次が最後の曲になります。
前回18話の続きです。共に戦ってくれる怪獣回、一体どんな結末を迎えるのか、皆様の目で確かめてください!それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!
「お前、帰る宛はあるのか?」
怪獣は頷きはしなかったが、立ち上がりトボトボと歩き始めた。
「なぁ!明日、松浦純花のライブがあるらしいんだが、おそらくさっきの怪人もきっと現れるはずだ。待ち伏せしてアイツを倒さないか?」
俺の言葉に怪獣は唸りながら、頷いた。どうやら、交渉成立のようだ。怪獣にライブ会場を教え、そこで誰にもバレないように待機しろと命じた。バレるときっと大騒ぎになるからだ。
その日の夜、俺は真央に電話した。
「知り合いから松浦純花のライブチケット譲ってもらったんだけど、俺はみんなほど興味ないから、もしよかったら真央に譲るよ」
「え!?いいの!!?」
「あぁ、楽しんでこいよ!」
「ありがとう!」
これで俺は明日、真央と松浦純花の2人のボディガードとなった。必ず守り切ってみせる。
次の日、ライブ会場にはライブグッズを買おうと早くからファンが行列を作っていた。
「すごいなこりゃ」
行列を眺めていると、電話がかかってきた。松浦純花からだ。
「今日はボディガードよろしくね!」
「あぁ、心強い仲間も呼んだから、大丈夫だ」
「それは頼もしい!」
「じゃあ、これから準備に入るから後はお願いね!」
「はいよ」
電話が切れた。開場時間となり、ファンたちは次々と会場に入っていく。そしてライブ開始時間が迫る頃にはさっきまでの行列の賑わいが嘘のように会場の外は静かになっていた。
すると、まわりの静けさに気付いたかのように、怪獣がやってきた。
「上手く隠れられたみたいだな!」
「ウガァ!」
怪獣と一緒に怪人を待ち伏せする魔法少女って想像するとなかなか面白い光景だなと自分でも思った。
間も無くライブが開始するかという時に、標的が現れた。
「待ってたぜ!変態野郎!」
「ウガァァァァァ!!」
その頃会場では、
「みんな今日は来てくれてありがとう!私みんなのために精一杯歌ね!じゃあ、いくよ」
場内は大盛り上がりをみせていた。その盛り上がりが会場の外でもわかるほどに盛り上がっていた。
「どうやら、ライブ始まったみたいだぜ?」
「キサマラユルサン!」
「変身!」
俺はブラスターピンクに変身した。
「いくぜ!」
怪獣に向けて言う。
「ウガァ!!!」
俺と怪獣は怪人に攻撃を仕掛けた。怪人も力を合わせた俺たちの攻撃に手を焼いているようだ。
「このまま押し切るぞ!」
一気に畳み掛けようとした時、怪人の両手が剣に変形し、俺と怪獣を吹き飛ばした。どうやら、怪人も本気を出してきたようだ。
「うわぁぁ!」
一方、会場ではライブが終盤に差し掛かっていた。
「色々あって久しぶりのライブ!名残惜しいですが、次が最後の曲になります。聴いてください。」
そう言って、松浦純花は最後の曲を歌い始めた。
怪人の猛攻に俺たちは手も足も出せなかった。すると、怪獣が意を決して怪人に突進していった。その突進は今までの突進とは違い、本気で守りたいという全力の想いが詰まった突進だった。
「グゥ、ジャマダァ!!」
怪人は突進を振り払い、怪獣に全力の一撃を入れた。
「おぉい!」
怪人の一撃が致命者になったようで、怪獣はその場に倒れ込んでしまった。俺は怪獣に駆け寄った。
「そんな…しっかりしろ!」
「ウ……ガァ……」
「おい、諦めんな!」
「ウガァ………マ…モッ……テ…」
怪獣は大粒の涙を流しながら、そのまま目蓋を閉じ、消滅した。
「あぁ……守ってやるさ!お前のお姫様をな!!大変身!!!」
俺はスーパーブラスターピンクへと変身した。
そのまま怪人を圧倒し、殴り飛ばした。
「これで終わりだ!」
ハピネスボンバーでトドメを刺した。怪人は消滅した。
「ふぅ……守ったぜ……」
ライブは大成功に終わったようだった。ライブ終了後、電話で楽屋に呼び出された。
「約束、守ってくれてありがと!ステキな魔法少女さんっ。これはほんの御礼」
と言って、松浦純花は俺に近づき頬にキスをしてくれた。俺は頭が真っ白になった。
「ほえぇ?え…えぇぇぇぇぇえ!!?」
「もう大袈裟なんだから///」
後日、真央から御礼を言われた。ライブは最高によかったらしい。真央の喜ぶ顔が見れて俺も嬉しい。
学校に到着すると、なんだかクラスが騒がしい。クラスメイトに何かあったのかと聞くと、どうやら転校生が急遽来ることになったらしいのだ。
そして朝礼、担任から転校生がうちのクラスに来ることになると発表があった。ドアから入ってきたのは、なんと松浦純花だった。
唖然とするクラスメイトたちだったが、俺は立ち上がって思わず驚きの声を上げてしまった。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「これからもよろしくねっ。ステキな王子様っ」
今回の18話、19話は9話投稿後に作者が何気なく思い付いた回でした。楽しんでいただけましたでしょうか?10話を作るより先に書く必要があったのかはわかりませんが、きっとあの時思いついていなければ今思いつく事はできなかったと思います。今回も読んでいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!