桜井への確認 4
「全ては運なんだよ」桜井がまた言った。
何がだよ。全部あんたがやらせてる事だろう?
「私じゃないよ」
私が口に出してないのに桜井が言った。「全て運なんだよ。山根が今年私のクラスになったのだって、私が仕組んでそうしたわけじゃない」
本当に?
「…運でもです。好きな男子設定はいりません。そんなのなくたって、私ちゃんとみんなの話聞きますよ」
「いろんな物事の運びはあるけれど、そもそもオオツブライは山根の事を最初からちょっと気にしていたよ。それで一昨日私が送るのを頼んだから急接近したんだろう?」
恥ずかしい。急接近とか言うの止めて欲しい。
だいたいまだそこまで接近してないから。
「でもな」桜井が微笑みながら言う。
「山根はたまたまあの時間、オオツブライがあそこを通ったと思ってるだろうが、あれはわざとかもしれんよ」
「ツブツブ…じゃないオオツブライ君も私の仕事を知ってたって事ですか?」
「その話なら山根が昨日自分で話したんじゃないのか?私がバスを降りた後、ツブツブに聞かれたろう?」
桜井もツブツブと呼んでいる。
「ツブツブは私が山根に放課後来るように言ったのを聞いていたんだよ。そしてその後山根のいない時に、ヤグチにも来るようにと言ったのも聞いたんだろうな。それで気になって放課後残っていたんだろう」
心配してくれたって事?
「ヤグチが山根の事を気に入っているのが気になったんだろう」
ヤグチが私の事を?
「それも先生が仕組んでる事なんですよね」
「いやたぶん中学の頃からじゃないかな」
「中学の時の私の事なんて、先生知らないじゃないですか?」
「私は君のクラスの担任だよ」桜井が笑う。
だから?
桜井の笑い、イライラする。
「だから!どうして先生がそんな事知ってるんですか?」
「今言った通り私は君たちのクラスの担任だからだよ。君たちの事はちゃんと把握している。昨日ヤグチに声をかけた時に、最初は放課後用事があるって言ってたくせに、山根と話をしなきゃいけないからそれを聞いていて欲しいと言ったらすぐやってきたから」
「それはただ話っていうのに興味があったからでしょう?」
「いや逆だろう。気になっている子の話だからこそだよ。実際私は1回目、ただクラスの子と話をするのを聞いていて欲しいって言ったんだけど、
それは無理って断られたんだよ。でも山根だって言ったら『じゃあ行くわ』って言ってな」
桜井は嬉しそうに私に話して聞かせる。
でも…




