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「え、何これ…?」
入り口で立ち止まるヨルはあちこちで騒いでいるクラスメイト達を見比べる。あれは大変だったと泣きながら肩を組む男子達。女子はあの時のフィシトル先生はイケメンだった!と色恋に花を咲かせている。温度差を感じる部屋に違和感しかない。ヨルは静かに部屋の窓を開けた。フィシトルに呼ばれてクラスを少し離れただけなのに、何があったというのか。…賑やかなクラスだ。と窓の外をぼんやり見ていると、視界の端に誰かが立った。
「何か用?」
顔を向けることなくその相手に問う。何やかんやで関わることが多い人物に。
「ヨルさん、最近忙しいのか、疲れているのか、元気がないように見えたので、大丈夫かなと思いまして。」
マーネは気遣わしげに空色の瞳をヨルに向ける。彼女の三つ編みが風で揺れているのを眺めながらどう答えるか考える。
「んー…別に、考え事してるだけ。そっちは何かあった?感情的に話してる人が多いみたいだけど。」
「はい!属性について皆と話してました。どの属性が多いとか少ないとか、土地や妖精が関係してるなど。マギアを使わない人の方が多いのに、本や歌で存在は既に認知されてる。ここだと使える人しかいないから不思議です。お伽噺に迷い込んだみたい。」
「初めて使った時は確かにそんなことも感じてたかな。お伽噺か…。光属性は数が少ないから、確かにお伽噺みたいだよね。まぁ、二つの属性を持ってる奴もいたり、人間じゃないのもいたりするから空想の世界は現実を参考にしてるのかも。面白い話だけど…本が読みたいなら図書室へ行ったら?」
「いえ、まぁ、本は好きですが…!そうではなく。元気なら良いんです。ところで、マギア試験のほう自信はありますか?私は出るのが決まっているので、少しでも知ってる人に出て欲しいといいますか!」
あたふたするマーネにヨルはそっちが本題かと納得する。
「自信ならある。だから、その試合で本気で勝負してパートナーの決着つけようか。オレは今からそれが楽しみでしょうがないね。」
自信に満ち溢れるヨルにマーネは息を呑んだ。言質をとった。と拳を握り締める。今度はマギアでの勝負。言い訳無しの真剣勝負にマーネは気持ちが高揚するのを感じた。




