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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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息ピッタリでしたよ?

過去回の再編集も順調に進んでいますので、本編もこの調子で進めていこうと思います。しかし、本編の書き溜めがないので、もしかするとお休みがあったりするかもしれませんが、よろしくお願いします!

それでは楽しんでいってください!

ある日の放課後―――


「なんで俺が荷物持ちなんだよ」


「普通に考えて溱には頼めないでしょ?だったらアンタぐらいしかいないじゃない。それに純花ちゃんにも声をかけたのよ?アンタと2人には御免だと思って。でも、今日は忙しいからって断られたの」


俺は木山の買い物に付き合わされていた。2人きりは御免ってだったら、女友達と来るというはっそうはなかったのだろうか。それに溱のことが好きなら積極的に誘った方がいいのではないか。俺の感性がおかしいのだろうか。いや、そんなはずはないと思うんだが―――


「木山は冬休みなんか予定とかあんの?」


何気なく尋ねてみることにした。すると、木山はものすごい形相でこちらを睨んできた。


「ご、ごめん……」

木山の反応から推測するに、きっと予定は皆無なのであろう。逆にその反応は予定がないことを自分から教えているようなものだと気づかないのだろうか。


「そう言うアンタはどうなのよ。冬休み予定あるの?」


その問いかけが来るであろうことは、自分が同じ質問した時から想定済みであった。しかし、予定がないので固まってしまった。


「その様子だと予定がないのね。顔に書いてあるわよ」


顔に書いてあるだと。一体どの口が言っているんだろうか。お前も書いてたけどな。


「人のこと言えないだろ!お前だって予定ないくせに」


俺が言い返すと、木山は再び鬼のような形相でこちらを睨む。


「す、すいません……なんでもないです……」


俺たちがそんな会話をしていると、なにやらデパートではカップル専用のイベントが開催されているようであった。


「現在クリスマスに向けてカップルの仲をより深めてもらうための季節外れの肝試しを行っております!ぜひ参加してくださーい!!」


呼び込みのお姉さんが必死に宣伝していた。お姉さんが制服を着て買い物をする俺たちを見かけて声をかけてきた。


「そこの熱々カップルのお二人!参加していきませんか?」


「「カップルじゃない!!」」


俺と木山の声が揃った。


「えぇー本当ですかー?息ピッタリでしたよ?」


お姉さんは俺たちの迫力に圧倒されるどころか、さらに食い下がってきた。


「「しつこい!」」


「もー!息ピッタリなのにー!勿体無いですよー!!それにほら!見てください!これ!ハートの限定オリジナルキーホルダーなんですけどね!これ半分に分かれるんです!2人が揃えば1つのハートに!!どうです!?欲しくないですか!!?」


お姉さんがキーホルダーを猛アピールしてきた。でも、ハートが2つに分かれちゃダメじゃないか?演技が悪すぎやしないだろうか。こんな縁起が悪そうなもの誰が欲しがるんだよ。木山も同じ思いに違いないと横を見ると、目を輝かせていた。この人まさか―――


「木山?お前、まさか……あれが欲しいのか?」


木山は俺の問いかけに固まってしまった。そしてもがき苦しみ始めた。葛藤しているのだろう。そんなに悩むことなのだろうか。なるほど、俺と入るのが悩ましいところなのか。俺は少し傷ついた。


「どうせ、お前のことだ。築村とペアでって思ったが、一緒に入れるのが俺しかいないから悩んでんだろ」


「よくわかったわね」


あっさりな回答に俺はさらに傷をえぐられた。というか、悩むのそこだけなのか。肝試しの方を怖がったりはしないのだろうか。女の子はこういうのを怖がるから可愛いと思っていたが、どうやら違うらしいな。真央はこういう時どんな反応をするのだろうか。気になる。今度、真央を連れて来てみよう。


「そんなにキーホルダーが欲しいなら、今は我慢してここを突破するしかないんじゃないのか?」


「それもそうね。仕方ないわ、今日はアンタで我慢しておいてあげる」


いちいち一言多いなこの人は。こうして俺たちは協力して、肝試しに挑むことにした。木山は肝試しを1ミリも怖がる様子を見せなかった。


「お前こういうの怖くないのか?」


「普段怪獣と戦ってるのよ?アイツらの方がよっぽど怖いわよ」


なるほど。魔法少女になったことで感性がおかしくなっているんだな。可哀想に。早くなんとかしてあげないと。


「そういうアンタだって、ビビリかと思ってたけど、そうでもないのね」


「俺は意外とこういうの好きなんだよ」


「それは本当に意外だわ」


こうして俺たちは難なく肝試しを突破し、キーホルダーをゲットした。


「お二人さん!本当に最後まで息ピッタリですね!お二人がゴールするのを私は応援しますね!!」


やめなさい。誰もそんなことは望んでいないのだから、やめなさい。そしてその場を後にした。


「ほら、やるよ」


「アンタはこれいいの?真央ちゃんとかと持ってたいのかと思ってたけど」


「俺はそんなのいらねぇよ。それにそれはお前が欲しかったものなんだろ?だったらやるよ。いつか築村とペアで持てるといいな」


「アンタにそんなこと心配される筋合いはないわよ!―――でも、ありがとう」


「どういたしまして」


帰り道―――

買い物を終えた俺たちは家に向かっている最中、何やら1人の男が俺たちに接触して来た。


「ようやく見つけたぞ!玲奈!」


男はフードを被っており、辺りは夜で顔がよく見えない。


「木山、お前あんな不審者みたいな奴と知り合いなのか?友達はもっと選んだ方がいいぞ?」


「友達がいないアンタに言われたくないわよ。それに私もあんな知り合いいたかしら?」


木山は自然と俺の心に傷を増やしていく。どうやら、木山も男の正体まではわからないようであった。


「あんた誰だ?木山に用があるんでしょ?ならとりあえず、そのフード取ってくださいよ」


男が俺の言う通りフードを脱いだ。すると、中から上の下のイケメンが現れた。


「寛人!?」


男の正体に木山が反応した。


「え!?やっぱり知り合い!?」


続く

今回からは実は意外と作者が気に入っているキャラクターである木山玲奈の回です。真央と綾二くんのやりとりを書いているよりも玲奈とのやりとりを書いている方が作者的にも楽しかったりします。真央と綾二のやりとりはウブなやりとりなので脳みそが溶けそうなんですよね〜

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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