ!」


「どうだぁ?お前らじゃ俺は倒せないんだよぉ!」


「何寝てんだよ隼!早く立て!」


「お前に言われたくねぇよ」


2人は痛みを堪えて立ち上がる。そしてドラゴニックブルーは木山の変身アイテムを取り出した。


「いくぞ隼!アイツを倒す、俺たちと………杏の力で!!」


「「変身!!」」


ドラゴニックブルーはドラゴライズスカイブルーへ、ポイズンパープルはヘルファイアパープルへと変身した。

そんな2人の間には1人の少女が立っているように見えた。


「(隼!溱!やっと仲直りしたー!ウチはずーっと2人を見守ってるんだからっ!しっかりしてよねっ!)」


ドラゴライズスカイブルーとヘルファイアパープルの連携攻撃の前にムルシエラゴは全くが反撃できない。


「このままじゃまずいなぁ……。だったらぁ、これはどうだぁ!シャドウファング!!」


「これで終わりだ!溱!」


「わかってるよ!」


「「ブルームーンバースト!!」」


「その技はぁ!」


必殺技が激しくぶつかり合う。


「「いけぇえええ!!!」」


2人の必殺キックがシャドウファングを打ち破り、ムルシエラゴを貫いた。


「そんなぁ……バナナぁあ!!!」


爆発と共にムルシエラゴを撃破した。

2人は変身を解除した。すると、病院から1人の少女が走ってきた。西條沙月である。


「隼!」


「さ、沙月……。本当に沙月なのか?やっと……」


梅西と西條は強く抱きしめ合った。2人は涙を流しながら、再会を喜んでいた。

そんな2人を見て、目のやり場に困ったのか築村は空を見上げた。


「やったな隼。なぁ杏……これでよかったんだろ?」


「(ありがとう溱……。大好きだよ……)」


そしてそんな2人に何も言わず、築村はその場を後にした。


「おう、築村!」


「藤崎か」


「その様子だと、やったみたいだな」


「なんでわかんだよ」


わかるとも、何故なら築村、今お前今までにないほどいい笑顔だからな。めでたしめでたし。

これで築村溱の物語は完結となります。次回からは最終章となる藤崎綾二編へが始まりますので、お楽しみに!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!!

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