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サクラちゃんとミノリちゃん 2

 「2人で文化祭廻ったりさ」とサクラちゃんは嬉しそうだ。「しちゃいなよ。私達俄然応援するから」

私は恥ずかしくなってご飯の噛み方がおかしくなるが首を振る。

「2人はいい感じだと思うけどな~」

ミノリちゃんも優しく言ってくれたが私はさらに首を振る。

 そりゃあツブツブと仲良くなって、2人で文化祭廻れたりしたら嬉しいだろうけど、私はサクラちゃんとミノリちゃんと、3人で廻りたいな。

 ダメなのかな。



 ヤグチが自分の席へと戻って来た。「薫」と呼ばれて私は立ち上がりそうになる。

 ヤグチの口を押さえようとしたのかもしれない。

 まさかミノリちゃんとサクラちゃんの前で、また薫呼ばわりされようとは。2人もちょっと驚いている。



 「先にサイトウ連れて階段の下、行ってるから」

ヤグチがそれだけ言ってすぐ行ってしまうと、見計らったようにエダノノカがやって来た。

「ねぇ山根さん、今チラッと聞こえたけど、ヒカルに『薫』って呼ばれてなかった?」

「ううん」と瞬時に否定して、しまった、と思う。

「呼ばれてたでしょ。ねぇ?」

エダノノカはサクラちゃんとミノリちゃんに同意を求めたので、2人は私の顔を伺いながら「どうかな?」と答えた。

 エダノノカの2人を睨む顔が怖い。



 「ごめん呼ばれた」と私は答えた。

「なんで?」エダノノカはさらに詰めよって来る。「まさかつきあってたりとかって…」

「まさか!ん~~と…何か怒ってんの、私に。だから」

エダノノカが、ふん?という顔をする。

「それで呼び捨てにされてて、今から階段の下に来いって言われてんの」

「マジ?あんたヒカルに何したの?」

「全然わかんない。怖いからエダさん一緒に行ってくれる?」

とっさに私はそう言った。

 サクラちゃんとミノリちゃんはただ事の次第を見守っている。たぶんそれが一番いいと判断してくれたのだろう。

 エダノノカをヤグチに押し付けて、その間にサイトウの話を聞こう。



 弁当を片付けてエダノノカと一緒に非常階段を降りていくと、そこにはかったるそうな顔をしたヤグチが、サイトウだけではなく他にクラスの男子4人とたむろっていて、私はそばに寄って行きたくない。

 ヤグチが私に気付いたが、隣にエダノノカを連れているのを見て露骨に嫌そうな顔をした。

 どうしようかな。踵を返して教室に戻りたい。

 そうだそうしよう。だってエダノノカはきっとあそこに入っていきたいに決まっているから。



 「あ、山根」と手を振って来たのはヤグチではなくてサイトウだった。「待ってた待ってた」

私に手招きをするが私はその場に立ったままだ。見かねてサイトウが上って来た。反対に、エダノノカがヤグチの所へ降りて行くのでちょうどいい。



「山根、頼みたい事あんだけど」

え?話したい事じゃなくて?

 頼みたい事があると言ったサイトウが、ズボンのポケットから小さく畳んだメモを取り出して渡して来た。

「これさ、クリハラミノリに渡して欲しいんだけど」

ミノリちゃんに!?

 メモを渡してくるサイトウ越しに、ヤグチがエダノノカを無視してこちらへ上がって来ようとするのが見えた。

「薫!」

ヤグチ!!エダノノカの前で私を呼び捨てにすんな!

「わかった、渡しとく!」

私はサイトウの手からひったくるようにメモを取ると走って教室に戻った。



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