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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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俺は逃げも隠れもしない

作家さんによってシナリオを思い付くタイミングやルーティンは違うと思うんですが、私はジムでトレーニングしている時に思い付く事が多いです。ジムで鍛えたり、走ったりしながら、魔法少女のシナリオを考えてると、一緒に戦ってる気分になるんですよね。

さて、それでは今回も楽しんでいってください!よろしくお願いします!

ムルシエラゴの正体が玉置照喜であることが判明してから、数日が経った今日。俺はムルシエラゴの言葉が気になっていた。


「これならあいつともいい感じに戦えるかもなぁ」


あいつとは誰のことを言っているんだろうか。ムルシエラゴの他にもあいつのような特殊な怪人がいるってことなのか?それとも別の何か?そしてもう一つ気になることがある。築村の復讐のことだ。築村の復讐とムルシエラゴは何か関係しているのか?それともムルシエラゴの言う『あいつ』と何かあるのか?そんなことを考えながら、登校していると、


「おはよう〜!」


相田が声をかけてきた。


「よう、お前は相変わらず平和そうでいいな」


「なんだよそれ〜!僕をバカにしてるのか〜!」


他愛もない、いつも通りの会話をしながら登校した。教室に入るといつものように真央がいて、話をする。


「綾二くん、おはよう!」


「おはよう」


真央と話をしていると、最近転校してきた松浦も入ってくる。


「おはよう!ダーリン!」


「もう綾二くんから離れなさい!」


ここまではいつもの日常だ。いつもと違っていたのは担任の玉置先生が急な用事で転勤になったという話を臨時の担任から伝えられたことだった。クラスのみんなはいなくなった事情を知らない。俺だけが知る真実。

しかし、それ以外に変わったことはなく、いつも通り授業があり、気がつけば放課後になっていた。そしていつも通り真央や松浦と共に下校した。そして2人と別れたあと、俺は考え事をしていた。すると、遠くで怪獣が暴れている音が聞こえた。なんかこの感じ久々だな。俺は急いで出現地に向かった。そこでは既にドラゴニックブルーとライトニングホワイトが戦っていた。


「遅いぞ!」


「あなたの出番はもうないわ!」


「悪りぃ!遅くなった」


「ドラゴニックハンマー!」


「ボルテックスピア!」


2人の見事な連携で怪獣は消滅した。この2人も最近かなり息が合ってきたような気がする。これが愛の力というやつなのか。きっと怪獣が出てくること自体、本当は日常じゃないんだろうけど、魔法少女の俺たちからすれば、ここも日常の一部になりつつある。しかし、いつもと違うのはここからだった。

どこからか1人の学生が歩いてきた。


「うちの制服じゃないな。誰だ?」


俺は疑問に思っていると、隣にいたドラゴニックブルーが突然形相を変えた。


「あいつは……!!!」


「ようやく会えたな、溱」


この2人が一体どういう関係なのかはわからないが、築村の様子を見るに2人の関係は簡単に話せるものではないことがすぐにわかった。


「強くなったじゃないか、溱。ここいらで俺と力比べでもしてみるか?」


「隼、貴様ぁ!」


「慌てるな。俺は逃げも隠れもしない。変身」


そう言って築村が隼と呼ぶ男は紫の光に包まれ、魔法少女へと姿を変えた。


「ポイズンパープル」


男は自らをそう呼んだ。男の変身が完了すると同時にドラゴニックブルーはドラゴニッククローでポイズンパープルに攻撃を仕掛けていた。


「隼!!!」


しかし、ドラゴニックブルーの攻撃を次々といなしていき、ドラゴニックブルーにできる少しの隙を的確に突き、攻撃を入れていく。


「ぐぅうう!」


「その程度か?俺を殺すなんて言っておいて、まだまだだな」


「クソがぁああああ!!!」


ドラゴニックブルーはいつもと違い、激昂していた。冷静さを失っているからなのか、ドラゴニックブルーの攻撃はポイズンパープルには全く当たらない。

ポイズンパープルの戦い方はとても戦い慣れしたような貫禄があった。軽々とドラゴニックブルーを突き飛ばした。


「溱!!」


ライトニングホワイトが加勢しようとするが、それをドラゴニックブルーが静止する。


「手を出すなぁ!!こいつは俺がやる。ドラゴニックハンマー!!!」


ドラゴニックブルーの全力の一撃がポイズンパープル目掛けて炸裂した。やったかと思われたその時、無傷のポイズンパープルが歩いてきた。


「そんな……!」


ドラゴニックブルーの必殺技は確かに決まっていた。しかし、ポイズンパープルには全く効いていないようだった。攻撃力に特化していると言えるドラゴニックブルーの攻撃が全く通用しないとは、恐るべき敵が現れたと感じた。


「溱。俺は正直がっかりだ。その顔からするに今のがお前の全力だったってところか。笑わせるな。そんな力では俺は一生倒せない!」


俺は妙な寒気がした。言葉には表せないが何かまずい気がした。


「築村!逃げろぉぉ!!」


しかし、ドラゴニックブルーは攻撃が全く通用しなかったショックでピクリとも動かない。


「俺を殺せないなら、お前が死ね。滅殺!!!」


ポイズンパープルの鋭い、まるで獲物を射抜くかのようなハイキックの必殺技がドラゴニックブルーに直撃した。

ドラゴニックブルーはそのまま爆発し、変身を強制解除されてしまった。築村はかなりの重傷を受けており、意識もない。そんな築村を見て、ライトニングホワイトが仇を討とうとするが、俺が止めた。


「やめろ!築村でも勝てない相手だ。お前が戦っても勝てるはずがない。まずは築村を助けないと」


「わ……わかった」


「賢明な判断だ。お前たちが束になろうと俺には勝てない」


ポイズンパープルは去っていった。俺は急いで救急車を手配した。


「築村!しっかりしろ!築村ぁ!!」


続く。


今回は遂に溱くんの復讐相手である、梅西隼の登場回でした。このキャラが今後どのように物語を盛り上げてくれるのか楽しみですね!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!

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