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やったれ魔法少女  作者: 千園参
46/65

とりあえず開けてみろよ

この回でなんと10万文字に到達することができました。この作品を書き始めたとき、こんなに長く続くとは想定していませんでした。ここまで頑張ることができたのは皆様のおかげです!ありがとうございます!これからも頑張りますので「やったれ魔法少女」をよろしくお願いします!それでは楽しんでいってください!

野上シザースの強烈な攻撃がシューティングイエローを苦しめる。


「ぐわぁああああ!!」


「どうした?そんなに弱かったか??」


なんとか反撃を試みるが、シューティングイエローの攻撃は全く効いている様子がない。


「これならどうだ〜!エクシードキャノン!!」


シューティングイエロー渾身の必殺光線が放たれた。


「その攻撃はもう僕には効かない!!」


それに対して野上シザースは必殺技をあえて避けることなく、真っ向から受けて立った。そして攻撃を耐えきってしまった。


「相田!もうお前の攻撃では僕に傷一つ付けることはできない!」


「そんな……」


シューティングイエローは今持てる力の全てをぶつけても倒すことができなかった野上シザースに恐怖を感じ始めていた。迫りくる野上シザースにシューティングイエローは後退りしてしまう。ここまでかと覚悟を決めた時だった―――


「もうやめて!」


橋本がシューティングイエローを庇うように野上シザースの前に立ち塞がった。


「あなたの目的は一体なんなの!?」


「おいおい、橋本〜お前そんなに馬鹿だったかい?見ればわかるだろ?復讐だよ!」


「そんなことをして何になるって言うの?」


橋本は極めて冷静に尋ねる。


「何になるだと?何かあるから復讐しているわけじゃない!ただお前たちが苦しむ顔が見たいってだけの話だよ!!」


「そんな……」


野上シザースは橋本を押し除けて、シューティングイエローにトドメを刺そうと徐々に距離を詰める。すると―――


「相田くんは私が守る!」


再び橋本が野上シザースの前に立ちはだかった。立ちはだかる彼女の足は震えており、本当は怖くて今すぐにでも逃げ出したいという気持ちが体全体で表現されていた。シューティングイエローはそんな彼女の後ろ姿をただただ見つめることしかできなかった。


「いいことを思いついたぞ」


野上シザースが不敵な笑みを浮かべたかは怪人になっているので確認することはできないが、何かを企んでいるかのように呟いた。次の瞬間――――


「うっ!」


野上シザースは橋本を気絶させ、担ぎ上げた。


「何をする気なんだ〜!」


「そこで自分の無力さを痛感するんだな」


そう言って野上シザースは地面に巨大な穴を掘り、そこから橋本を連れてどこかへといなくなってしまった。


「待って〜!待ってくれ!!」


シューティングイエローは野上の言った通り、すぐに自分の無力さに打ち拉がれることとなった。俺はそんな一連の騒動の後に腐って土に返る寸前の野菜のような相田を見つけることになった。


「相田!何やってんだよ」


「香穂たんが……僕のせいで…………」


相田の声には涙が混じっているようだった。


「なんだよ、もう諦めちまうのかよ」


「野上には僕の攻撃が効かないんだ〜!」


「だから、なんだって言うんだよ。俺は真央のためなら一度だって諦めたことはねぇぞ!お前の橋本が好きだって気持ちはその程度なのか!」


「藤崎〜……」


今思えばこのセリフ―――俺が真央のことをとても好きだと言っているように聞こえないだろうか。勢いで放った言葉とはいえ、この発言は少しやばいかもしれない。


「僕、行かなきゃ〜。何度倒されても立ち上がってきたもんね〜!」


「そうだ、さっさと倒しに行くぞ!」


こうして俺と相田は野上討伐に向けて歩みを進めた。


「でも、どうやって倒したらいいんだろ〜。あいつ超強くなってたよ〜」


「お前らってアップデートとかしないのかよ?」


そう言って、2人で変身アイテムの画面を眺めていた。どうやら、相田のアイテムにはパソコンのアップデートのような項目はなかったようだった。


「そんなのないよ〜!」


「そっか、アップデートは俺だけなのか。じゃあ、この『受信』と『送信』ってのはなんだろうな?」


俺はアイテムのモニターに書かれている2つの項目を指して相田に問いかける。


「そんなの僕にわかるわけないじゃないか〜」


「そうだな。お前頭悪いもんな」


「それは今関係ないだろ〜!」


「まぁいいや。とりあえず、俺が送信するからお前受信してみろよ」


こうして俺は送信のボタンを押してみることにした。その直後に相田も受信のボタンを押した。すると、相田のアイテムのモニターに『ブラスターピンクから贈り物が届きました』と表示された。


「贈り物ってなんだろ〜?」


「とりあえず開けてみろよ」


「うん〜」


相田は俺からの贈り物を開けると、ブラスターピンクの一部と書かれていた。


「お前!なに俺の一部勝手に取ってんだよ!返せよ!」


「そんなの知らないよ〜!!」


そんなこんな俺たちがもめていると野上の前まで来ていらことに気づいた。


「お前たちは一体なにをやってるんだ?」


野上が俺と相田のやりとりを一通り見た上で話し始めた。


「いやいや、お前を倒そうと思ってよ。てか、お前誰だっけ?どこかで見たことあるとは思うんだけど……」


「貴様もか!!どいつもこいつもふざけやがって!!」


そんな野上の横には前回同様縛られた橋本がいた。こいつ縛るの好きなのかよ。趣味が悪いな。


「香穂たん!そこで見ててよ〜!僕のカッコいい姿をさ〜!」


相田が橋本を安心させるために言葉を投げかける。


「藤崎〜」


「なんだよ?」


「野上は僕が倒す〜」


「あぁ、そういえばあいつ野上って名前だったっけか。スッキリだぜ。スッキリしたことだし俺は帰るぜ」


「ありがと〜」


相田は俺に礼を言った。俺はそのまま帰ったフリをして、やはり心配なので物陰から相田を見守ることにした。頑張れ相田。


「変身」


相田はシューティングイエローへと変身した。それと同時に野上も野上シザースへと姿を変えた。そして2人の激しい攻防が幕を開けた。やはりパワーアップした野上シザースにはシューティングイエローの攻撃は全く効かないようであったが、覚悟を決めたシューティングイエローは諦めずに攻撃を続けていく。攻撃を真っ正面から受けながら野上シザースはシューティングイエローに接近し、突き飛ばした。


「うわぁぁあ!!」


「何度やっても結果は同じだ。愛しの彼女にダサい姿を晒すだけだ」


野上シザースはシューティングイエローを嘲笑う。だが、シューティングイエローもすぐに立ち上がった。


「やっぱり今のままじゃ勝てないか〜。それじゃ、使わせてもらうよ〜。ウェポンチェンジ〜!!」


シューティングイエローは叫びながら変身アイテムを再び起動させた。すると、黄色い光がシューティングイエローを包み込んだ。そして俺の時のようにドレスなどがパワーアップした。


「うお〜!すご〜!―――サンシャインイエロー見参って感じ〜」


「なんだそれは!ふざけるな!!」


野上シザースがサンシャインイエローに攻撃を仕掛ける。サンシャインイエローはその攻撃を華麗に避け、反撃を開始した。


「今度はこっちの番だよ〜!」


シューティングイエローの時は一丁だった指銃がサンシャインイエローへと進化し、二丁拳銃とパワーアップした。そこから放たれる連続射撃の前に野上シザースは歩みを止め、ダメージを受け始めていた。


「ぐわぁ!!そんなバカな!!」


「これが僕の愛の力だ〜!!」


よくそんな恥ずかしい言葉を全力で叫べるなと俺は感心していた。

サンシャインイエローの連続射撃を受け、野上シザースはついに体勢を崩し両膝をついた。


「さ〜て!お別れの時間だね〜!シャイニングフォース!!」


二丁拳銃に光を溜め、超強力なエネルギー大砲の必殺技が野上シザースに向けて放たれた。


「なぜだ!なぜ僕はお前に勝てない!!ぐわぁあああ!!」


野上シザースは跡形も残らず消滅した。


「今度こそ僕の勝ちだね〜。君と僕の違いは愛の大きさだよ〜」


こいつまだそんなことを言うのか。なんだ愛の大きさって逆に言ってみたいよそんなセリフ。

相田は変身を解除し、橋本の元へと駆け寄った。橋本は相田に抱きついた。


「ゆーちゃん!怖かったよ!!」


「香穂たんごめんね〜!!」


2人のイチャイチャが始まってしまった。俺は一体何を見せられているんだろうか。なんだか自分が惨めに思えてきたのでバレないように帰ることにした。


今回驚いたことは魔法少女の力は分け与えることができるということだ。確か築村も誰かから魔法少女の力をもらったとか言ってたような気がする。魔法少女の力を誰かに分け合えることに何か意味があるのだろうか。俺の今までのアップデートのようなパワーアップとはまた違うパワーアップ。何が違うのだろうか。俺だけにあるアップデートとは一体何なのだろうか。魔法少女の力にもまだまだ謎があることがわかった。

相田パワーアップ回でした。実は最近再編集を開始したのは相田パワーアップに関係している伏線の回収と新しく貼るために読み直していたところ、再編集に目が向いてしまったというわけでした。楽しんでいただけましたでしょうか?

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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